2019年11月8日金曜日

厚切りジェイソンに「社会人がプログラミングを学ぶ意義」を聞いてみた

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IT会社の役員、投資会社の設立など、幅広く活躍している芸人・厚切りジェイソン。そんな彼に、社会人がプログラミングを学ぶ意義について聞いてみたところ「やればいいんじゃないですか」。その真意は……。
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流暢な日本語で漢字の矛盾を追求するネタでブレイクした芸人・厚切りジェイソン。彼はお笑い芸人として以外にも、IT会社の役員、投資会社の設立など、さまざまな分野で活躍している。またプログラミングへの造詣も深く、NHKの子ども向けプログラミング学習番組にレギュラー出演している。そんな厚切りジェイソン氏に、社会人がプログラミングを学ぶ意義について質問してみたところ、答えは「やればいいんじゃないですか」。その真意は……。
※ダイヤモンドオンラインのタイアップ広告として掲載された記事(2019年10月31日公開)を転載しました

パソコンとプログラミングに出会ったのは小学生時代

――厚切りジェイソンさんとパソコンとの出会い、プログラミングとの出会いについて教えてください。
厚切りジェイソン(以下、ジェイソン):私の父は、組込系システムエンジニアでした。最初は会社員でしたが、リストラされたのを機に、自分の会社を設立して家で仕事をするようになりました。それで、僕が小学生の頃からパソコンが家にありました。当時は割と珍しかったんですが、それをずっと使っている父を見ていて、興味を持つようになりました。
――特にお父さんから教わったというわけではなく、自分でマスターしたのですか?
ジェイソン:はい。父が仕事のために新しいパソコンを買うと、使わなくなったのをくれるんです。僕はすぐそれを触ったり、壊したりしてたんですね。Windows 3.1の時代でしたが、ゲームを入れようとしたら場所が足りなくて、Windowsという大きめのフォルダを見つけて、「これを削除すればスペースが空くな」と。そしたら起動しなくなって「なんでだろう?」とか。壊した後で、「こういう理由で、実はこれ(Windowsフォルダ)が必要なんだ」と父が教えてくれて、再インストールするとか、父とパソコンの部品を買って、家に戻って自分で組み立てたりとかしていました。小学校、中学校の頃ですね。楽しくやっていました。
――学校でもパソコンを使われていたのですか?
ジェイソン:中学校からですね。コンピューターラボがあって、パソコンをいじる授業もありました。ほとんどワープロでしたが。高校に入るとちょっとしたプログラミングもあった。アメリカでは、大学の単位を高校で取れる制度があるんです。大学で学ぶコンピューターサイエンスの基本授業を受けて、大学1年生の単位を高校で取りました。そこで最初に触れた言語は、C++でした。

ToDoリストはLINEで管理

――それで、漢字のネタで日本でブレイクして……
ジェイソン:(大声で)おかげさまや!(一同笑)
――芸人さんとしてもすごい活躍されてますし。
ジェイソン:はい。愛され。
――はい、芸人としても愛され……他にも、IT会社の役員をされていたり、投資会社を設立されたりと、多方面でご活躍中です。そうしたさまざまな仕事に、プログラミングで学んだことは生かされていますか?
ジェイソン:問題を解決するときに、どういうふうにやればいいのかというのは、プログラミングベースで考えているかもしれないですね。日常のスケジュールも、すべてそのような行動でやっています。
例えば、LINEはToDoリストみたいに使っています。LINEメッセージが来て対応しないといけないものなら、それに対応します。対応が終わったら、そのLINE会話を削除します。ですからいつも、LINEの会話履歴はすべて空(カラ)、何もないです。何か残っていたら、それに対応する必要があるということです。メールも同じです。対応したら消すので、受信簿は全部空です。
――それは面白い使い方ですね。そういう使い方をしてる人はあまり聞かないです。
ジェイソン:プログラミングで優先順位を決めて対応していくような感じですかね。会社のほうでは、僕はコーディングはしませんが、レポートを自分で書いたり、ちょっとした技術が必要なものはまだやります。IT企業なので、みんなが何をやってるのか、どういう事業をやってるのかを理解するには、役員でもプログラミングの知識が必要なのかなと。

