2016.09.13
編集部
第135回漢方医学フォーラムが6日、都内で開催され、東京大学大学院 医学系研究科 教授の康永秀生氏が「医療ビッグデータを用いた臨床疫学研究の最前線」と題して講演した。
現在、イレウスなどのがん手術合併症、抗がん剤の副作用、放射線療法の合併症、緩和ケアに漢方薬が使用されており、がん治療における漢方薬の役割は大きくなっている。大腸がん手術後の重症イレウスに対して大建中湯を用いた症例を、DPC(包括評価制度)データ分析した結果、「大建中湯の投与による劇的な効果はなかったが、イレウス管挿入期間・在院日数を有意に短縮でき、入院医療費を有意に削減できた」(康永氏)。
また、慢性硬膜下血腫手術後の五苓散投与の症例を医療ビッグデータで解析した事例を紹介。その結果、穿頭血腫洗浄術の再手術率を有意に低減するとともに、医療費を有意に削減できたことを報告した。
今後、さらに多くの漢方薬使用例について、その効果と医療費への影響に関するエビデンスの蓄積が必要だとしている。
- 参考リンク
- 東京大学大学院 医学系研究科
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