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2015年11月1日日曜日

オムロン、自動ブレーキに欠かせない前方監視センサー「LiCam」を開発


2015年11月01日 19:19

 国内外の自動車メーカーが、ここ数年で自動ブレーキ搭載車を急速にラインアップしてきた。これに伴い、自動ブレーキシステムの中核となる高性能でコンパクトな物体検知用センサーが求められている。

 オムロン・オートモーティブエレクトロニクスは、赤外線レーザーで対象物を検知する「Lidar」と現代モービス社の「CMOSカラーカメラ」を統合することで、世界最高クラスの高い認識性能で安全運転を支援する小型の車載用前方監視センサー「LiCam(ライカム)」を開発、2018年の量産を目指す。製品のプロトタイプは、現在、東京・有明の東京ビッグサイトで開催中の第44回東京モーターショーで確認できる。

 今回、開発・発表となった「LiCam」は、赤外線レーザーにより30m先の4輪車両を検知できる「Lidar」と、物体を認識できる「CMOSカラーカメラ」を100×100mmサイズのパッケージに統合した小型で高性能な物体検知用センサーだ。

 「LiCam」は、同社製Lidarと物体の色や形を高精度に認識する現代モービス社製CMOSカラーカメラを統合することにより、レーザーの反射光を横方向と縦方向に分割した多分割受光素子でセンシングし、対象物までの距離を正確に検知する。4輪車両だけでなく、道路上の白線や道路交通標識、歩行者、自動車、バイク(自転車)などの対象物に対する高い認識性能を実現している。カメラ単体で認識が困難だった夜間や逆光といった状況下での対象物のほか、認識困難だった壁や湯煙なども確実に検知するという。

 また、多分割受光素子に対応した信号処理用の回路を新たに開発、部品点数を削減し高感度化と高集積化したことで、小型かつ普及しやすい価格帯での提供を実現した。

 オムロンは25年以上前からメカニカルスキャン方式を採用したLidarを商品化してきた。今後はこれまでLidarの開発で培った物体認識技術を高性能かつローコスト化できる電子スキャン方式に活かし、より高精度な監視センサーを提供していくとしている。監視センサーの開発で、自動ブレーキなど安全支援システム搭載車の普及と、安心で安全なクルマ社会を実現に貢献ししていくとしている。

 小型で普及価格帯のセンシング技術であるなら、遠くない将来、普及が期待されるトヨタなどが各地で行なっている都市内シェアリング型EVスモールモビリティ「i-ROAD」のような超スモールカーにも自動ブレーキが搭載できるようになるかもしれない。(編集担当:吉田恒

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