勉強の為に引用しました。
2013.07.04 19:00
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「治せる病気」に向けて、着々と進歩が。
今年はHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の治療に関して、良いニュースが続いています。まず、HIVに母子感染していた赤ちゃんが生後すぐの投薬で治った事例がありました。さらに成人HIV患者14人も、感染から間もなく抗レトロウイルス薬での治療を受けることで回復しました。そして今回、HIV感染からかなり時間の経っている成人男性ふたりが、骨髄移植のおかげでHIV治療薬なしで過ごせるようになっています。HIVの治療法確立に向けて、我々は一歩一歩近づいている感じがします。
回復したふたりの男性のうち、ひとりは「エイズ流行の初期」にHIVに感染した人で、もうひとりは赤ちゃんの頃に感染した人でした。彼らはがんの治療のため、ボストンにあるDana-Farber/Brigham and Women's Cancer Centreで骨髄移植を受けました。その後の検査で、彼らの細胞はドナーのものに置き換えられていることが確認されました。そして血液中のHIVウイルス量もどんどん減っていって、ついに検知できないまでになったんです。
彼らはそれ以降、通常HIV治療に使われる抗レトロウイルス薬を服用していません。それでもHIVウイルスが戻ってくる兆しすらなく、体の組織からもHIVウイルスは検出されていません。ただ、ウイルスが低レベルで潜伏していて後になって活性化することもありうるので、彼らの状態は緊密にモニターされています。この研究結果は、今週クアラルンプールで開催の国際エイズ会議で発表されました。
骨髄移植でHIVが治った事例は、これが初めてじゃありません。2010年、ベルリンのあるHIV患者が同様の治療を受けていました。ただ、このときの骨髄のドナーはHIVに耐性のある非常に珍しい遺伝子を持つ人で、同じようなドナーを見つけるのはきわめて難しいことでした。でも今回ふたりが治ったケースのドナーは普通の遺伝子を持つ人なので、これから骨髄移植がHIV治療の手段としてさらに注目されていくかもしれません。
ただ、骨髄移植には難しい面もあります。HIV患者の場合、骨髄移植の死亡率が15~20%と高くなりますし、手術後の免疫反応を抑える薬でも問題が起こりやすくなります。それでも、今まで治せないとされていた病気の治癒の可能性が出てきたのは素晴らしいことです。まだまだ「治療法ができた」と言える段階ではありませんが、いつかはそう言えるような、そんな期待が高まっています。
[International Aids Society Conference via Guardian]
Jamie Condliffe(原文/miho)
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