Pages - Menu

Pages - Menu

Pages

2016年3月16日水曜日

進化した「がん治療」の現状とその費用


引用元:
http://allabout.co.jp/gm/gc/462790/
吹田 朝子 がんに備える保険 ガイド

がん治療というと、手術療法・放射線療法・化学(薬物)療法は標準療法(三大療法)と言われてきました。

しかし、最近はさらに様々な治療法が研究され、臨床試験が行われ、健康保険の対象適用となる治療法も増えてきています。今回は、そうしたがん治療法の最前線情報も視野に入れながら、ご自身の準備を考える際のポイントを整理してみましょう。


<ご相談者 女性 Yさん>

  • 49歳女性、フリーで翻訳業を行っている
  • 離婚後、母親と同居
  • 緊急を要するわけではないが、がんについて気になっていてQOL(Quality of Life:生活の質)を維持していくための準備を検討中
  • がん保険については、調べたこともなくほとんど知らない状況

がん治療法が多様化し、画期的な内容も増えている

40代女性
もし、自分ががんになったときのことを考え、どんな治療法があるか知っておきたい

Yさん:だいぶ前ですが、胃がん治療法として胃を抗がん剤でジャブジャブ洗うというのがあるというのをテレビで見たことがあります。あのような画期的な治療法は、健康保険の対象ではないですよね。



ガイド:その番組、数年前に私も見ましたよ。テレビで紹介されたのは、生理食塩水に抗がん剤を混ぜた溶液で直接胃を洗うという「腹腔内温熱化学療法(HIPEC)」でした。現在、臨床試験の段階でまだ健康保険の対象ではありません。胃がんでのその治療については先進医療の申請中とのことです。



Yさん:なるほど。あれから更にいろんな治療が出てきて、健康保険の対象になるものも、ならないものもあるようで、治療費のことが心配です。そもそも、がん保険ってどんな治療法でも使えるんでしょうか?



ガイド:治療法と治療費は皆さん気にされますよね。一般的ながん保険ならば、がん診断給付金(一時金)があるので、がんと診断されることで給付金を受け取れるものが多いといえます。



Yさん:健康保険や先進医療などに関わらず、がん保険からがん診断給付金(一時金)は受け取れるのですね。



ガイド:はい、保険商品によってその給付条件は微妙に違いますが、まずはそう思っていただいていいでしょう。その他、臨床試験に参加して入院された場合なども、治療目的であれば入院給付金がおりる内容のところもあります。



Yさん:それを聞いてほっとしました。最近、多様化しているがん治療法って他にどんなのがあるのでしょうか?


ロボット手術の一部は健康保険適用も

ガイド:ロボット手術って聞いたことありませんか?


Yさん:あります!「ダヴィンチ」でしたっけ?



ガイド:さすがですね! 内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ(da Vinci)」を使う手術は、今まで不可能とされていた部分を見ることが可能になりました。そして、メスなどの動きがより精密になることで、傷口が小さく出血が少ない、術後の痛みが軽減される、合併症のリスク回避ができるなど、様々な長所が挙げられています。



Yさん:すごいと思ったのですが、健康保険は適用されるのでしょうか?



ガイド:これは、一部の部位、前立腺がんの全摘手術については、健康保険が適用されています。



Yさん:対象範囲はどんどん広がってきているのですか?



ガイド:そうですね。前立腺がん以外も含めて、件数は毎年増えているようです(日本ロボット外科学会より)。病院によっては、「ダヴィンチ」のバージョンがどんどんアップして、より高画質な3次元立体画像で、より効果的、より正確で安全な手術へと進んでいるようです。


ここ十数年の進化の主役、分子標的薬は保険適用も増えている

薬
がん治療の薬の進化も目覚しい

ガイド:最近大きく進化したと言われるものに、分子標的薬もあります。



Yさん:薬ですか?



ガイド:はい、化学(薬物)療法の1つで、がん細胞の増殖に関わる特定の分子(遺伝子やたんぱく質)を標的として効率よく作用するようにつくられた薬です。従来の抗がん剤に比べて副作用も比較的少なく、脱毛などに悩まされることが減るため、皮膚の異常や下痢などの副作用はあってもQOL(生活の質)の維持も貢献していると言われます。



Yさん:QOLは私にとってもほんと重要なポイントです。



ガイド:分子標的薬は、1990年代後半から多くの種類が開発され、欧米では従来の抗がん剤よりも使われるようになってきたそうです。日本でも、いくつかの部位のがんを対象に保険適用され始めています。



Yさん:どんながんで健康保険適用になっているのですか?



ガイド:例えば、乳がんや胃がんに使えるハーセプチン、大腸・直腸がんなどのアバスチンやアービタックス、肺がんのイレッサ、肝臓がんのネクサバールなどがあります(2016年2月現在、表記は商品名)。



Yさん:ハーセプチンは聞いたことがあります。乳がんで使えるものだったんですね。いろいろと種類があるんですね。健康保険が適用されるなら高額療養費の対象ですね。



ガイド:はい、おっしゃるとおりです。分子標的薬は種類などにもよりますが、実は費用負担が大変という声もよく聞きます。そこで、2012年4月から通院でも高額療養費制度の「限度額適用認定証」を病院窓口で提示すれば、自己負担限度額を超える分を支払わなくてもいいようになったので、負担感を軽くするためには事前に手続きをすることも大切です。


(ご参考:高額療養費制度の自己負担上限についてはこちらの記事もどうぞ)


がんの「第四の療法」は、臨床試験段階が多い


手術
新しいがんの治療法を目指して

ガイド:手術療法・放射線療法・化学(薬物)療法という三大療法にプラスして、第四の療法として、免疫療法も注目されています。


Yさん:免疫療法は、体の免疫力を高めるやり方ですよね。優しいイメージがあります。

ガイド:そうですね。免疫療法は、本来、体が持っている白血球やリンパ球といった免疫細胞を活かしてがんと闘うため、つらい副作用で苦しむ例はほとんど報告されていないのが、一番のメリットですよね。昔、よく耳にした丸山ワクチンもその1つです。

Yさん:それ、聞いたことがあります。最近はどんな傾向なんですか?