プログラミングを修得すればどんな業界でも役に立つ

――それまでは別の仕事に就いていたが、今からプログラミングを覚えてエンジニアを目指すという人について、どうお考えですか?
ジェイソン:今より待遇がよくなるなら、それでいいですよね。または、仕事がなくなりつつある業界から、仕事がある業界に移るという点でも。そういう意味で、プログラミングは“業界”ではないんですよ。例えば医療を専門としてきた人は、医療以外の仕事はなかなかできませんが、プログラミングができるようになれば、医療業界でも、自動車業界でも仕事があります。どんな業界も同じスキルが使えるというのが、プログラミングの大きな魅力だと思います。
――普通のビジネスマンも教養としてプログラミングを学ぶ利点はあると思いますか?
ジェイソン:直接、プログラミングが仕事に関係ない人でも、考え方の改善につながるとは思います。僕個人としての考えでは、全員がやる必要はないと思っていますが。でも、いろんな新しい考え方、新しいものに接すると、新しい発想が生まれるようになるので、いろんなことができるようにしておくに越したことはないですね。
――では、経営者には、プログラミング技術やテクノロジーに関する知識がどれくらい必要だと思いますか?
ジェイソン:一般的な経営者としては、いくつかの考え方があると思います。例えば、経営者は英語を話せないとダメだという人がいるかもしれませんが、僕は別に通訳の人をつければ話せなくてもいいと思います。ただ、通訳を介してビジネスをやると時間が倍はかかりますし、誤解も生まれます。だから、英語が話せたほうが効率はいい。だけど、どうしても英語が必要ということではない。ITの技術も同じだと思います。理解してくれる人がいれば、その人にまかせればいいのですが、自分で理解したほうがより早く柔軟にビジネスを展開できます。だから、技術があったほうが。有利なことは有利です。でもやらないと生き残れないということではない。自分の別のスキルが飛び抜けて優秀なら、通訳の人やITに詳しい人と一緒にやることで、全部自分一人でできる人に勝てるかもしれない。どこで勝負するのかということですね。自分が直接できる人になるのか、別のスキルをさらに磨いて他の人と一緒にやっていくのかを選ぶことになると思います。

効率良くプログラミングを学ぶにはオンライン学習がベスト

――今は、プログラミングを学ぶ方法もいろいろありますが、忙しい社会人が効率よくプログラミングを学ぶには、どういう方法が向いていると思いますか?
ジェイソン:今なら、TechAcademyのようなオンライン学習がお勧めですね。いろんなコンテンツをいつでも利用できるし、実際に動いている環境を見られるのは魅力的です。以前は本で勉強するしかなかったですが、すべての人がテキストだけで理解できるわけではないので。オンライン学習だと、一方通行ではなく、双方向でやり取りができますし。
――書籍だとそんなことはできないですよね。
ジェイソン:はい。読んで終わり。TechAcademyなら、質問を投げたりできるので、自分の理解も深まりますね。自分のペースで進められますし。
――場所も問いませんよね。東京だと教室に通って直接先生に教われる学校も多いですが、地方に住んでいるとプログラミング教室に通うのも難しいです。
ジェイソン:ええ、それもオンラインスクールのメリットですね。

