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ビジネスのαな感性に注目する「αism」。
橋、トンネル、高速道路などのインフラは、建て替えや修復が必要になりますが、予算は限られています。
命に関わるこの課題の解決につながる新技術です。
大きな問題となっているトンネルや橋など、社会インフラの老朽化。
これらの問題を根本から変えるかもしれない技術が開発された。
それが、自分で傷を治すコンクリート。
會澤社長は「コンクリートを人体、人間の皮膚のように人体化する技術」と話した。
北海道にある「會澤高圧コンクリート」。
ここに、画期的な技術があった。
會澤高圧コンクリート・會澤祥弘社長は「人間の人体と同じように、傷を負ったら、自分で傷を治してしまう。絶えずそれをやり続ける技術が、われわれが世に問うている『自己治癒コンクリート』という概念なんですよね」と話した。
自分で傷を治すという、「自己治癒コンクリート」。
実験用のコンクリートの塊。
縦に0.3mmほどのヒビが入っているが、これが2カ月ほどたつと、傷が埋まっている。
傷があったところに、何か白いものがあるが、これが自己治癒した証し。
通常のコンクリートは、30年もすると劣化が始まり、ヒビ割れなどを埋めなければ、剥落や倒壊につながることがある。
しかし、このコンクリートは、何もしなくても、自分で補修をしている。
その秘密を解く鍵が、茶色い粒。
會澤高圧コンクリート・河田義郎研究員は「こちらの茶色のカプセルの中に、バクテリアと、エサとなる乳酸カルシウムが入っています」と話した。
茶色い粒の中にあるのは、バクテリア。
では、バクテリアがどうやってコンクリートを補修するのか。
仕組みはこう。
まず、バクテリアをエサとなる乳酸カルシウムに包み込み、休眠状態にしてコンクリートに混ぜ込んでおく。
コンクリートが劣化し、傷が入ると、その隙間から雨や空気が入ってくる。
すると、バクテリアが目覚め、活動を開始する。
バクテリアはエサとなる乳酸カルシウムを食べ、代わりに炭酸カルシウムを排出する。
この炭酸カルシウムこそが鍵。
実は、炭酸カルシウムは、コンクリートの主成分であるため、バクテリアの排出物が傷を埋める元になる。
河田研究員は「ヒビ割れが埋まって、中が乾燥状態になると、またバクテリアは自分を殻に包んで守りだします。また休眠に入る。そこからまた200年間ほど生き続けて、また再びヒビが入って、水が入ってくると活性化しだして、修復するということを繰り返していく」と話した。
オランダで開発された、この技術。
日本では、會澤コンクリートが独占販売権を取得した。
會澤社長は「200年間は壊れないコンクリートでいける。そうすると、今の技術では30年もたつと、ほぼほぼ劣化が始まりますから、そういった意味では、事実上、実質的にはメンテナンスフリーの状態にもってこれるという技術ですね」と話した。
日本では現在、この技術を応用した補修剤が販売されていて、生コンクリートも1~2年の間に製品化される予定。
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