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2016年1月21日木曜日

「巻き爪」治療の常識が変わった! 再発しない最新治療「NaOH」に注目


  • 2016/1/21
  •  
  • キレイスタイル

kireistyle

アラフォー世代になると、足の爪がすべてキレイに整っている人はほとんどいません。特に「巻き爪」で苦しんでいる人は10人に1人とも言われます。

その痛さは経験した人にしかわからないほど! しかも、いったん痛みが出るとなかなか治りにくく、矯正などをしても再発してしまうことが少なくありません。巻き爪を治すのってやはり難しいのでしょうか?

「多くの方は、巻き爪の原因は “爪そのもの” にあると思っています。でも、実は原因のほとんどは爪ではなく “足” にあるんですよ! それを無視して爪への対処療法をするだけでは再発するのも当然なんです」

と教えてくださるのは、表参道「足の診療所」の院長、桑原靖先生。今回は、正しい巻き爪の知識と、再発しにくい治療法を伺いました。

「なぜ巻き爪になったの?」本当の原因とは・・・?
そもそも巻き爪(陥入爪) とは、爪が内側へ弯曲し、巻き込んでいる状態のこと。周囲の皮膚に爪が食い込み、痛みや炎症・膿みなどを伴うこともあります。その結果、靴が履けない、上手く歩けない、爪が切れない、何もしなくても痛い…などの悩みを抱えることに。放っておくと傷口から菌が進入し、感染を起こすこともあるほどです。

「巻き爪になる原因はいろいろありますが、第一には爪が受ける圧力が弱すぎる場合。爪は元々内側に巻きやすい性質があるのですが、立ったり歩いている時に圧がかかることで地面と平行の形を維持しています。ですから、体重をかけないでいると曲がっていくのはあたりまえ。長期間寝たきりになった途端、巻き爪になるなんていうのもよくある話です。

また、爪にかかる圧力が均等でない場合によく起こります。つまり、足が変形している外反母趾や、足のアーチが落ちて扁平足になっている方は、痛い、痛くないは別としてほとんどと言っていいほど巻き爪になっていますね」(桑原先生)

外反母趾などのトラブルがある人で、今はまだ痛みがなくても、爪の端を押すと痛む、先が細い靴を履いた時だけ痛いなどの場合、見えない部分に爪が食い込んでいることがあります。これはもちろん、放っておくと徐々に巻き爪が悪化する可能性大! 

また、足の指の先端の骨(末節骨)の形態異常や爪下外骨腫という良性腫瘍により、骨の形が変形してしまうなど、爪が原因ではない場合が本当に多いのだそう。

巻き爪は遺伝だとか、そもそもなりやすい爪の形があると思っている人も多いものですが、違いましたね! ちょっとビックリです。

巻き爪はれっきとした病気。原因にあった治療法を!
ただ、先天的に巻き爪になりやすい人も確かにいるようです。それは、爪の幅が広い人、爪が大きい人など。オーバーサイズネイルと呼ばれる爪で、そもそも皮膚に爪が食い込みやすい形です。

「巻き爪の原因は一概には言えないため、まずは原因を見極めることが大切です。爪の医療に詳しいドクターなら、その方の爪の形、歩き方・立ち方の癖などを総合的に見て、原因を特定することができるはずです。巻き爪はれっきとした病気です。原因を特定できないまま、やみくもに矯正などの対処療法をしても完治は望めないと思いましょう」(桑原先生)

もちろん、単純に爪が原因だった場合、桑原先生のクリニックでは巻き爪専用のワイヤー矯正治療を行います。「VHO巻き爪矯正ワイヤー」と呼ばれるもので、従来のワイヤー治療に比べ、爪が短くても装着することができ、付けていても邪魔にならないのが特徴。ワイヤー挿入の際、痛みが少ないのもメリットです。

「膿んで痛みがある人は、初回は爪を切っておしまい、ということもありますね。正しく爪を切ってあげるだけで痛くなくなることも多いもの。再発予防のために正しい切り方の指導もします。

また、外反母趾が原因でも、軽い巻き爪なら、きちんとした機能性インソールを入れてもらうことで改善されることもあるんです。クリニックの治療用インソールでなくとも、市販のインソールで治る人もいます。もちろん、小さすぎる靴、大きすぎる靴、つま先がきつい靴などは足に負担をかけ、巻き爪を助長してしまいますから、そのものにも気をつけてもらいます。

こういった指導でも治らない、再発してしまう方には、根本治療『NaOH』療法をオススメしています。痛みも少なく、歩いて帰っていただけますよ!」(桑原先生)

さて、『NaOH』とはどんなものでしょう?

再発しにくい、巻き爪の新治療!『NaOH』とは?
桑原先生のクリニック「足の診療所」で行っている『NaOH』は、日本ではまだあまり行われていませんが、アメリカなどではポピュラーな手術です。

「手術と聞くと『え〜、巻き爪で手術までするの?』と思うかもしれませんが、1カ所5〜10分で終わり、手術直後に歩いて帰れる治療方法です。その日の入浴も可能なんですよ。

手術は、巻いている爪の端を根元まで切除し、その部位から爪が伸びてこないように薬品を塗るというもの。NaOHとは、爪になる細胞を焼くための薬品の名前です。爪になる前の細胞を取ってしまうため、そこからはもう爪が生えてきません。なので、多少は爪の形が細長くなります」(桑原先生)

施術する際には局所麻酔をし、十分に効果が現れてから実施するため、痛みを感じない方がほとんど。術後に痛み止めの処方をすることもあります。手術時間は合計20分程度。完治までの期間が短く、通院日数が少なくて済むのもメリットです。手術は健康保険が適用になり、料金は3割負担で10,000円程度。なお術前に別途血液検査が必要なこともあります。

巻き爪で長い間悩んでいた人、さまざまな治療をしたけれど効果がなかったという方は、このNaOH手術を選択肢のひとつにしてみてはいかが? 今年の夏こそ、自信を持ってサンダルが履けるようになりましょう!

桑原 靖 先生 プロフィール
「足の診療所」院長。足病学、足病外科、形成外科など。日本には足(くるぶしから下)を専門的に診療する医療機関がほとんどないことに疑問を持ち、2013年、足の痛みや変形に特化したクリニックをオープン。足に対する専門的な診療を提供することに日々力を注ぐ。「足の診療所」
http://foot-clinic.jp/index.html

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