By Automotive Rhythms
世界中で開発が進められる「自動運転カー(自律運転車両)」に先駆けて、EVメーカーのテスラは2015年10月に「モデルS」のソフトウェアをアップデートする形で自動運転機能を一般向けの車両でデビューさせています。いわば、既存の自動車メーカーのお株を奪う形で後発メーカーのテスラが時代を先取ることになったわけですが、同様に自動運転車両の開発を進めているボルボのエンジニアはテスラの自律運転技術について「Wannabe(ワナビー:~気取り)」であると語りました。
Volvo autonomous car engineer calls Tesla’s Autopilot a ‘wannabe' | The Verge
http://www.theverge.com/2016/4/27/11518826/volvo-tesla-autopilot-autonomous-self-driving-car
この発言は、ボルボで事故回避関連のシニア・テクニカルリーダーを務めるトレント・ビクター氏がThe Vergeのインタビューの中で語ったもの。ビクター氏はテスラが現時点でリリースしている自動運転機能について「実際の姿よりもよく動作しているような印象を与えている」と指摘し、「監視されていない自動運転気取り(unsupervised wannabe)」であると語っています。The Vergeはこれを「テスラは自動運転っぽく見える半自動運転カーを作ろうとしている」と表現しています。
ひと口に「自動運転」と言ってもその技術にはさまざまな段階があり、日本政府やアメリカの運輸省道路交通安全局では自動運転のレベルを0から4の5段階に定義づけています。テスラは自社の自動運転技術について、加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行い、ドライバーの監視が必要とされる「レベル2」に属するものと公表しており、これはいわゆる「アダプティブ・クルーズコントロール」と同じ基準に相当するものとのこと。
世界中で開発が進められる「自動運転カー(自律運転車両)」に先駆けて、EVメーカーのテスラは2015年10月に「モデルS」のソフトウェアをアップデートする形で自動運転機能を一般向けの車両でデビューさせています。いわば、既存の自動車メーカーのお株を奪う形で後発メーカーのテスラが時代を先取ることになったわけですが、同様に自動運転車両の開発を進めているボルボのエンジニアはテスラの自律運転技術について「Wannabe(ワナビー:~気取り)」であると語りました。
Volvo autonomous car engineer calls Tesla’s Autopilot a ‘wannabe' | The Verge
http://www.theverge.com/2016/4/27/11518826/volvo-tesla-autopilot-autonomous-self-driving-car
この発言は、ボルボで事故回避関連のシニア・テクニカルリーダーを務めるトレント・ビクター氏がThe Vergeのインタビューの中で語ったもの。ビクター氏はテスラが現時点でリリースしている自動運転機能について「実際の姿よりもよく動作しているような印象を与えている」と指摘し、「監視されていない自動運転気取り(unsupervised wannabe)」であると語っています。The Vergeはこれを「テスラは自動運転っぽく見える半自動運転カーを作ろうとしている」と表現しています。
ひと口に「自動運転」と言ってもその技術にはさまざまな段階があり、日本政府やアメリカの運輸省道路交通安全局では自動運転のレベルを0から4の5段階に定義づけています。テスラは自社の自動運転技術について、加速・操舵・制動のうち複数の操作をシステムが行い、ドライバーの監視が必要とされる「レベル2」に属するものと公表しており、これはいわゆる「アダプティブ・クルーズコントロール」と同じ基準に相当するものとのこと。
一方、自動車業界の専門家が考える「自動運転」は、もう1段階上である「レベル3」に相当するものとされています。このレベルに属する車両は、加速・操舵・制動を全てシステムが自動的に行い、システムが要請したときはドライバーが対応する状態にあります。通常時の操作はシステムによって行われますが、ドライバーが登場する必要があるのがこのレベルの特徴で、運転の責任は人間のドライバーに存在しています。
ビクター氏によるとボルボは、ドライバーが常に待機状態にあることを求められ、必要な時には運転を引き継ぐ必要のある「レベル3」は安全ではないと考えているとのこと。レベル3であっても名目上はドライバーが車両の運転に責任を持つことになりますが、実際にレベル3の自動運転が行われることでドライバーの意識は運転から外れ、おのずからメールのやりとりや映画鑑賞に集中する状態になるというのが、安全ではないとする理由です。ボルボはこの件について「ドライバーの監視が必要な半自動運転モードの時と、監視が必要ない自動運転の時では、ドライバーに明確な違いを感じさせることが重要です」と語り、中途半端な状態にドライバーを置き去りにしないことの重要性を示しています。
そんなボルボは、2016年にも「レベル4」に相当する車両を使った公道実験を開始する予定です。このレベルにある車両の場合、自動の運転が可能な事に加え、路上で発生するあらゆる出来事に自動で対応することが可能になります。そのため、搭乗者は運転から完全に解放されることになります。仮に、何か運転を継続することができないトラブルが発生した場合でも、車両は自動的に安全な場所に停車するようにプログラムされています。
By Automobile Italia
ボルボは自動運転車両に対する考え方として「もしドライバーが運転を引き継がなかったり、眠りに落ちていたり映画に夢中になっているような場合においても、車両が責任を受け持ちます。我々の車両は何か出来事が起こったとしても、突然自動運転モードを解除してしまうようなことはしません。車両が安全の責任を持ち続け、車両を安全な場所に停止させるまでを受け持ちます」と説明しています。
この両者の違いは、そっくりそのまま会社としてのポリシーが反映されたものと言えそう。テスラは、何か問題が起こったときでもドライバーは責任を負うことが可能と考え、逆にボルボは自動運転カーが事故を起こしたとしてもその責任を負う立場に置かれないような仕組みを考えているとのこと。
「自動運転カー」ひとつを取っても、各メーカーによる考えの違いが存在している様子を垣間見ることができるというわけですが、しかし今後はこれを「考え方の違い」と片付けるというわけには行かないのかもしれません。今後の自動運転カー普及の時代に向け、アメリカの国家道路交通安全局(NHTSA)は各方面からの意見を集めて新たなルール作りを進めている段階。2020年とも言われる自動運転カーの公道デビューに向けて今後もいろいろな展開が起こることになりそうです。
ボルボは自動運転車両に対する考え方として「もしドライバーが運転を引き継がなかったり、眠りに落ちていたり映画に夢中になっているような場合においても、車両が責任を受け持ちます。我々の車両は何か出来事が起こったとしても、突然自動運転モードを解除してしまうようなことはしません。車両が安全の責任を持ち続け、車両を安全な場所に停止させるまでを受け持ちます」と説明しています。
この両者の違いは、そっくりそのまま会社としてのポリシーが反映されたものと言えそう。テスラは、何か問題が起こったときでもドライバーは責任を負うことが可能と考え、逆にボルボは自動運転カーが事故を起こしたとしてもその責任を負う立場に置かれないような仕組みを考えているとのこと。
「自動運転カー」ひとつを取っても、各メーカーによる考えの違いが存在している様子を垣間見ることができるというわけですが、しかし今後はこれを「考え方の違い」と片付けるというわけには行かないのかもしれません。今後の自動運転カー普及の時代に向け、アメリカの国家道路交通安全局(NHTSA)は各方面からの意見を集めて新たなルール作りを進めている段階。2020年とも言われる自動運転カーの公道デビューに向けて今後もいろいろな展開が起こることになりそうです。
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