動物が人に懐く性質に関わる二つの遺伝子領域を、国立遺伝学研究所(静岡県三島市谷田)の小出剛准教授(行動遺伝学)や松本悠貴・総合研究大学院大院生(同)のグループが、マウスを使った実験で特定したと発表した。英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に発表した。
今回の研究では、人に近づいてくるマウスを選び交配を重ねることで、人に懐きやすいタイプを作った。懐きやすいマウスと通常のマウスの遺伝子配列を比較したところ、11番染色体上の「ATR1」「ATR2」と呼ばれる遺伝子領域が懐きやすさの性質に関わっていることが分かったという。
小出准教授によると、この遺伝子領域は、心身の安定や安らぎに関与するホルモン、セロトニン量の調節に関わっていることがすでに知られている。小出准教授は「人に懐く性質は家畜化に重要な要素。現在、家畜化できている動物は十数種類とされる。遺伝的性質を踏まえたうえで動物の家畜化への応用が期待できる」と話した。【垂水友里香】
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