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2015年10月25日日曜日

関節リウマチの免疫の異常を治療、バリシチニブが痛みと腫れを抑えた効果 301人のランダム化第IIb相試験


from Annals of the rheumatic diseases


 

写真はイメージです。本文の内容とは関係ありません。 (C)Tatyana - Fotolia.com


関節リウマチでは免疫が異常に働いて、自分自身の組織を傷付けてしまうことで、関節の痛みや腫れの症状を起こします。異常な免疫を抑える新薬のバリシチニブの効果と安全性が研究されました。 


◆治療後も症状がある関節リウマチ患者が対象

この研究は、関節リウマチの患者で、既存の薬であるメトトレキサートによる治療を受けたあとでも中等度から重度の症状がある人を対象としました。

301人の対象者がランダムに5グループに分けられ、うち4グループでは用量を変えてバリシチニブの飲み薬を飲み、1グループでは偽薬を飲み、12週間の効果を比較されました。

 

◆バリシチニブでACR20が増加

次の結果が得られました。

偽薬群と比べて、バリシチニブ4mg・8mg複合群でより多くの患者が有意に多く、12週時点でACR20応答を達成した(76% vs 41%、P<0.001)。

バリシチニブ2mg、4mg、8mg群のいずれにおいても、すべての尺度が24週間を通じて維持または改善された。偽薬群とバリシチニブ群で少なくともひとつの有害事象を経験した患者の割合は類似していた。深刻な感染症がバリシチニブ群の患者3人に起こった。結核水痘または帯状疱疹日和見感染、死亡は報告されなかった。バリシチニブ群で用量依存性のヘモグロビン減少が見られた。

偽薬のグループよりも、バリシチニブを使ったグループで、痛みや腫れのある関節の数が少なくなるなどの効果が、より多くの人に見られました

副作用の可能性があることとして、バリシチニブのグループのうち3人に重症の感染症が起こりました。また、バリシチニブのグループに、血液の中で酸素を運ぶヘモグロビンが少なくなる変化が見られました。

 

この研究以後、さらに進んだ研究(第III相試験)が行われ、関節リウマチに対して効果が見られたことがメーカーから発表されています。バリシチニブが関節リウマチの治療法の進歩に貢献するかどうか、今後さらに情報が加わっていくかもしれません。


◆参照文献

Safety and efficacy of baricitinib at 24 weeks in patients with rheumatoid arthritis who have had an inadequate response to methotrexate.

Ann Rheum Dis. 2015 Feb

[PMID: 25431052 ]


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