アドビ自らFlashに白旗宣言…。HTML5への移行を推奨
GIZMODO時代の変遷を痛感させられます……。
ウェブ上で、ダイナミックなリッチコンテンツを実現してきたFlash。モバイル分野でも主役を果たしたかったはずですが、アップルやグーグルは手を貸してくれませんでした。それどころか、最近は深刻な脆弱性が次々と見つかって、ChromeやFirefoxブラウザーからも締め出される始末。本丸のウェブとデスクトップでもFlash離れの動きが加速していましたよね。
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Adobeは、業界標準のパイオニアとなり、普及を担い続けてきた。標準を受け入れるのみならず、新たな標準の創造にさえ努めてきたのだ。
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Flashは、ウェブに新たな可能性をもたらす主導的な役割を果たしてきた。オーディオからアニメーション、インタラクティブな機能から動画にいたるまで、ウェブの発展にFlashが果たした役目は大きい。
だが、HTML5を始めとするオープンなウェブ標準が浸透し、かつてはFlashが担っていた多くの役割を果たすようになってきた。我々のユーザーからも、こうした複数の標準をサポートするクリエイティブアプリケーションを求める声が大いに高まっており、そのリクエストに応じることになった。
決してAdobeがFlashの欠陥や失敗を認めたわけではありません。しかしながら、このほど公式ブログには、こうした説明が掲載され、FlashからHTML5への移行を、Adobe自らがサポートしつつ、デベロッパーに移行を推奨するメッセージが出されています。
まず、Adobeは、Flashコンテンツの作成に用いられてきた「Flash Professional CC」を、今後は「Animate CC」へ切り替えることを発表。HTML5 Canvas、WebGL、Flash(SWF)、AIR、SVGなど、豊富なフォーマットでのコンテンツ作成を強調したネーミングが採用される形となりました。数多くの新ツールを搭載し、新たに生まれ変わった「Adobe Animate CC 2015」は、Creative Cloudスイートの新バージョンに含まれてリリースされる予定です。
さらに、Adobeは、デスクトップブラウザー向けに、新しいHTML5動画プレイヤーのリリースを表明。Flash Playerに代わるHTML5 Playerなる新プラットフォームによって、なんとか今後もリッチコンテンツの主導権を握っていきたい考えのようですね~。
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HTML5のような標準が、将来的には、あらゆるデバイスでウェブのプラットフォームとなっていくだろう。だが、新たな標準が普及していくまでは、Flashが、引き続きオンラインゲームやプレミアム動画などの分野で選ばれていくことに変わりはない。
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とはいえ、こうした将来を見越し、我々はコンテンツクリエイターに対して、新しいウェブ標準での制作に取り組むよう勧めたい。そして、今後も我々は、デザイナーやデベロッパーが、ウェブ向けに優れたコンテンツを送り出せるよう、最高のツールやサービスの提供に取り組んでいく所存だ。
今回の発表を、こんなふうに締めくくったAdobe。まだすぐにFlashが消えゆくわけではなく、引き続きサポートの提供を謳うものの、時代の流れには逆らえない未練も残るメッセージ内容に感じられますよね。Flashが過去の古き良き思い出として語られるようになる時代も、そう遠くはないのかもしれません。
(湯木進悟)
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