2016/12/2 22:00
社会
九州大などの研究チームは、生物の細胞膜に含まれる脂質の一種「プラズマローゲン」を食べ続けることで、認知症の一つであるアルツハイマー病の改善が期待できることを、臨床試験で確認したと明らかにした。
チームは今回、東京都や大阪府など7都府県の計25医療施設で治療を受けている、軽いアルツハイマー病を抱えた60~85歳の男女計98人を対象に臨床試験を実施。半数の患者には毎日、ホタテから抽出したプラズマローゲンを混ぜたゼリーを半年間食べてもらった。
30点満点の記憶力テストでは、臨床試験開始前と比べて平均点が2.2点上昇。ゼリーを食べなかった患者らの平均点は0.4点増だった。
プラズマローゲンは、人間をはじめさまざまな生物の体内でつくられているが、患者の血中では健常者よりも量が少ない。マウス実験では症状の改善効果が確認できており、サプリメントも市販されている。
藤野武彦・九大名誉教授(健康科学)は「今後、プラズマローゲンが症状を改善する仕組みを解明したい」としている。〔共同〕
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