フルタイムで働きながら通信制で修士を取得した

――アメリカでもオンラインのスクールは多いのですか?
ジェイソン:はい、多いですね。オンラインの大学も多いです。実は僕も、修士号を取ったのは通信制です。イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校という、コンピューターサイエンスでは名門大学なのですが、通ったことはありません。授業の動画を自分の好きなタイミングで見ることができるので、僕は正社員として会社で働きながら修士号を取りました。会社の1時間の昼休憩のときに、大学の90分の講義を1.5倍速で見ながらお昼を食べて、プログラムを作って提出して教授に見てもらい、電話で話したり、他の生徒たちと一緒にチャットルームでやり取りしたり。僕はシカゴにいましたが、それでも大学までは車で4時間くらいかかる。同じ授業に他の国から、例えば、ヨーロッパから参加していた人もいました。
――そういう方が結構いるわけですね。
ジェイソン:普通というか、それが今さら驚かれるのは古いと思います。
――日本でもN高校みたいなのができてきましたし、放送大学は前からありますが、働きながら大学には行かずに修士を取得したというのはほとんど聞かないです。
ジェイソン:日本はね。でも実はアメリカで修士を取る人はほとんど働きながらだと思うんですよ。大学からそのまま進学して修士を取る人は一握りだと思います。

言語にこだわらず、基礎を学ぶのが重要

――これからプログラマー、エンジニアになりたいという方に、今ならこのプログラミング言語や、この技術を学ぶのがいいとかっていうのはありますか?
ジェイソン:特にありません。特定の言語ができること自体には、大した意味がないと思うんですよ。それよりも、プログラミングの基礎、基本的な考え方さえ理解すれば、別の言語もすぐできるようになります。基礎を身につけた後は、それぞれの言語の違いがわかるということが一番大事だと思います。この言語はよりネットに向いてるとか、この言語はビッグデータの処理に向いているとか。自分がやりたいプロジェクトに最適な言語を見つけて、それを深掘りすれば、それでいいと思います。
――それはよく言われますよね。プログラミングは外国語みたいなもので、例えば、英語をすごく極めていたら、ドイツ語とか他の言語も習得早いですよね。
ジェイソン:そうですよね。僕は世界のすべての言語をしゃべれますしね。
――……。
ジェイソン:あ、流した(笑)。

子どもに学ばせるのなら、親も一緒にやることが大切

――ところでジェイソンさんは、NHKの子ども向けプログラミング学習番組「Why!?プログラミング」に出演されてますよね。今、日本でもSTEM教育※に注目が集まっていますが、子どもが早い段階からプログラミングを学ぶことについてはどうお考えでしょうか?
※STEM教育……STEMは”Science, Technology, Engineering and Mathematics”の略。科学・技術・工学・数学領域に重点を置いた教育モデルで、2000年代に米国で始まった。
ジェイソン:いいと思いますよ。向き不向きがあるでしょうから、すべての人がやる必要はないとは思いますが。多くの人にいろんなことを試せる教育環境があれば、「自分はこれが好きだ、面白い」と気づいて、より深いところに行く人が増えると思います。だから、とりあえずいろんな人にプログラミングはこういうものだと理解してもらい、「さらにやるならご自由にどうぞ」といった環境が必要だと思います。
――日本では、若者のパソコン離れが問題になってますよね。
ジェイソン:僕もパソコンはほとんど使わないですよ。
――確かに、スマートフォンとかタブレットだけでも日常のことは片付いてしまいますね。
ジェイソン:僕はポケベルで。
――(笑)。僕は完全に分かる世代ですが、裕木奈江とか好きだったし。昔「ポケベルが鳴らなくて」というドラマが……
ジェイソン:わかりません。
――それはいいんですが、最近は、若い人の中でデジタルディバイドが増えていると思います。パソコンを持っている家は意外と少ない、特に子どもが自由にパソコンを使える家は少ないと思います。
ジェイソン:でもパソコンがないとプログラミングができないということじゃないですよね。
――確かにパソコンがないと何か作れないというのは、古い考えなのかなと思うようになりました。ジェイソンさんは、お子さんいらっしゃいますよね。
ジェイソン:少なくとも3人。
――お子さんへのプログラミング教育は、どうお考えになっているんですか?
ジェイソン:今、渋谷区に住んでいますが、公立小学校にタブレットが配布されています。その中にプログラミング学習教材があって、娘に「クリックしてたらパパが出てきた」と言われました。「Why!?プログラミング」の何かがタブレットに入ってて、授業で触っていたら「パパだ!」ってすごい驚いたと。そういうのを用意してくれるのはいいですね。子どもたちの好奇心が育つようなものを幅広く提供するのが一番いいと思います。
――ジェイソンさん自身が、お子さんにプログラミングを教えることはありますか?
ジェイソン:特に「プログラミングをしろ」とは子どもたちに言っていませんが、英語の勉強はやらせています。普通の学校なので日本語はそちらでやって、帰ったら英語の教科書を僕が使って教えてるんです。もう少し大きくなったら、プログラミングもやってみようかなと思っていますが。「マリオメーカー」※ってあるじゃないですか。簡単なプログラミングみたいなものなんですよね。そういうところから、プログラミングの触りを体験させて、今度はこういうのやってみたらとか。自分でゲームを一から作ってみたらとか、そういう会話はありますけど、今のところは、まだそこまで興味がないみたいですね。
英語もプログラミングもそうですが、親が単にやれと言うだけでは説得力ゼロです。「自分ができるんですか?」ということです。子どもにやってほしいのであれば、一緒にやればいいと思います。「パパはやってないくせに、なんで自分がやらないといけないの?」となるから。親子で一緒に楽しい体験を作り上げていけたら、それが一番定着すると思います。
※マリオメーカー……任天堂のゲームソフト「スーパーマリオメーカー」「スーパーマリオメーカー2」のこと。ユーザーが自分でマリオシリーズのコースを作ったり、他の人が作ったコースで遊んだりできる。

