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AMDが初級者向けのPCマイニング講座を梅田で実施
2018年2月6日 09:35
大阪の梅田でPCマイニングのイベント「大阪出張版!マイニング初級講座 Powered by AMD RADEON」が2日に開催されました。
AKIBA PC Hotline!編集部では、秋葉原地区以外のイベントレポートは基本的には掲載しませんが……、筆者がどうしても気になったので参加させてもらいました(笑)。東京と大阪でどの程度空気感が違うのか、こういうのは実際に体験してみないとわからないものです。
今回会場となったのは、アットビジネスセンター大阪梅田(西梅田MIDビル)。イベント当日はだいたい30人ほどの人が来場し、丁度満員といった感じでした。
イベントの内容は、ここ最近の仮想通貨関連の動きのおさらい、マイニング向けPCパーツの紹介と組み立て実演と、昨年末に秋葉原で行われたイベントの大阪版といった内容。登壇したのはAMDの森本氏、AMDの佐藤氏、アユートの森田氏の3人。森田氏がなかなか興味深いことを話していたので、そこから紹介します。
マイニングPCはメモリが重要、電源は200Vが最適?マイニング性能を引き出すポイントを紹介
アユートの森田氏は、マイニング向けPCパーツの紹介と、マイニング向けPC組立の実演を担当。その中で、いくつかポイントになることを話していたのでピックアップします。
「GPUマイニングもCPUマイニングもメモリが重要」
PCのマイニング性能を引き出す場合、メモリクロックが重要になるとのことです。GPUマイニングであればビデオカードに搭載されているVRAMのクロック、CPUマイニングであればメインメモリのクロックと容量が性能を左右するとのこと。
マイニングPCのメモリはなるべく最小の容量にするのがセオリーになっていますが、CPUマイニングを行う際は高速なメモリの方が高性能となり、容量もある程度多い方が良いそうです。CPU + GPUでマイニングを行う場合はゲーミングPCに近い構成の方が良いのかも。
また、Windowsでマイニングを行う際、4GBだとOSの動作等でメモリが不足する場合があるので、8GBくらいは搭載した方が良いかもしれません。Windows上でマイニング以外のアプリを立ち上げなければならなくなった場合など、メモリが不足するシーンがイベントでもみられました。
これからマイニングPCを構築する際はメモリにちょっと気を使った方がいいかもしれません。
現行のRadeon用ドライバはマイニングに最適化できる切り替え機能搭載
Radeonには以前にマイニング向けドライバが提供されていましたが、現在は標準ドライバがこの機能を内包、ゲーム向けセッテティングと演算処理向けセッティングが切り替え可能になっていることが紹介されました。
Radeonのドライバソフトウェアを立ち上げ、グローバル設定内のGPUワークロードの項目を選択。グラフィックとコンピューティングが選べるので、コンピューティングを選ぶと演算処理最適化モードで動作するようになります。ちなみに、LinuxベースのethOSは、標準でコンピューティングが選択された状態で動作しているそうです。
電源効率は200Vが有利、電気代を抑えるなら最終的には大口契約?
マイニングと切っても切り離せないのが電気料金ですが、電気料金を抑える方法の一つとして、効率の良い電源を使う手があります。80 PLUSの上位モデルを使うほかに、200Vで動作させる方法にも言及。工事が必要になり、200V対応の電源ケーブルが必要になりますが、変換効率は上げられるとのこと。
電気代を抑えるある意味究極の方法として、大口契約についても若干触れられましたが……、個人が契約するには様々な障壁があるので、電気料金の安い地域に引っ越すと同レベルのネタ話として語られました(笑)。
ただ、大口契約は一般向けの電気料金とは大きく違うので、かなり大規模にマイニングを行う場合は検討の価値ありなはずです。
以下は森田氏から解説されたプレゼンなどです。
ビデオカードの供給は年末まで不透明?AMDがビデオカードの今と仮想通貨の現状を解説
AMDのセッションでは、まず森本氏からビデオカードの品薄に関してお詫びがあり、今後の見通しが語られました。
GPUコアは順調に製造できているものの、ビデオカード用のメモリの供給が年末まで逼迫することが現時点でわかっており、ビデオカードを潤沢に供給できる目処が立っていないとのこと。また、コスト度外視であればある程度メモリを調達できるものの、ビデオカードの販売価格が現実的な範囲を超えるので、販売価格に合わせたコストでメモリを調達するのが難しいそうです。
また、一部での「マイニングはGeForce GTX 1060が一番熱い」報道に対して、「さすがにそれはないだろ~」といった森本氏の熱い思いも語られました(笑)。
AMDの佐藤氏は仮想通貨やマイニングに関するここ最近のトレンドを紹介。基本的には昨年時のプレゼン+ アップデートというかたちで行われました。
コインチェックの騒動があったこともあり、ブロックチェーンのシステム自体は安全性が非常に高いものの、仮想通貨を扱っている取引所のサーバーなどは一般的なシステムなので、セキュリティが重要となることなども解説。
また、資産は分散管理することが重要になる点も紹介されました。ウォレットソフトは扱いが楽なものの、PCやスマートフォンが使えなくなった場合アクセス不能になるので、スマートフォン2台で同じ口座を運用したり、スマホ + PCでどちらかがあればアクセスできるなど、かならず複数環境でアクセスできるようにすることが重要。ハードウェアウォレットや紙にデータを出力するペーパーウォレットはハッキングなどに強いものの、紛失のリスクがあるので、なくさないように注意が必要であることが強調されました。
ソフトウェアウォレットは気軽に使える点がメリットなので、買い物などに使う少額をこちらに、大きい額を保管するにはハードウェアやペーパーなどのウォレットを使うといった、分散管理がお勧めとのことです。
ちなみに、取引所に保管するのも悪いことだではなく、本人確認が取れれば預けている仮想通貨を引き出せるというメリットがあります。過去、自分のウォレットコードを忘れて10億単位の仮想通貨を引き出せなくなった人がそれなりの人数いたそうです……。
なお、新型APUの「Raven Ridge」が発表されたので、マイニング向けにはどうなのか聞いてみたところ、まだマイニングに関しての性能などのデータは無いそうです。ただ、あくまで予想となるものの、純粋なマイニング性能はRyzen 7 1700の方が高いかな?といったイメージとのことです。
解説の最後には税金に関しても言及。日本は法整備が整いつつある分、世界的に見ても有利な部分もあり、経費申請などが行えることも紹介。「税に関してはうまくやってください、しっかり税金を納めましょう!」という解説でプレゼンは締めくくられました。
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