栃木県警には警察官も一目置く「4大パトカー」が存在する。レクサスLC500、GT―R、NSX、フェアレディZ。腹に響くような重低音のエンジンをとどろかせながら、パトロールに当たっている。
【写真】皇族の警護に活躍したシボレーのオープンカー(右)とマスタング・マッハ1=2021年11月19日午後4時3分、栃木県鹿沼市の県運転免許センター、平賀拓史撮影
東北道鹿沼インターチェンジ(栃木県鹿沼市)にある県警高速隊駐車場。「グオオオーン」。派手なエンジン音を響かせながら、日産のGT―Rがガレージから出てきた。大きなホイールに薄いタイヤ。「栃木県警察」と書かれた車体は光沢がまぶしい。思わず見とれてしまった。
常盤義孝隊長補佐は「アクセルの利きがすごく良い。すばやく加速ができます。イベントのときは運転手に立候補する隊員がいるほどです」。
県警警務課によると、GT―Rは排気量3800cc。車両価格は改造費込みで約1200万円。栃木市の会社役員から2018年に寄贈された。
残り3台はホンダのNSX(00年配備)、フェアレディZ(07年配備)、そして昨年、同じ会社役員から寄贈されたトヨタのレクサスLC500。フェアレディZとNSXはメーカーから寄贈された。
高速隊はレクサス以外の3台を運用。話題性を生かしてイベントで県警のPR活動に活用するほか、東北道や北関東道などでパトロールに当たっている。
高速隊はパトカーとして、主にトヨタのクラウンを運用している。県内の高速道は東北道が南北115キロ、北関東道が東西58キロ。「1日数百キロ、1年約10万キロは走る」といわれる。
長引くコロナ禍で、人を集めた県警の啓発イベントも開催が難しい。そうした中、人目をひく4大パトカーでパトロールするなど、交通安全をアピールする機会を増やしているという。「見せる交通安全活動が求められている。高級パトカーはとてもありがたい存在」と交通企画課の野沢健夫課長補佐。
各署からイベントに引っ張りだこだ。レクサスは配備直後に開かれた那須町のイベントに登場し、来場者の注目を集めるなど、「予約が取れない」状況という。「メディアやSNSを介して紹介され、話題になった。こうしたことを通じて安全運転の意識を高めてもらえれば」と野沢課長補佐は期待する。
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