他人に移植しても拒絶反応が起きにくい特殊なタイプのiPS細胞を使って、重い目の病気の患者を治療しようという「他家移植」と呼ばれるタイプの世界初の臨床研究を、理化学研究所や京都大学などの研究グループが共同で実施する計画を明らかにしました。1人当たり数千万円かかっていたコストを大幅に下げ、iPS細胞を使った治療の普及にもつながる可能性があると期待されます。
これは、神戸市にある理化学研究所と神戸市立医療センター中央市民病院、京都大学iPS細胞研究所と大阪大学の4つの施設で作る研究グループが共同で会見し、明らかにしたものです。
それによりますと、研究グループでは「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者に、拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞から作った網膜の組織を移植し、視力を回復させようという臨床研究を共同で行うということです。この特殊なiPS細胞は、京都大学が日本人の中に一定の割合でいる特別な免疫のタイプを持つ人に細胞を提供してもらい作ったもので、他人に移植しても拒絶反応を起こしにくい特徴があります。
iPS細胞を巡っては、理化学研究所などのグループが、おととし患者本人のiPS細胞から目の網膜の組織を作って移植する「自家移植」の手術を行っていますが、他人の細胞を移植する「他家移植」の手術は、実施されれば世界初となります。
京都大学では、他家移植に向け、すでに日本人全体の17%に使えるiPS細胞を作製していて、患者本人のiPS細胞を使う場合にかかる10か月間という作製期間を大幅に短縮できるほか、数千万円に上る費用も数分の1にできると期待されています。
研究グループでは、中央市民病院の倫理委員会から実施の了承が得られれば、再生医療に関する大阪大学の専門の委員会に臨床研究の実施を申請することにしています。そして、認められれば、来年以降、患者に手術を行い、この治療法の安全性と効果を調べることにしています。
それによりますと、研究グループでは「加齢黄斑変性」という重い目の病気の患者に、拒絶反応が起きにくい特殊なiPS細胞から作った網膜の組織を移植し、視力を回復させようという臨床研究を共同で行うということです。この特殊なiPS細胞は、京都大学が日本人の中に一定の割合でいる特別な免疫のタイプを持つ人に細胞を提供してもらい作ったもので、他人に移植しても拒絶反応を起こしにくい特徴があります。
iPS細胞を巡っては、理化学研究所などのグループが、おととし患者本人のiPS細胞から目の網膜の組織を作って移植する「自家移植」の手術を行っていますが、他人の細胞を移植する「他家移植」の手術は、実施されれば世界初となります。
京都大学では、他家移植に向け、すでに日本人全体の17%に使えるiPS細胞を作製していて、患者本人のiPS細胞を使う場合にかかる10か月間という作製期間を大幅に短縮できるほか、数千万円に上る費用も数分の1にできると期待されています。
研究グループでは、中央市民病院の倫理委員会から実施の了承が得られれば、再生医療に関する大阪大学の専門の委員会に臨床研究の実施を申請することにしています。そして、認められれば、来年以降、患者に手術を行い、この治療法の安全性と効果を調べることにしています。
理研 高橋氏「できるだけ早く患者のもとに届けたい」
理化学研究所の高橋政代プロジェクトリーダーは、「他家移植」の臨床研究について、「患者本人からiPS細胞作る自家移植に比べて、移植手術までの時間が短くコストももっと下がっていくと考えられる。来年前半には臨床研究を始め、できるだけ早く患者のもとに届けたい」と話していました。
また、安全性について、「細胞の型がマッチする患者に移植するのがポイントで、動物を使った実験では拒絶反応をほとんど起こさないことが分かっている。もしも拒絶反応が起きた場合は、免疫抑制剤を投与することなどで対応できると考えている」と述べました。
また、安全性について、「細胞の型がマッチする患者に移植するのがポイントで、動物を使った実験では拒絶反応をほとんど起こさないことが分かっている。もしも拒絶反応が起きた場合は、免疫抑制剤を投与することなどで対応できると考えている」と述べました。
京大 山中教授「4施設がタッグ 大きな前進」
京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授は「ヒトのiPS細胞ができて以降、医療に応用するためにはそれぞれの得意分野の先生方のオールジャパンの協力が必須だと思っていた。今回、4つの施設がこのような形でタッグを組めたのは大きな前進で心強い」と述べました。
また、今回の臨床研究で、京都大学は移植に使うiPS細胞の作製や安全性の確認などを担当する予定で、これについては「臨床研究の成功のためには出発点となる部分で、しっかりとやっていきたい」と決意を述べました。
また、今回の臨床研究で、京都大学は移植に使うiPS細胞の作製や安全性の確認などを担当する予定で、これについては「臨床研究の成功のためには出発点となる部分で、しっかりとやっていきたい」と決意を述べました。
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