溶けた塩でセシウム除去 福島大が土壌に混ぜる手法発見
福島大は5日、原発事故で飛散し土壌に固く結合した放射性セシウムについて、低温で溶融するナトリウム塩、カリウム塩を土壌に混ぜることで除去する手法を発見したと発表した。実用化できれば、除染作業で生じた大量の土壌の減容化につながる可能性がある。19、20の両日に福島市のとうほう・みんなの文化センターで開かれる環境放射能除染研究発表会で研究成果を詳しく発表する。
大学が5日開いた定例記者会見で、佐藤理夫共生システム理工学類教授が述べた。佐藤教授によると、溶融した塩を混ぜることで、土壌と固く結合している放射性セシウムが動きやすくなり、土壌から分離すると考えられるという。
研究では、日本曹達(東京都)が開発した低温で溶融状態になる特殊な塩を使用。120度程度の溶けた塩を土壌に混ぜると、薬品を使用する手法としては高い85%の除去率を達成した。放射性セシウムを土壌から除去して高濃度にし、減容化につなげたい考え。佐藤教授は「研究はスタート段階だが、これまでのやり方よりも実用化へ期待ができる手法だ」と話した。
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