2018年8月6日月曜日

女性の就職・昇進が難しい理由

勉強の為に転載しました。
http://yuru-ku.com/2017/10/23/the-reason-why-it-is-hard-for-women-to-get-jobs-and-promoted-in-japan/

2017年10月23日



最近とある女子大生がこの売り手市場にあっても就職に苦戦しているという記事(「頭のいい」女子はいらないのか——ある女子国立大院生の就活リアル)がネットで話題になっていました。
この記事の女子大生が苦戦した主な原因が何かは実際のところわかりませんが、全体として就職や昇進において男性より不利な立場であるというのはよく言われる所です。
では何故そもそもそのような状況が発生するのか、現状と原因を考えてみましょう。

女性の社会進出は進んでいる しかしまだ不十分

(内閣府男女共同参画局 「役職別管理職に占める女性割合の推移」)
上の図の通り中々女性の社会進出が進まないと言われる日本においても、年々女性の管理職は増加していっていることがわかります。
昔は女性が就職すること自体ありえなかったと言いますから、大きく変わってきているのは確かです。
しかしながら政府目標の女性管理職30%にはまだまだ遠く、北欧、西欧などと比べるとその差は依然として大きいと言わざるをえません。

日本の女性が就職・昇進しにくい理由

ではなぜ日本ではヨーロッパやアメリカと比べ女性の社会進出が進みにくいのでしょうか。
企業も別に女性に意地悪がしたいわけではありません。
就職や出世において男性が有利になりがちなのは、それが企業にとって合理的な選択だからです。
といっても女性の能力が男性に比べて劣るということではありません。
それは終身雇用を中心とする日本型雇用慣行に原因があります。
日本では解雇要件が厳しく不明瞭で、解雇された正規雇用の従業員が裁判に訴えた場合仮に従業員に問題があってもほとんどの場合労働者が勝ちます。
更に補償金は青天井で、会社側は1億円以上の支払いを命じられることもあります。
また労働者側も終身雇用を望む傾向が強く、組合も賃上げや残業を減らすことより雇用を守る事を何よりも優先して企業に求めてきました。
このように日本において企業が正社員を解雇するのは容易でないため、正社員をいたずらに増やすことは大きなリスクを抱え込むことを意味します。
そのため、日本企業は好景気でも社員を増やすより残業を増やし、既にいる社員の長時間労働によって対応する傾向がありました。(最近はそれに加えて容易に解雇できる非正規の従業員を増やすということも行われています。)
そしてこのようなシステムは、女性が専業主婦になって家事に専念することで成立していました。
夫が早朝から深夜まで働きながら家事までこなすのには難しく、男性は仕事、女性は家事という分業体制が定着しました。
このような日本型雇用慣行の元では会社が社員の雇用を保証する代わりに、社員は一生をかけて一つの企業に休まず滅私奉公することが求められます。
そのため妊娠や出産などどうしてもブランクが出来がちな女性は男性と比べキャリアアップの面で不利になり、また男性も長時間労働により家事や育児への参加が難しくなります。
実際終身雇用的な企業の多い大企業ほど労働時間が長くなっていることや、終身雇用を維持する余裕のない中小企業の方が女性の正社員や管理職の比率が高くなっていることからもそれは裏付けられます。
(中小企業庁 「働き方とワーク・ライフ・バランス」)
↑中小企業の方が大企業より女性の正社員率が高い

女性が企業で活躍するには

さて、ここまで見て日本で女性の社会進出が中々進まないのは、終身雇用・年功序列をはじめとする日本型雇用慣行に原因があることがわかっていただけたかと思います。
従って女性が活躍する社会にするには終身雇用等の雇用慣行を見直すことが必須となりますが、いまだに日本人の多くが終身雇用を望んでいるという事実もありそうすぐには変わらないと思われます。
では社会全体ではなく一個人として、キャリアアップを望む女子学生はどうすればよいでしょうか。
1.企業に需要の高い専攻を選ぶ
まだ高校生等で大学進学を考え、かつまだ専攻を決めていないのであれば理系、特に電子工学や情報工学などの工学系を選択することをお薦めします。
文系、特に女子学生の多い社会学や心理学、文学専攻は企業側の需要があまりなく、そこで学んだことが純粋に評価されることはあまりありません。
そもそも企画や事務系の職種は学生人気が高いのに募集は多くないため、有名企業だと男子学生でもそう簡単には入れません。
その点工学系は常に企業からの需要が大きく、過去の就職難でもあまり就職に困ることはありませんでした。
それだけでなくこれらの分野は女子学生が非常に少ないです。
正社員にせよ管理職にせよ、企業に対する女性の比率を上げる圧力は益々強くなっていくことでしょう。
そうなるとこういった女性の少ない分野では貴重な存在として重宝される可能性が高いです。
その分野に全く興味を持てないようだと難しいでしょうが、抵抗がないならお薦めです。
2.中小企業に入る
上述の通り、実は大企業より女性の正社員・管理職の比率は高くなっています。
大企業も中小企業も色々ではありますが、一般論としては正当に実力を評価される確率が高いのは間違いなく大企業より中小企業です。
また、例えば子供を会社に連れてくることが出来たりと、出産・育児等の際にも規模が小さい分中小企業の方が柔軟な対応を取ってくれたりもします。
日本は転職でのキャリアアップが難しいので新卒で人気のある有名企業を第一志望にするのは仕方ないですが、大企業にこだわらず中小企業も選択肢に入れておくといいでしょう。

まとめ

  • 日本女性の社会進出は進んでいるが不十分
  • その原因は終身雇用を中心とした日本型雇用慣行
  • 女性の社会進出を進めるには終身雇用の廃止が不可欠
日本における女性の社会進出の現状と、改善のスピードが遅い原因がわかったかと思います。
単に男尊女卑とかそういうことではなく、終身雇用制度が根っこにあってしかも多くの国民がそれを支持しているために中々変わらないという現実があります。
日本人がいまだに終身雇用を根強く支持しているのはその悪影響をよく理解していないためだと思われるので、まず国民が自分達の置かれている制度についてきちんと理解することが必要です。

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