2016.06.29
完成間近の豊洲新市場は“欠陥”だらけ(C)日刊ゲンダイ
「店舗が狭すぎてマグロが切れない」「水槽が重すぎて床が抜ける」――。東京・築地市場の移転先である豊洲新市場に、続々と“欠陥”が発覚している。
大手メディアもこの問題を連日取り上げるようになり、大炎上寸前。11月7日に開場を控え、さらなる“痛恨のミス”が明らかになった。海水魚を取り扱う市場でナント、「海水」が使えないのだという。築地の仲卸で働く中澤誠氏(東京中央市場労組執行委員長)はこう言う。
「昨年夏ごろ、都から店舗のレイアウト案を提出するよう要請された際、『海水は床に流さないで下さい』と唐突に言われ、ビックリしました。真水ならOKらしいのですが、それだとちょっとした水たまりにボウフラやコバエの幼虫が湧いてしまう。築地では海水で床掃除をしているので、コバエや蚊はほとんど湧きません。海水ではボウフラは育ちませんからね。別の仲卸の仲間たちも『真水じゃ掃除ができない』と怒ってましたよ」
真水で床を磨くほど、魚にコバエがたかるというのでは、世界に誇る“フィッシュマーケット”も形無しだ。海水が使えないデメリットはまだある。
「私たちは、活魚と海水を入れた大型の水槽をターレーに積んで市場内を行ったり来たりするのですが、坂やカーブで必ず海水がこぼれます。一度、築地で“実験”したところ、1往復で100リットルはこぼれます。これは真水で代用できるわけがありません。『床に流すな』という注文はムリ。それに、海水が使えないんじゃ水道からじゃぶじゃぶ水を出すしかない。水道代がいくらになるのか、考えただけで頭が痛いですよ」(中澤氏)
実際に新市場へ赴くと、建物工事はほぼ終わっていた。巨大なオフィスビル然とした建物内で海水を流しては、床がボロボロになってしまうのかもしれないが、そんな施設で魚は扱えっこない。総事業費5800億円は泡と消えるのか。
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