米国コロンビア大学医療センターのアンジェラ・クリスティアーノ博士が、がん治療に使われる薬が、毛髪の成長を刺激して発毛効果があることを発見したという。
免疫反応の抑制がカギ
意外な効果が確認された薬は、“JAK阻害剤”と呼ばれるもの。血液がんやリウマチ等の関節炎患者に投与する免疫抑制薬だ。
脱毛症の原因はさまざまだが、JAK阻害剤は免疫系が毛包を間違って攻撃するタイプの抜け毛に最も効果的だそう。
これはJAK阻害剤が免疫反応を抑制し、休止状態の毛包の成長サイクルを促進してくれるためだという。
10日で新しい髪が発毛
実験では、毛のないマウスやヒトの皮膚にこの薬をすりこんだところ、新しい髪がたった10日で生え始めたそう。
ただし残念なことに、安易に化粧品に入れることができないとか。
なぜかというと、JAK阻害剤は免疫系を抑制するため、使用者を感染に対して脆弱にしてしまうからとのこと。
特許出願し商品化を目指す
クリスティアーノ博士と研究チームは、「これらの調査結果は、JAK阻害剤が髪の成長を促進するという新たな用途を開拓した。この方法は、毛包幹細胞の活性化を調節する上で大変重要だ」と示唆。
コロンビア大学はすでにこの発見の特許出願に乗り出しており、クリスティアーノ博士が共同創設者であるVixen Pharmaceuticalsを通じて、商品化を目指しているという。
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