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2017年3月31日金曜日

伊方3号機:「どれだけ被ばく重ねれば...」被爆住民ら怒り

伊方3号機:「どれだけ被ばく重ねれば...」被爆住民ら怒り


3/30(木) 22:02
記者会見で感想を語る本訴訟の原告団長で被爆者の堀江壮さん(左端)=広島市中区で2017年3月30日午後5時24分、山田尚弘撮影
 「どれだけ被ばくを重ねれば、主張が認められるのか」。72年前に広島原爆で被爆した住民らは広島地裁決定に怒りをあらわにし、伊方町では安堵(あんど)の表情を浮かべる住民もいた。
 地裁前には住民ら約100人が集まり、「差止めならず」「被爆地ヒロシマはあきらめない」と書かれた垂れ幕が掲げられると重苦しい雰囲気に包まれた。
 本訴訟の原告団長の堀江壮(そう)さん(76)=広島市佐伯区=は4歳の時、爆心地から約3キロの場所で被爆し、55歳で甲状腺腫を患った。「放射線がどんな影響を与えるかは自分の肌で理屈抜きに知っている。被爆者の責任として原発廃止を今後も訴えたい」と力を込めた。
 住民側の記者会見で河合弘之弁護士は、「裁判所は証拠から目を背け、四電や規制委の考え方をなぞる決定を出した。(同様に住民側の申し立てを棄却した)福岡高裁宮崎支部決定に盲従する決定で、裁判官の独立を自ら放棄するに等しい暴挙だ」などとする声明を読み上げた。
 海を挟んで愛媛県の対岸に位置する大分県の住民からも落胆の声が上がった。大分地裁に伊方原発の運転差し止めなどを求めている原告の農業、中山田さつきさん(62)は「福島の原発事故は企業では背負えない被害の甚大さを示した。大分地裁は電力会社の言い分を十分に検証してほしい」と話した。
 一方、伊方原発近くに住む50代男性は「原発関連の下請け、孫請けの仕事をする人でもっている店もある」と決定を歓迎した。中村時広・愛媛県知事は「四電は決して事故を起こさないとの心構えで、細心の注意を払いながら安全運転に努めてほしい」とコメント。四電の滝川重理登(えりと)・原子力部副部長は「まだ3件の仮処分や本訴訟があり、気を引き締めたい」と話した。【東久保逸夫、真下信幸、田畠広景、山崎太郎】

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