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2018年10月14日日曜日

失明原因第1位の“緑内障” 保険適用の最新治療法とは

勉強の為に転載しました。
https://www.google.co.jp/amp/s/dot.asahi.com/amp/wa/2016033100311.html

 緑内障は、視神経が徐々に障害され、ゆっくりと視野が欠けていく病気だ。進行性で、高齢になるほどこの病気の人が多くなる。

「視神経が傷ついても初期には自覚症状はありませんし、両目で見ていると視野の欠損にもなかなか気づきません。見え方がおかしいと思ったときは、すでに視神経の大半がなくなっていることが多いです」

 と東邦大学医療センター大橋病院眼科准教授の石田恭子医師は言う。

 緑内障のおもな原因は「眼圧」による視神経へのストレスだ。眼圧とは、眼球の内側から外に向かってかかっている圧力のことで、「房水」という液体によって調節されている。

 房水の産生と排出のバランスがとれていれば、眼圧は適正に保たれるが、隅角が詰まったり閉じたりすると房水の流れが悪くなるため、眼圧が上昇する。

 すると、「視神経乳頭」という網膜を走っている視神経が集まって束になり、脳に出ていく部位が圧迫される。その状態が続くと視神経が死滅していき、それに伴って視野が欠けていく。

「視野は一度欠けたら元に戻せないので、病気に気づくのが遅いと、治療しても残念ながら失明することがあります。現在、緑内障は日本人の失明原因の第1位ですが、それは患者数が多いから。早期に発見し、治療できれば失明を回避できる可能性は高いです」(石田医師)

 緑内障は、原因が特定できない原発緑内障、病気やけがが原因の続発緑内障、先天的な発達緑内障に分けられる。大部分は原発緑内障だ。 また緑内障には、隅角の広さが十分にある開放隅角緑内障と、隅角が狭い閉塞隅角緑内障があり、前者はさらに、眼圧が高いタイプと、眼圧が正常範囲(10~20mmHg)のタイプがある。日本人の緑内障の6、7割は「正常眼圧緑内障」だ。

 治療法は、開放隅角緑内障と閉塞隅角緑内障で異なる。ここでは、最も多数を占める「原発開放隅角緑内障」の治療を紹介する。

 緑内障は完治させられる病気ではなく、治療目的は視神経や視野の障害の進行を抑えることにある。そのための手段として、唯一、科学的根拠が認められているのが、眼圧を下げることだ。方法として薬物療法と外科的治療がある。

 治療では、個々の患者の状態から目標眼圧を設定し、まず点眼薬から始める。目標眼圧になれば点眼治療を続けるが、効果が不十分なら外科的治療を検討する。

 障害の程度が軽ければ、レーザー光線で線維柱帯を焼く「レーザー線維柱帯形成術」、少し進んでいれば、メスで線維柱帯を切り開く「線維柱帯切開術」がおこなわれるが、実施数が多いのは「線維柱帯切除術」だ。

 この手術は、詰まった線維柱帯を含む強膜の一部と虹彩に穴を開け、房水を目の外に逃がすバイパスを作るもの。房水は結膜の下に流れ、そこで「ろか胞」と呼ぶ水たまりを作る。たまった房水は結膜組織に吸収される。

「人体は傷があれば修復しようとしますが、傷が治って『瘢痕化』すると、ろか胞がつぶれてしまいます。手術では傷を治しにくくする薬を塗布しますが、それでも瘢痕化した場合は、再手術をして癒着をはがすか、別の場所にろか胞を作ります」(同)

 瘢痕化しやすい人は手術を繰り返すが、2~3回ほど手術すると、ろか胞を作る場所がなくなってしまう。

 そういう難治患者には、2012年に保険適用になったインプラント(人工物)を埋め込む「チューブシャント手術」が有用だ。インプラントは、チューブにプレートがセットされたタイプと、チューブだけのタイプに大別できる。難治患者に用いるのは前者で、「バルベルト」と、プレートに調圧弁がついた「アーメド」の2種類がある。

※週刊朝日 2016年4月8日号より抜粋

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