2021年1月4日月曜日

サイゼリヤ最強菓子と話題の『メリンガータ』はなぜ季節限定なのか? 譲れないファミレスチェーンの気概

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2021年01月04日 07:30  ORICON NEWS

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写真サイゼリヤの季節限定メニュー『メリンガータ』(200円・税込)
サイゼリヤの季節限定メニュー『メリンガータ』(200円・税込)
 今年も発売時から「やっとこの時期が来たか」「いくつでも食べられる」とSNSで反響を呼んでいる、サイゼリヤの季節限定アイスケーキ『メリンガータ』。表面、中面、下面それぞれの層に入っているメレンゲがふわふわサクサクの食感をもたらし、クリーミーなアイスと絶妙に混ざり合うーー。サイゼリヤ最強の菓子との呼び声も高い同商品が生まれた背景には、イタリアンファミレスチェーンである同社ならではの戦略と想いがあった。

【写真】「おふとん」と親しまれ…担当者がすすめる『メリンガータ』最強の食べ合わせは?

■メレンゲの“フワサク”食感を保つために…季節限定である理由

 『メリンガータ』(200円・税込 以下同)が発売されるやいなや、SNSでは「10個くらいまとめて食べたい」「控えめに言って最高の味!」「今年も会えて嬉しい…」と反響が。サイゼリヤで顧客コミュニケーションの企画推進を担当している変革推進部長の内村さやかさんは「正直こんなに盛り上がりを見せるとは想定しておらず、とても驚いています」と話す。

「2017年から発売した『メリンガータ』は、名前の通り“メレンゲ”が特徴のアイスケーキです。昨年『おふとん』というあだ名がついて、その影響も人気に関係しているのではと解釈しています。イタリアにあるメーカーさんと一緒に作り上げてきて、発売までに2年ほどかかっています。イタリア人ならではの攻めた発想が生きていて、日本にありそうでないところも含めて自信持ってお出ししていますが、まさかこんなに盛り上がってくださるとは。反響の理由をあらためてうかがいたいくらいです」

 SNSでは「通年食べられるようにしてほしい」という声も上がっているが、なぜ同商品は季節限定のメニューとしているのか。その理由は温度管理が難しい“メレンゲ”にあるという。

「どんな新メニューも全て、特定のエリアでテスト販売をして売れ行きを見てから全国販売となります。『メリンガータ』をテスト販売した際に、表面のメレンゲがつぶれてしまう店舗もありまして。メレンゲが温度に弱いということがその時発覚しました。サクサクした食感が本商品のウリなので、どうしたらメレンゲ部分をつぶさないで済むのか。考えた末に、夏の暑い時期に販売することはやめて“冬の限定のスイーツ”にしようと話しました。そのため、通年メニューとして販売はしないという判断をしました」

■コロナ後のファミレスの立ち位置「“食事のための場所”として認知されだした」

 『メリンガータ』をはじめ、デザートには特に力を入れたかったと話す内村さん。

「当社では『トリフアイスクリーム』(350円)から始まり、『イタリアンプリン』(250円)、『アイスティラミス』(現在は販売なし)、リニューアルした『ティラミスクラシコ』(300円)と、本場のメーカーさんと協力してイタリアンスイーツを展開してきました。それらと組み合わせて、“盛り合わせ”として食べられるボリューム感ある商品を開発したかったんです。競合他社と比較すると、当社のデザート部門はパフェやホットケーキといったスイーツを食べた満足感が得られる品揃えが弱かった。ここをまずは、変えていきたかったんです」

 デザートを充実させることで、『プリンとメリンガータの盛合せ』(400円)、『プリンとティラミスクラシコの盛合せ』(500円)など、ボリューム感あるメニューを打ち出し、「食事をとるまでではないが、食べ応えあるスイーツがほしい」という喫茶時間への需要にもこたえられるように。コロナ禍で来客数としては打撃を受けたというが、そのなかで内村さんは「お客様にとってのファミレスの在り方にも変化を感じる」と語る。

「テイクアウトやデリバリーがこれだけ発達していますけど、お客様の様子を見ているとファミレスがより“食事のための場所”として認知されだしたと強く感じています。これまではちょっと行ってみようかなということもできたでしょうし、時間優先、場所優先で選んでいただくという利用の仕方も多かったですが、せっかく外食をするなら“しっかり食べたい”とお客様のマインドも変わってきていると感じていて。その変化は、私たちのやりがいにもつながっています」

■「ロングセラー商品に育てる」イタリアンファミレスチェーンの気概

 『メリンガータ』のほかにも、『アマレーナ』、『カプチーノ』、『ノッチョーラ』と全部で4種類の季節限定スイーツがあり、この4種を年間で季節ごとに販売しているという同社。内村さんはこれらを「ロングセラー商品として育てていきたい」と展望を語る。

「当社の前からの理念でもありますけど、一品を大切に育てていくことを大切にしているんです。それにより計画生産がきちんとできますから、そのぶん原料にいいものを使うことだってできる。だから新商品を出すときのハードルも高いんです。テスト販売をして、お客様から食べたいという反応があるものしか販売しません。

 レストランにいらっしゃって、召し上がっていただくときの“限界量”ってありますよね。いくらでも食べられるわけではなく、胃袋におさまる食事の量にはキャパがあるので。何か新しいメニューを投入しても、逆に何かが食べられなくなっちゃうだけ。そこを狙っていくよりも、定番メニューをしっかりいいものに仕上げて、そこでお客様に喜んでいただきたい。いかにロングセラー商品に育てあげることができるかを考えるのが、当社の基本的なスタンスです」

 コロナの影響により、テイクアウトにも挑戦している同社。驚異の40本入りという、冷凍の辛味チキンセットも話題になっていた。

「商品のテイクアウトはお客様にいろいろご迷惑をおかけすることも多く、いまだに苦戦している分野です。他社さんのように超プッシュはできないのですが、冷凍での辛味チキンセットなど、あのような形であればお客様にスムーズにお渡しができることも分かったので、今後もしっかり準備をしています。今後も『サイゼリヤのあれを食べたい』とメニュー名を出してもらえるような商品を強化していけるよう取り組んでいきます」

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