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2015年10月19日月曜日

切りたい部分、臓器に投影 京大が手術補助装置を開発



装置が反応する光の種類は変えられ、会見の際の実演では模型の臓器の赤い血管を青い光で照らした=京都市左京区の京都大医学部付属病院装置が反応する光の種類は変えられ、会見の際の実演では模型の臓器の赤い血管を青い光で照らした=京都市左京区の京都大医学部付属病院

模型の臓器を使って装置を実演する波多野悦朗准教授=京都市左京区の京都大医学部付属病院模型の臓器を使って装置を実演する波多野悦朗准教授=京都市左京区の京都大医学部付属病院

壁面などの形に合わせて映像を投影するプロジェクションマッピングの技術を応用し、手術中に切りたい部分を光で色分けする装置を、京都大とパナソニックが開発した。臓器が動いても対応でき、高度な手術を補助する医療機器として承認を目指す。
 グループは今後、がんなどによる肝切除の際の効果や安全性を調べる臨床研究を始め、将来は乳がんや肺がんなどへの応用も見込んでいる。
 肝臓のがんは切除しか根治が期待できないが切りすぎると肝不全になる危険がある。このため肝臓の細胞に取り込まれて赤外線を発する色素を用いた技術が実用化されている。色素を切除しない部分の血管に注入し、モニターで赤外線が出ている部分を確認できる。
 今回の装置はこの技術とプロジェクションマッピングを組み合わせた。赤外線を出す部分を装置で読み取り、その部分の臓器の表面に光を当てて色分けし、モニターを見なくても切除すべき場所が分かるようにした。臓器が変形、移動しても0・1秒で修正し、正しい位置に光を当てる。モニターの確認をしなくていいので、グループの波多野悦朗准教授(肝胆膵(かんたんすい)・移植外科)は「医師のストレス軽減にもつながる技術だ」という。(阿部彰芳)

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