将棋・羽生善治3冠(46)が8日放送のNHK総合「NHKスペシャル『徹底解剖 藤井聡太~“進化”する14歳~』」にVTR出演し、公式戦29連勝の歴代新記録を記録した史上最年少棋士・中学3年生の藤井聡太四段(14)の強さについてコメントした。
4月23日にインターネットテレビ局「AbemaTV」で放送された非公式戦で対戦し藤井四段に敗れた羽生は「非常に現代的にスピーディーな将棋だなという印象は持ちました。結構大胆だなと思いました」と感想を語った。
番組では序盤の27手で藤井が「4五桂」を指した場面をクローズアップ。桂馬は序盤で積極的に動かさない駒ということになっており、常識では考えられない手だと説明。羽生は「今までの将棋のセオリーではちょっと考えられない手であります。『桂の高飛び、歩の餌食』といって桂という駒は前に進むと後ろに戻れないので、前に進めるのには慎重にある程度、他の援軍というか他の駒が進んでから、桂馬を飛んで攻めるというのが一般的なんですけど、まだ他の駒があんまり前に出ていない段階でポッと飛んできたので…」とAIに近い感覚を感じたと明かした。
羽生は桂馬を取って進めたが「自分の感覚でいうと角か桂を持っているほうがかなり得という感じがあるんです。ただやられてみると以外とその駒得が生きないという。それは非常に驚きでした」と感想を語った。
「(AIは)恐怖心とかがないので(実際に指しても)大丈夫ってことが分かる。人間の場合は王手をずっとかけ続けられていくとか、駒一枚足りなくてつまないって形でもやっぱりそれは怖さみたいなものを感じるので。勇気がいるというか、うまく主導権を取られて終始そのリードを生かして終わりまでいったという感じの将棋だったと思います」と藤井四段のクレバーさを分析していた。
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