2015年5月8日金曜日

脂こってり、ウナギ風味のナマズ 近大、業者と研究


西村悠輔

2015年5月8日11時37分

かば焼きのウナギ(上)とナマズ=奈良県大和郡山市の「うなぎの川はら」、竹花徹朗撮影
ナマズ重=奈良県大和郡山市の「うなぎの川はら」、竹花徹朗撮影
炭火で焼くナマズ=奈良県大和郡山市の「うなぎの川はら」、竹花徹朗撮影
昨年11月、研究室に届いたナマズを調理してみる有路昌彦准教授(左)と和田好平さん=奈良市中町の近大水産経済学研究室
養殖ナマズの湯引き。皮に厚みがあり、歯ごたえがある。かむと川魚独特の香りがした
養殖ナマズに塩を振って軽く火であぶった「あぶり」
養殖ナマズの刺し身。タイやコイのようで、食べてみると臭みはなかった
養殖ナマズは生食も。あぶり、皮の湯引き、刺し身(上から順)と料理のバリエーションも豊富だ=奈良市中町、西村悠輔撮影
養殖ナマズ=和田好平さん提供

 香ばしい匂い、こってりした脂……。ウナギのかば焼きに見えるが、実はナマズだ。近畿大学の研究者と鹿児島の養鰻(ようまん)業者が協力し、養殖ナマズのエサを一工夫したところ、ウナギに似た風味になった。9日からウナギ料理店で試験販売し、顧客の声をアンケートで集める予定だ。絶滅が危惧されるウナギに代わり、夏の主役になれる!?

 「ウナギ風味のナマズ」作りに取り組むのは、近大水産経済学研究室(奈良市)の有路(ありじ)昌彦准教授(40)と同大学院1年の和田好平(こうへい)さん(22)。近大はクロマグロの完全養殖など食の安全・安定を探る研究者が多い。有路准教授は約4年前に調査、研究を開始。昨年、鹿児島県・大隅半島でナマズとウナギの両方を育てる牧原養鰻の協力を得て試行錯誤を重ねてきた。

 ナマズは川や湖沼にすむ淡水魚でウナギとは異なるが、ぬるぬるとした表面や生息地など似ている点もあり、有路准教授は「ウナギの代替食になるのではないか」と考えてきた。各地のナマズを取り寄せ、脂の乗り具合や臭みなどを比較。「マナマズ(ニホンナマズ)」という種類がかば焼きに適すると判断した。泥臭さは生育環境の影響が大きいため、エサなど養殖技術を工夫すればウナギ並みになると研究してきた。

 有路准教授によると、国内には海水魚の養殖に使う固形エサが数百種類あり、栄養価や品質が高いという。従来の淡水魚用のかわりに、この中から油脂を多く含むエサを用いて牧原養鰻に育ててもらった。昨年秋に調理したところ、淡泊であっさりした当初の味から脂身が増し、「まるでウナギや!」と思った。さらにたんぱく質が豊富なエサも混ぜ、弾力のある肉質になるように工夫を重ねているという。牧原養鰻の牧原博文社長(47)は「脂乗りがよくなり、切り身の光沢も違う」と話す。

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