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勉強の為にシェアしました。
血糖値と入浴の関係、予備軍を含む糖尿病に効果のある入浴法、そして注意点などを中心に紹介します。
結論から言いますと、40℃前後のお風呂は血糖値を下げる効果が期待できます(ただし42℃以上は逆効果)
その理由を説明する前に血糖値のしくみを把握しておく必要があります。
◆血糖値のしくみと入浴の影響
人の血糖値は通常、一定の範囲内に維持されています。
食事や運動によって血糖値が変動する要因は多数あるにもかかわらず、一定に保たれるのは血糖値を調節するホルモンがあるからです。
血糖値を上げるホルモン・・・血糖値上昇ホルモン
・交感神経が支配
・肝臓におけるグリコーゲンの分解を促進
血糖値を下げるホルモン・・・インスリン
・副交感神経が支配
・肝臓におけるグリコーゲンの分解を抑制
※血糖値上昇ホルモンにはすい臓から分泌されるグルカゴンや副腎髄質から分泌されるカテコールアミン(アドレナリンなど)の他にも、成長ホルモンやプロラクチン、甲状腺ホルモンなど多数存在する。
インスリンやグルカゴン、カテコールアミンなどの分泌は自律神経によって調節されています。
つまり交感神経を介してグルカゴンらが分泌されたり(血糖値上昇)、副交感神経を介してインスリンが分泌されます(血糖値低下)
また、肝臓は血糖値の変化に応じてグリコーゲンを分解して血中にブドウ糖を放出したり抑制したりしていますが、
このグリコーゲンの分解や合成も自律神経の支配を受けています。
交感神経を介して肝臓からブドウ糖が血中へ放出されたり(血糖値上昇)、副交感神経を介してブドウ糖が貯蔵されます(血糖値低下)
このように交感神経は総じて血糖値を上昇させる働きがあります。
(この時点で交感神経を刺激する42℃以上の熱いお風呂は糖尿病に良くないということが分かります)
逆に40℃前後のお風呂は副交感神経を優位にするのでインスリンの分泌を促進し 、また血管が拡張され血流が良くなるのでインスリンの効きも良くなると考えられます(入浴した場合はそうでない場合よりも1時間後のインスリンの分泌量が多いという実験報告もある)
◆境界型糖尿病(糖尿病予備軍)の入浴法
境界型糖尿病の人は数年後には慢性の糖尿病になる確率が高く、特徴として食後に血糖値が急上昇する食後高血糖がみられます。
食後は誰でも血糖値は上がるものですが、正常であればインスリンの働きにより血糖値は元のレベルに戻ります。
しかし境界型糖尿病の人は食後に異常に血糖値が上がり、しばらく高い状態が続きます。
空腹時の血糖値がまったく正常であることもあり、これが「かくれ糖尿病」とも言われる所以ですが、その食後高血糖による血糖値の急騰ぶりから「グルコーススパイク(血糖値スパイク)」と呼ばれ、最近ではその危険性が重要視されてきています。
『グルコーススパイク(血糖値スパイク)って何?』 参照
食後高血糖の原因はインスリンの分泌が不足しているか反応が鈍くなっているからです。
そのために血糖値の上昇を抑えられなかったり元に戻すまでに時間がかかります。
・境界型糖尿病の人はインスリンが効き始めるまで時間を要する。
・食後高血糖のピークは食後30分~1時間後。
・入浴した場合はそうでない場合よりも1時間後のインスリンの分泌量が多い
これらの事実を踏まえると、食前30分前の入浴がグルコーススパイク(血糖値スパイク)の危険を回避するための入浴法だと考えることができます。
証明されているわけではないので科学的根拠は弱いのですが、食事前に入浴することで副交感神経優位の状態にしてインスリンの効果を高めやすくしておくことは一考に値します。
さらに、食前の入浴は食欲を抑制します。
これは入浴によって体が温まることで熱を放散しようと血液が体表面に集まり、代わりに胃腸の血流が減り消化活動が低下するためです。
食べ過ぎを防ぐことも過度な血糖値上昇の予防になりますからね。
しかしこれには条件がありまして、それはインスリン注射や飲み薬の服用など薬物療法は行っていない場合に限ります。
すでに糖尿病が進んでいて薬物療法を行っている場合は、食前に入浴することは低血糖症状を引き起こす危険性があります。
また注意点としては
●水分補給はしっかり行うこと
・・・血液中の水分が減るとブドウ糖の血中濃度が高くなります。
●42℃以上の入浴は逆効果
・・・交感神経を刺激すると血糖値が上がります。
にご注意下さい。
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