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2017年6月9日金曜日

SIMの挿し替え不要、基本料金0円 約100カ国でデータ通信ができる「GWi-Fi」ルーター登場


SIMの挿し替え不要、基本料金0円 約100カ国でデータ通信ができる「GWi-Fi」ルーター登場

SIMカードを入れ替えることなく世界中で利用できるモバイルWi-Fiルーターが登場。遠隔地にある「クラウドSIMサーバ」から各キャリアのプロファイルを転送する。日本ではドコモとソフトバンクの回線で通信ができる。

 BroadLineは6月8日、SIMカードを入れ替えることなく、日本を含む約100カ国でデータ通信が利用できるモバイルWi-Fiルーター「G3000」を発表。7月21日からビックカメラやヨドバシカメラなどの家電量販店で販売する。価格は1万9800円(税別)。
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モバイルWi-Fiルーター「G3000」
 海外でデータ通信をするには、キャリアのローミング、ルーターのレンタル、現地のSIMを購入するといった手段があるが、今回のルーターは、それらに加わる海外データ通信の新しい手段となる。

クラウドSIMサーバから遠隔でSIMを設定

 最大の特徴は、ユーザーが端末(ルーター)にSIMカードを挿さなくても通信ができること。通信に必要なSIMカードは遠隔地にある「クラウドSIMサーバ」に挿されており、ユーザーのいる場所に応じて、どのSIMカードで通信するかを制御する。BroadLine 代表取締役 長岡守氏は「ルーターに専用モジュールが入っていて、リモートで全て設定できる。世界とモバイル機器を自由につなぐ」と話す。
 具体的には、クラウドSIMサーバから、各国キャリアのプロファイルがルーターに転送される。日本にいるときは日本のキャリアのネットワークで通信できるが、海外に移動すると、その国のキャリアに自動で接続する。国をまたいでも、ユーザーがSIMカードを入れ替える必要がないのが大きなメリットだ。ちなみに長岡氏によると、冗長性を持たせるため、サーバは2つの拠点に設置しているという。
 「クラウドSIM」を使ったサービスは、GWi-FiとSimgo 2社の技術を用いている。クラウドSIMサーバのシステム(CMS)を管理しているのがGWi-Fi。クラウドSIMを提供し、各国の通信キャリアと接続可能にするのがSimgo。各国キャリアとの交渉はGWi-Fiが行う。SIMを遠隔でコントロールするという点で「eSIM」と仕組みは同じだが、ユーザーの端末(ルーター)にSIMが埋め込まれているわけではないので、3社は「バーチャルSIM(仮想SIM)」と呼んでいる。
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GWi-Fiのプラットフォームによって実現
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共通のプラットフォームを使い、各国でサービスを提供できる
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3社の役割分担
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左から、BroadLine 代表取締役の長岡守氏、Simgo CEOのAvi Ben Shlush氏、GWiFi CEOのKenny Wong氏

国内は100GB/30日で3980円のプランも 海外は300MB/1日で580円から

 国内ではドコモとソフトバンクのネットワークに対応しており、通信環境の良い方に自動で接続する。MVNOは間に入っておらず、MNO(ドコモ、ソフトバンク)の回線をそのまま利用できる。料金(税込)は月額課金ではなく、必要に応じてチャージをする形となる。チャージ料金は3GBが1480円、5GBが2280円、10GBが3480円、100GBが3980円。チャージしたデータは30日間有効で、1日あたりの通信制限は設けていない。
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日本と海外の料金
 3GB、5GB、10GBの料金はやや高いが、100GBで3980円は1GBあたり約40円で済む。MVNOでもGB単価は95円が最安レベルなので(関連記事)、これは破格の安さといえる。長岡氏によると、100GBプランは、一部のMVNOが提供している「使い放題プラン」を意識したという。使い放題といっても1カ月に何100GBも使えるわけではないので、あえて容量を明確にして分かりやすさを狙った。しかもGWi-FiではMVNOを介していない。キャリアの高品質な回線を使えることを考えても、この100GBプランは、国内の利用だけでもモバイル&固定回線として導入する価値はありそうだ。
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GWi-Fiで使うソフトバンク回線と、ドコモ系MVNOの通信速度を比較。GWi-Fiの方が多くの時間帯で速かった
 海外の通信料(不課税)は、1日あたりの課金となっており、国によって異なる。アジア、オセアニア、欧州の「A」、北米の「B」、マカオ、中東、アフリカの「C」に分かれており、Aが1日300MBで580円または1日500MBで680円で最も安い。A、B、Cに含まれる国に同じ日に移動しても(Aの中国からAの香港に移動するなど)、通信料は変わらない。また1日あたりの容量を超えると、通信速度は128kbpsに制限される。
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海外は3種類の料金が設定されている
 基本料金や解約料がかからないのも特徴で、国内用にチャージをしたときや、海外でデータ通信をしたときにしか料金は発生しない。海外への渡航が多い人が主なターゲットだが、「数カ月間、海外へ行く予定がない」という場合、使わなければ料金は発生しない。もちろん一定期間使わないからといって、自動解約になることもない。
 ルーターを購入したら、Webサイトで会員登録をして、シリアル番号を入力すればよい。長岡氏は「設定は5分ほどで終わり、買ったその日から利用できる」と話す。また、2017年中をめどに、Webサイトでの設定をオフラインで行えるようにする予定だ。
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申し込みの手順

ルーターのレンタルも予定、法人向けカスタマイズも

 ルーターはFDD-LTEがBand 1、2、3、4、5、7、8、17、19、28Aに対応しており、通信速度は下り最大150Mbps。連続待受時間は約8時間で、2800mAhのバッテリーを内蔵している。SIMスロットも搭載されており、他社のSIMカードを挿して通信もできるが、BroadLine側で動作保証はしない。ルーターのメーカーは非公表。
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ルーターにはSIMスロットが搭載
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ルーターの主な仕様
 今後はルーターのレンタルも行う予定。オンラインで申し込み、コンビニか自宅での受け取りが可能になるとのこと。端末のレンタル料はかからず、追加料金は送料のみ。日本や海外での通信料は購入時と変わらない。端末の利用期限は30日。頻繁に海外に行くわけではない、試しに使ってみたいという時にオススメだ。
 海外へ行く日本在住者向け(アウトバウンド)だけでなく、訪日外国人(インバウンド)へのサービス提供も視野に入れている。
 サービス提供者のBroadLineもCMSを保有しており、法人向けにカスタマイズもできるという。長岡氏によると、例えば「60カ国限定」「アジア限定」「会社で10GBを購入して10台でシェアする」といった細かな仕様変更が可能とのこと。今回発表したのはルーターだが、スマートフォン、タブレット、コネクテッドカーなど、さまざまなIoTデバイスにクラウドSIMを広げていく計画もある。
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今後の展望

 G3000は海外での有効な通信手段になることはもちろん、国内でも100GB/30日を3980円という破格の安さで利用できる。基本料金がかからず使った分だけ支払うスタイルなので、利用にムラがある人でも安心。国内外で有力な、データ通信のパートナーになってくれそうだ。
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