iPS細胞から肝臓を作成、日本の研究陣が成功(1)
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
2013年07月04日 08時49分
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日本の研究陣が人工多能性幹細胞(iPS細胞)でヒトの「ミニ肝臓」を作るのに成功した。大きさはまだ1センチメートルにもならないが、たんぱく質を作って解毒作用をするなど肝臓固有の機能をすべて持っていると確認された。これまで幹細胞を利用して多様な臓器細胞が作られたが、肝臓のような臓器組織自体を作ったのは今回が初めてだ。このような研究結果は4日に世界的科学学術誌「ネイチャー」を通じて紹介された。
横浜市立大学医学大学院の武部貴則博士らの研究チームは、まず人のiPS細胞を内胚葉細胞に成長させた。続けてこの細胞を血管内皮細胞、間葉系細胞とともに培養した。血管内皮細胞は血管を作る役割、間葉系細胞は細胞と細胞をつなぐ役割をする。これらを混ぜて4~6日間培養すると肝臓の“種”が作られた。大きさは直径5ミリメートル前後にすぎなかったが、複雑な血管網を備えた「小さな肝臓」だった。遺伝子テストの結果も実際のヒトの肝臓に現れる遺伝子形態と似ていた。
研究陣はこの種を免疫機能をなくしたネズミの頭部などに移植した。48時間後に血流が生まれ血が回り始めた。幹細胞で作った細胞だけ移植した時よりはるかに簡単にネズミの体に定着したのだ。続けてネズミのアルブミン(体内たんぱく質の一種)の数値が上がった。ヒトの肝臓だけが解毒できる薬物に対する代謝率も上昇した。ネズミに移植されたヒトの肝臓が機能していることを示す証拠だった。研究陣は昨年4月にネイチャーに論文を提出し、ネイチャーは1年余りにわたりこれを検証した上で論文掲載を決めた。
胎盤幹細胞を利用した肝臓細胞開発研究をしてきた盆唐(プンダン)車病院のファン・ソンギュ研究副院長は、「これまで幹細胞研究は平面的な二次元細胞を作るのにとどまってきた。日本の研究陣が三次元臓器を作るのに成功したことで、幹細胞の研究水準を1段階アップグレードした」と話した。臓器の種を作って移植したことに対して、「苗床に芽が萌え出て田植えをするように幹細胞で臓器構造を作ることができる効率的な方法を見つけ出した」と評価した。
iPS細胞から肝臓を作成、日本の研究陣が成功(2)
日本の研究陣は自分たちの研究結果に対し、「移植用臓器提供が非常に不足した状況で臓器の種を作って移植する技術は新たな突破口になることを見せた」と評した。自分たちが開発した技術を利用して不足する臓器を直接作って使う時代を開けるだろうという期待を示したものだ。
韓国では昨年1283件の肝臓移植手術が行われた。2000年の205件に比べ大幅に増えた数字だ。だが、まだ必要な需要をまかなえずにいる。先月基準で韓国の肝臓移植手術待機者は6000人余りに達する。臓器移植待機者2万4000人のうち腎臓の1万3000人余りに次いで2番目に多い。
待機者が多い理由は肝臓がんや肝硬変など肝臓移植を必要とする患者数に比べ手術に適合する肝臓を確保するのが難しいためだ。肝臓移植をするにはまず患者と提供者の血液型が一致しなければならない。また、提供者はウイルス性肝炎のような慢性肝疾患の病歴があってはならない。幹細胞を利用して人工肝臓を作る研究に関心が集中するのはこのためだ。
だが、サムスンソウル病院移植外科のクォン・ジュンヒョク教授は、「幹細胞を利用した技術をすぐに治療に使うのは厳しいだろう」と話す。移植された万能幹細胞ががん細胞などに変わる恐れもあるため、危険性を徹底的に糾明するのが先ということだ。ファン・ソンギュ副院長は、「臨床化は遠い将来のことだが人工肝臓を新薬開発過程で毒性テストなどに活用することはできるだろう」との見方を示した。
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