ガイド:昔の免疫療法は、体全体の免疫力を底上げするものが多かったのですが、最近は、がん細胞を狙って特異的に作用する免疫力を高める「特異的がん免疫療法」へ進化したと言われます。

Yさん:よりターゲットに向けてフォーカスしてきているんですね。

ガイド:しかも、免疫療法の効果を高めるメカニズムが最近解明されつつあり、がん細胞そのものを叩くのではなく、がん細胞の周りにある「免疫抑制細胞」を減らすのが効果的だと、臨床試験が進んでいるそうです。

Yさん:臨床試験って希望したら受けられるのですか?

ガイド:臨床試験への参加は、病状やこれまでに受けた治療法などの細かい基準があり、また実施する病院も臨床試験ごとに決められているので、まずは担当医に相談するのが第一でしょう。もしご自身で臨床試験の情報を知りたいときは、国立がん研究センターがん対策情報センターがん情報サービスのWebサイトの「がんの臨床試験を探す」で調べることもできます(文末リンク参照)。

Yさん:わかりました。でも、メリット・デメリットの判断難しそう……。費用はどうなんでしょう?

ガイド:確かに新しい治療法を受けられるメリットがある一方で、まだわかっていない副作用などのデメリットも気になりますよね。臨床試験の中でも、厚生労働省から薬・医療機器としての承認を得る目的で行われる「治験」では、未承認薬を試す場合は保険診療が使えないため、薬代と検査代の一部を製薬会社などが負担する場合が多く、経済的な負担は日常診療よりも軽くなるケースもみられます。

Yさん:ある意味モニター的な存在ですね。

ガイド:一方、治験以外の一般的な臨床試験の場合は、日常診療と同様の自己負担額が発生すると言われています。

Yさん:そうなんですね。母親の心配もなくなり私1人だけになったら、今後の治療技術の発展のために、臨床試験にチャレンジしてもいいかなーなんて思って聞いてました。

今までにない、抗がん食品まで登場!


ガイド:もう1つ、がんに対する画期的なものとして、口から食品として摂取する抗がん食品が日本癌学会学術総会において発表されたのも要注目ですね。


Yさん:食品ですか?

ガイド:はい、経口摂取で血管内に吸収されて抗がん効果が証明された食品成分です。単糖類であるグルコースの特性を生かして、がん幹細胞の特徴を持つ全ての固形癌の元になり得る細胞にしっかり到達して、がんの成長を阻害する効果をもたらすことが臨床的に明らかになり、「p53誘導体認証による食品」として、2016年2月から薬局やインターネットで買えるようになっています。

Yさん:驚きました!そんな方法もあるんですね。いくらくらいなんでしょうか?

ガイド:現時点では、食品に含まれる濃度によって4週間分で2万円弱から5万円強などのようですね。期間によって実際にかかる金額も変わりますね。

Yさん:医療の進歩ってすごいです。ネットでも買える食品ということだと、健康保険は関係ないですね。入院とかでもなければ、保険からの入院給付金もないですね……。

ガイド:はい、ただ、がんと診断されることで受け取れるがん診断給付金(一時金)なら、使途自由なので食品にも使えますね。治療の幅は広がりましたが、それぞれを準備するのは本当に大変ですよね。

将来の治療の変化にも対応できる準備法って?


Yさん:やっぱり、今はまだない幅広い治療法に対しても、将来ざっくりとでも対応できるようにしたいと思います。ある程度の貯蓄の他、がん保険もやはり必要かなと思いますが、どんな点に注意したらいでしょうか?


ガイド:Yさんのように、ある程度の予備的な貯蓄と予想しきれないことへの保険との2本立てで考えるのは、非常に合理的だと思います。予備的な準備としては、生活費の半年から1年分をイメージし、がん保険は、まず治療法を問わず使えるものとして、がん診断給付金(一時金)が充実しているものを選ぶといいでしょう。

こちらをぜひ参考にしてくださいね。

また、健康保険が適用されない自由診療も含み、自己負担の実費分を補てんするという役割のがん保険もあります。

Yさんご自身の生き方に合わせて、そのサポート手段の1つとしてご検討されてもいいと思います。複数の保険の使い分けについては、よろしければこちらも参考にしてくださいね。



<参考サイト>



【関連サイト】

以下の各サイトでも、がん保険を検討する際のお役立ち情報を紹介しています。
______________________

※本件ガイドが提供する記事は、特定の保険商品の募集を目的としたものではありません。また、掲載される情報の著作権は株式会社オールアバウトが有し、各国の著作権法、各種条約およびその他の法律で保護されています。

0 件のコメント:

コメントを投稿