2016年1月12日火曜日

血液のがんである白血病をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って治療する研 究を、京都大などのチームが新年度から本格的に開始する。

 ヒトの免疫細胞の一種「(キラー)T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、これらを再生/増殖して再び患者の体に戻してがん治療に役立てようとするアプローチは、既に、種々のかたちで進められている。

 ◆ 参照 当誌過去の "キラーT細胞" 関連記事

 (1) 協和発酵キリン、"がん免疫療法開発"(iPS細胞で"キラーT細胞"を作製)で京大iPS研と!/当誌 2015.12.05

 (2) iPSで作った免疫細胞"キラーT細胞"投与で、マウスの"がん"縮小に成功!(東京大学)/当誌 2015.11.13

 (3) iPS細胞からがん攻撃の免疫細胞(NKT細胞)を作りがん治療の"臨床研究"計画!(理化学研)/当誌 2015.04.23

 (4) "iPS細胞"技術:"がん免疫療法"への応用目指し着実な進展!NKT細胞ほか免疫細胞培養!/当誌 2014.01.27

 (5) <ウイルスに感染した細胞やがん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種「T細胞」を一度、人工多能性幹細胞(iPS細胞)にした上で、同じ能力を持つ「元気」なT細胞に再生させることに世界で初めて成功したと、東京大の中内啓光(ひろみつ)教授らのグループが発表した。このT細胞を患者の体に戻すことで、がんなどの新たな治療法につながる......> ( iPS細胞の技術応用で、がん細胞などを攻撃する免疫細胞の一種"T細胞"の若返りに成功!/当誌 2014.00.00 )


 今回注目する下記引用サイト記事 : iPSで白血病治療研究...京大など、新年度から/YOMIURI ONLINE/2016.01.11 - 04:26 は、  <血液のがんである白血病をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って治療する研究を、京都大などのチームが新年度から本格的に開始する。 iPS細胞から作った免疫細胞でがんを治療した臨床例はまだなく、チームは動物実験などで効果が確認できれば、患者の体内に免疫細胞を入れ、安全性や有効性を検証する臨床試験(治験)を2019年にも始めたいとしている。> と報じている。

 <......iPS細胞から作るのは、「キラーT細胞」と呼ばれる免疫細胞の一種。がん細胞やウイルスなどの「敵」を攻撃し、細胞表面にある分子の違いで攻撃相手を見分ける。  キラーT細胞を使ったがんの治療法は国内外で研究されているが、細胞ごとに攻撃する相手が異なるほか、培養して増やすのが難しいなどの課題があった。  京大再生医科学研究所の河本宏教授らは、キラーT細胞をiPS細胞に変えても、元のキラーT細胞が持っていた攻撃する相手の記憶は残る点に着目。特定のがん細胞を攻撃するキラーT細胞を、無限に増殖できるiPS細胞に変化させて大量に増やし、患者の体に戻せば、がん細胞を効果的に攻撃できると考えた。> とある。

 iPSで白血病治療研究...京大など、新年度から/YOMIURI ONLINE/2016.01.11 - 04:26

 血液のがんである白血病をiPS細胞(人工多能性幹細胞)を使って治療する研究を、京都大などのチームが新年度から本格的に開始する。

 がん細胞への攻撃力が高い免疫細胞を、白血病患者自身のiPS細胞から作る計画で、京大倫理委員会の承認も得た。iPS細胞から作った免疫細胞でがんを治療した臨床例はまだなく、チームは動物実験などで効果が確認できれば、患者の体内に免疫細胞を入れ、安全性や有効性を検証する臨床試験(治験)を2019年にも始めたいとしている。

 iPS細胞から作るのは、「キラーT細胞」と呼ばれる免疫細胞の一種。がん細胞やウイルスなどの「敵」を攻撃し、細胞表面にある分子の違いで攻撃相手を見分ける。

 キラーT細胞を使ったがんの治療法は国内外で研究されているが、細胞ごとに攻撃する相手が異なるほか、培養して増やすのが難しいなどの課題があった。

 京大再生医科学研究所の河本宏教授らは、キラーT細胞をiPS細胞に変えても、元のキラーT細胞が持っていた攻撃する相手の記憶は残る点に着目。特定のがん細胞を攻撃するキラーT細胞を、無限に増殖できるiPS細胞に変化させて大量に増やし、患者の体に戻せば、がん細胞を効果的に攻撃できると考えた。


 <キラーT細胞を使ったがんの治療法の課題> であった <細胞ごとに攻撃する相手が異なるほか、培養して増やすのが難しいなど> の点が、どのように克服されるのか、が注目される...... (2016.01.13)

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