裁量労働制を巡る不適切なデータの処理や異常数値の問題を受け、過労死遺族らでつくる「全国過労死を考える家族の会」の寺西笑子代表らは23日、加藤勝信厚生労働相と面会した。寺西代表は、裁量労働制の拡大などを盛り込んだ、働き方改革関連法案の国会提出を断念するよう求める要望書を加藤厚労相に手渡した。
寺西代表をはじめ遺族ら16人が出席し、冒頭を除き非公開で行われた。寺西代表によると、遺族らは「裁量労働制は長時間労働を助長する危険な働き方。拡大されれば犠牲者が増える」と述べ、「法案審議の重要データが間違っていた以上、十分な調査研究を行った上で最初からやり直してほしい」と訴えた。加藤厚労相は「思いを重く受け止めたい」と応じたが、法案には触れなかったという。
寺西代表は面会後、記者会見し「裁量労働制の拡大には年収要件がなく、多くの若者がターゲットになる。今後も法案断念を求めていきたい」と語った。【桐野耕一】
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