東京海洋大の吉崎悟朗教授らは、冷凍したニジマスから精子や卵子のもとになる細胞を取り出し、同じサケ科のヤマメに移植して子を産ませる実験に成功した。絶滅危惧種の魚を丸ごと冷凍保存すれば、種の保全に役立つという。
実験では、セ氏マイナス80度に冷凍したニジマスを解凍し、精巣から精子や卵子のもとになる生殖幹細胞を取り出した。この細胞をヤマメの稚魚の腹に注射すると、稚魚がオスだったらニジマスの精子に、メスだったらニジマスの卵子に育った。精子と卵子を受精させると、ヤマメからニジマスが産まれた。
研究チームはこれまでにも精巣を凍らせて同様の実験に成功。魚を丸ごと凍らせる今回の方法は、温度が少しずつ下がるため特別な処理をしなくても細胞の機能低下を抑える。実験では3年凍らせた魚でも成功したが、理論的には何年でも冷凍保存できるという。
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