勉強の為に引用しました。
http://healthpress.jp/2014/12/post-1366.html
Mr.Ruby / PIXTA(ピクスタ)
アベノミクスは本当に成果を上げているのか?ここに驚くべき一つのデータがある。生活困難者の医療費を減免する「無料低額診療事業」の実施医療機関が急増し、利用者も年間で延べ700万人を超え、ここ数年間で100万人以上も増えているのだ。
50代の男性Fさんは、ある会社の冷凍庫内で商品を運搬する作業に従事していたが、健康状態が悪くなり45歳で退職、その後わずかな蓄えを切り崩し、定職がないまま親戚や友人からの支援で生活を維持してきた。体調が悪く病院を受診したいと希望していたが、金銭的余裕はまったくない。区役所に相談したところ、地域の病院を紹介され受診。痛風の症状などがあり、栄養指導を受けた。生活保護に関しては、就労可能かどうかの判定がなされておらず、まだ受給していない。このため支払いが困難と判断され、無料での診療となった。その後、医師が就労不可能と診断、生活保護を受給できることとなった。
10代の女性Kさんは、急に腹痛を覚え救急搬送された。卵巣腫瘍と診断され手術のために入院が必要と告げられた。しかし、高校を中退して家事伝いをしているだけで収入がない。父は季節労働者として繁忙期には収入を得ているが、冬季は生計維持が困難。金銭面での余裕がまったくなかった。他の家族の年金収入はあるものの、家計は逼迫している。搬送された病院がたまたま無料低額診療事業を実施しているため、入院費など診療費が8割以上減額された。
また、最近多いのは独居のお年寄りケースだという。新聞受けに詰まった新聞を見て隣人が不審に思い民生委員に連絡、一緒に家の中に立ち入ると70代の女性Mさんが飢餓状態で倒れていた。救急病院への搬送となった。老齢基礎年金を受給しているが、貯金も使い切り生活保護基準を著しく下回る収入しかない。生活保護申請を行い受理されたものの、入院は受給決定前であることから、無料低額診療の対象となり、その期間の入院費が全額無料となる判断がなされた。
10代の女性Kさんは、急に腹痛を覚え救急搬送された。卵巣腫瘍と診断され手術のために入院が必要と告げられた。しかし、高校を中退して家事伝いをしているだけで収入がない。父は季節労働者として繁忙期には収入を得ているが、冬季は生計維持が困難。金銭面での余裕がまったくなかった。他の家族の年金収入はあるものの、家計は逼迫している。搬送された病院がたまたま無料低額診療事業を実施しているため、入院費など診療費が8割以上減額された。
また、最近多いのは独居のお年寄りケースだという。新聞受けに詰まった新聞を見て隣人が不審に思い民生委員に連絡、一緒に家の中に立ち入ると70代の女性Mさんが飢餓状態で倒れていた。救急病院への搬送となった。老齢基礎年金を受給しているが、貯金も使い切り生活保護基準を著しく下回る収入しかない。生活保護申請を行い受理されたものの、入院は受給決定前であることから、無料低額診療の対象となり、その期間の入院費が全額無料となる判断がなされた。
対象は低所得者、ホームレス、生活困難者など
この無料低額診療事業は、社会福祉法と法人税法に基づき生活困難者が経済的な理由によって必要な医療を受ける機会を制限されることがないよう、無料または低額料金で診療を行う事業だ。対象となるのは低所得者、要保護者、ホームレス、DV被害者、人身取引被害者などの生活困難者、不法滞在の外国人にも適用される。病院は実施施設になると、患者の医療費を肩代わりするが、固定資産税などの減免措置を受けることができる。
しかし、この事業をやっている施設は、済生会病院、民医連病院、社会福祉法人や財団法人の病院、日赤病院など公共性が高い医療機関である場合が多く、もともと課税されないケースも多く、費用の持ち出しを覚悟で生活困窮者のために取り組みの努力をしている医療機関も少なくない。
本来、国民皆保険が未整備だった時期の社会福祉事業として開始された制度であることから、厚生労働省は、これまで社会情勢の変化に伴い「必要性が薄らいでいる」とし、平成13年7月には、新規の無料低額診療事業の抑制方針を都道府県などに通知した。
しかし、政府は「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」(平成20年7月)の中でホームレスへの医療を確保するため、無料低額診療事業の積極的活用を謳い、「人身取引対策行動計画」(平成16年12月策定)でも人身取引被害者の保護対策の中に同事業を盛り込んでいる。
本来、国民皆保険が未整備だった時期の社会福祉事業として開始された制度であることから、厚生労働省は、これまで社会情勢の変化に伴い「必要性が薄らいでいる」とし、平成13年7月には、新規の無料低額診療事業の抑制方針を都道府県などに通知した。
しかし、政府は「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」(平成20年7月)の中でホームレスへの医療を確保するため、無料低額診療事業の積極的活用を謳い、「人身取引対策行動計画」(平成16年12月策定)でも人身取引被害者の保護対策の中に同事業を盛り込んでいる。
急増する無料低額診療事業の実施施設と利用者
この無料低額診療事業の実施施設数の推移を見ていくと、平成11年度から平成17年度までは251施設から260施設の間をほぼ横ばいで推移している。利用者もほぼ450万人前後で落ち着いていた。しかし18年度には約618万人、19年度約640万人、24年度には遂に700万人にまで増加している。実施施設数も558施設と2倍近い数字となっている。
生活保護を受給すれば医療扶助があり、医療費の自己負担がなくなる。しかし現実には、運用可能な資産や僅かに貯金があるだけで生活保護は受給できない。生活保護を申請しても受理されないが医療費の自己負担分を払う余裕などないという制度の狭間に落ち込んでいる人たちが大勢いる。自分は患者になりたくても、医療費を払えないために病院に行けないという人々が拡大しているのではないか。
国民健康保険の滞納率が2012年度の国民健康保険の滞納率は18.1%、東京都では24.1%と5世帯に1世帯が滞納している。若い世代での未加入者も多い。保険料さえ払えない状況で、窓口負担のお金など払えるはずがない。国民皆保険が形骸化しつつある現在、医療のセーフティーネットとして無料低額診療事業はますますその重要性を増している。
厚生労働省は、生活保護費のうち冬の暖房費などにあてる「冬季加算」や家賃として支払う「住宅扶助」の基準について、引き下げや減額などの方向性を示し、貧困層での生活はますます深刻な事態となっていく。例年より厳しい寒波の到来が予想される今年の冬、生活保護を受給できない狭間の人たちの制度の利用が急増しそうだ。
(文=編集部)
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