2015年02月13日
トヨタ、ホンダ、日産は、燃料電池車用の水素ステーションの整備促進に向けた支援策に共同で取り組むと発表した。運営費用の一部負担も検討している。
◆燃料電池車の普及に向けて
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙は、燃料電池車の普及に付随する問題を解決するために、3社がタッグを組んだと伝える。それは、「近くに燃料を補給する場所を見つけられないなら、ほとんどの人が購入しないだろうが、燃料電池車の所有者が多くないなら、企業は新たな水素ステーションへの投資をためらう」ということだ。
さらに日本政府も、燃料電池車は日本企業が世界でリードできる分野と見ており、必要なインフラの支援を行っていることを伝える。
車のレビュー・サイト『The Car Connection』も、日本政府が昨年夏に「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を発表し、燃料電池車用の水素インフラを構築する構えを見せていることを伝えている。
WSJ紙によれば、国内に45ヶ所の水素ステーションがオープンもしくは建設中で、経産省は2016年3月までに100ヶ所を目指しているということだ。
◆他国で成功しなければ、日本のガラパゴス化になるだけ?
『The Car Connection』は、日本の水素インフラ整備計画が成功する可能性は高い、とみている。日本の国土は(米国と比べて?)それほど広くなく、政府の支援があれば、水素ステーションがガソリンスタンドほど一般的になるだろう、としている。
だが、『The Car Connection』は別の疑問を呈する。
1.水素ネットワークを整備するのに、日本政府、自動車メーカー、納税者はいくら負担することになるのか?
2.他国が水素ネットワークを自国内に整備するのに同程度の投資を行うのか?
3.もし、2の疑問への答えがNOなら、水素燃料電池車はどうなるのか? 日本の自動車メーカー3社は諦めるのか? それとも日本はガラパゴス化するのか?
ちなみに、WSJ紙が伝えるところによれば、水素ステーションは1つ建設するのに、大体4億円から5億円の費用がかかり、運用コストが年間約4000万円かかると推定されているとのことだ。
◆効率性を考えれば、水素は”信じられないくらい愚かな”燃料
『The Car Connection』は、トヨタとホンダは今後、電気自動車から水素燃料電池車へとシフトすると発表して、昨年のヘッドラインを飾り、特にトヨタは電気自動車会社のテスラとの提携を終了するにいたった、と伝えている。
しかしながら、そのテスラのCEOイーロン・マスク氏は、水素燃料電池車に非常に批判的だ。同氏は、燃料電池車を「非常に愚か」と酷評している。マスク氏の主な主張は、水素の取り扱いが非常に難しいのは言うまでもなく(水素は可燃性が高いため)、水素を調達する際に、水から電気分解して水素を取り出す場合は、電気効率として非常に悪いため、と独立系のメディアサイト『ThinkProgress』は報じる。
さらに、カリフォルニア大学の調査結果を引用して、1マイル辺りに必要な電気量では、バッテリー型の電気自動車が最も少なく、燃料電池自動車ではその2倍以上も必要だと示している。地球温暖化の問題を考えれば、水素は「信じられないほど愚かな」車の燃料だと、『ThinkProgress』は締めくくっている。
(Newsphere編集部)
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