Daraprim
アメリカの医療費は異常なほど高騰していますが、いくつもある理由のひとつに、処方される薬の高額さがあります。

(参照:「もうこんな国いやだ…」アメリカで請求された恐ろしく高額な医療費14例

HIV患者のための薬の権利を購入した製薬会社が、たったひと晩で55倍に値上げしたことから、猛烈な批判にさらされています。

それまで1錠13.5ドル(約1600円)だった“Daraprim”という薬が、1錠750ドル(約9万円)に跳ね上がったのです。

現在はHIV感染者の治療に使用されていますが、薬そのものは古くからあり、その権利を買い取ったTuringという製薬会社が値上げをしたというもの。

治療薬が急に値上がりしたことで、治療できない患者や破産する患者が出ることは容易に想像がつくとして、海外のネット上では大炎上しています。

海外掲示板の様子をご紹介します。

●この状況が理解できない。この薬は62年前のもので特許権は20年しかない。なのにどういうこと? 不当な値段をつけられたら、他の製薬会社が争えるのではないのか?
新薬でこうした問題が出るのはわかるよ。だが特許権が消滅した薬なら値上げする会社だけが痛いのではないのかな。患者は安い他の薬が買えないの?

↑ニューヨークタイムスによると、この薬”Daraprim”の流通そのものが厳しくコントロールされていて、他のジェネリック医薬品の会社がテストに必要なサンプルさえ手に入れられないらしい。
薬局からコントロールされた流通の仕組みがImpaxによって6月に整備された。この流通コントロールこそがマーティン・シュクレリ氏(Turing製薬会社のCEO)の戦略であり、前の会社にいたときから、それが一般の薬を妨害できると話していた。

↑要約すると、彼は特許権をコントロールするのではなく、供給ラインをコントロールしているんだな。

●いったいサンプルになにが必要なんだ? インドあたりがジェネリック医薬品を作り始めないのかな。

↑すでにインドや海外では1ドルくらいで売ってるよ。アメリカのルールで市場に入らせないんだ。

●Twitterで「なぜ?」と聞いたジャーナリストに、CEOは「バカめ」と応えていたよ。

↑それがCEOの言動? 株主は役員会と話すべきだな。こんなことしてると沈んでいくんじゃないのか。

↑ここ5年でそれが一般的になってきているんだ。競争相手も買い取って値段を上げるってのがね。あまりテストもされていない40年も経った薬があったら、新しい名前に変えたりね。いや本当に、一般的なドキシサイクリン(ニキビからライム病まで使う)30錠が4ドルから110ドルへ、コルヒチン(痛風の薬)が4ドルから200ドル以上に跳ね上がったよ。

●このCEOを擁護する人は、値上げについての彼の発言を無視しているようだ。
人命を救うには最低でも10万ドル(約1200万円)かかる前提で話をしていたが、前の値段では1000ドル(約12万円)で救える。それをチャンスとみて、前提そのものを自分で作り上げたんだ。
利益でさらなる研究費用に投資する話もしていたが、彼の命を救う薬は他の命を救う値段と同じくらい釣り上げたがっている。
彼は値上げに疑問を持つべきではないと思っているし、もう教科書に載ってるようなひどいやつだ。

●CEOが値上げをした理由は明白で、彼は道徳的に非難されるべき人物で、単に贅沢で派手な生活がしたいだけ。

●このCEOはバカなのも間違いはない。投資者は彼を非難に対する盾に使ってるね。その間に利益を集めているんだろう。さらにどの投資者がこれを手伝っているのかも追うべきだ。

●CEOは「どうやって寝ているのか」という質問に対し、「Ambien」(不眠症の薬)と答えている。

↑Ambienの値段もあげよう。

↑もう遅い。ジェネリック医薬品がある。

●そういう社会として機能し、さらにそういうことが可能な社会だということが悲しい。多分このCEOが最初に考えだしたオリジナルのアイデアでもない。

↑ただ、それを堂々と大声をあげてったのは初めてだと思うね。この壊れたシステムを悪用しているだけでなく嘲笑しているんだ。

●このせいで保険があがるんだ。この男がやってることはわれわれ全員に影響する。

↑そうだよ。その750ドルの薬はイギリスでは0.66ドル。

●精神病だな。

●裕福な家にピッチフォークと明かりを持って、嵐のように家に押しかける中世時代の伝統をもう一度取り戻そう。この男のときだけで終わっていいから。

現在、世界中のメディアに取り上げられるほど衝撃を与えていますが、昔からある薬が50倍も値上げされたことに、多くの人が激しい怒りの声を上がていました。

Google the guy who increased the price of a pill to $750, Martin Shkreli