プログラミングを学ぶ意義

――プログラミングを学ぼうとしている方に、メッセージをお願いします。
ジェイソン:やればいいんじゃないですか……。
――えっ。
ジェイソン:やればいいんじゃないですか。本当に、やらない意味がない。リスクはほとんどないし、余ってる時間で自分の人生をどう計画していくのかを考えて、スキルを増やしていけば、たぶんいいことになるので。とりあえずやってみて、うまくいきそうだったら少しずつかけるリソースを増やしていけば、ローリスクでいろんなものを目指せます。やってみて、「違うな、自分は向いてないな」と思ったら、また別の挑戦をすればいいだけの話なので。
――プログラミングを学ぶのは、やり得というか、やらない理由はないということですね。
ジェイソン:ええ。もしかしたら5年後はすごいプログラマーになってるかもしれない。
――ビル・ゲイツになってるかもしれない(笑)
ジェイソン:それはありえないです。
――ジェイソンさんは今も二足のわらじ……。
ジェイソン:イケメン。
――分かりましたよ(笑)。トリプルワーク的なことをやってるじゃないですか。日本でも働き方改革の流れで、リモートワークや副業を認めるところも増えていますが、アメリカでは、働きながら勉強したり、複数の仕事を同時にやったりするのが当たり前なのでしょうか?
ジェイソン:当たり前ではないですが、できる人ならそうすることが多いですね。僕は社会人になってから、ずっと二つ以上の仕事や勉強を並行してやっています。
――素晴らしいですね。
ジェイソン:一つしかやってないと、暇というか、つまらなくなるんですよ。自分の能力に関係なく、人に依存するときには待ち時間が生じます。そのときどうするのか。自分が別のことができるなら、そのほうがいいですよね。自分は、ただ待つというのがすごいストレスなので、それなら別のことをやったほうがいいと。コンピューターサイエンスの修士号もそうですし、日本に来たときにはジャパン・マーケット・エクスパンション・コンペティションという、海外企業が日本に進出する場合、どうしたらいいかというビジネスプランのコンクールに出て、優勝しました。それが終わったら早稲田大学のMBAエッセンシャルズというコースをやり、その後でワタナベコメディスクールに入りました。一つのことしかやってないのは、1週間もないと思う。それは能力じゃなくて、ただ単に待つのが嫌というだけの話です。
――なるほど。今日はありがとうございました。
ジェイソン:知らんけど!
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