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サイバーエージェントの子会社Tech Kids School主催による小学生プログラマーのNo.1を決定するコンテスト「Tech Kids Grand Prix」の決勝プレゼンテーションがこのほど行われた。
ここでは1,000人以上の小学生の中から勝ち残った12人の候補者が自作ゲームやアプリをプレゼン。そしてグランプリや各賞の受賞者が決定した。
そのプログラミングの達人である小学生とその親へのインタビューを実施。小学生プログラマーに、どんな生活を送っているのか、やっぱりプログラミング漬けの生活なのか、プログラミングが全然できないと悩む社会人へのアドバイスなどを聞いてみた。
齋藤之理(さいとう ゆきまさ)くん(小学三年生/8歳・東京都)
齋藤くんは、「素数の世界」というゲームを開発し、GooglePlay賞を獲得。どんなゲームなのか?
「2桁までの素数をゲーム感覚で覚える学習プログラムです。上から降ってくる数字を素数と合成数に仕分けて遊ぶものです。でもみんな素数や因数分解をしても楽しいと思ってくれないです。楽しいと話ができるのはパパくらい。もっといろんな人に、数学や素数の楽しさを知ってもらって、それがわかる友達を増やしたいと思いました」
●普段の生活とプログラミングとの出会い
「プログラミングは毎朝30分、水曜日にはプログラム教室に通っており、2時間しています。暇さえあれば、いじっています。休日は一日中触っているわけではなく、博物館や科学館に行くことが多いです。プログラミングを始めたのは4歳、幼稚園のとき。ワークショップで触ったのがきっかけでした。プログラミングは、コンピュータを自由に動かせるのが楽しいです。プログラムをツールとして使っています」
●プログラミングがまったくできない社会人へ向けたメッセージ
「諦めないことが大事。やり続ければ、きっとできるようになる。」
また、齋藤くんのパパに、どんな育て方をしてきたのか聞いてみた。
「特別なことはしていません。私が物理の教師なので、家庭環境として理系の知識に触れる機会が多かったのだと思います。特にゲームが好きなわけではないです。今回のようなコンテストで、自分の他の人にはなかなか理解してもらえないことを評価してもらえる場に参加できるのはとても大事だと感じます。ただゲームをするより、手に職になっていいと思います」
そんな優秀な齋藤くんだが、パパはこっそり「ちょっと変人なのが難点」とつぶやいていた。
2.「文法を意識すれば理解しやすくなる」
柴田謙(しばた けん)くん(小学校六年生/11歳・カナダ留学)柴田くんは、「うんちく」というプログラミング言語を開発した。どんな言語なのか?
「英語がわからなくても簡単に書ける、日本語だけに対応したプログラミング言語。英語と日本語の置き換えではなく、話し言葉で動くプログラムです」
「平日は1時間から2時間、プログラミングをしています。夏休みは一日中やってるときもありました。プログラミングを始めたのは、7歳か8歳。プログラミングは、自分で自由に何でも作れるのがいいです。レゴみたいにパーツがないと作れないなんてものがない。ゼロからでも、すべて作れるので」
●プログラミングがまったくできない社会人へ向けたメッセージ
「プログラムの文法は、英語でも日本語でもないので混乱しがち。逆に文法を意識すれば、理解しやすくなると思います」
この柴田くんのパパに、どんな育て方をしてきたのか聞いてみた。
「私がハードウェアエンジニアなので、自然とプログラミングに興味を持っていました。プログラミングを学ばせることで、コンピュータがどう動いているのか、という仕組みを知ることができます。これからの時代を生きる上で、それを知ることは役立つスキルとなると考えています」
今回、カナダのトロントの留学先から東京にやってきたという海外留学中の優秀な柴田くんだが、それゆえにパパはひそかに苦労していることがあるという。
「彼は今、最新のプログラミングを勉強しているので、こちらの知らないプログラムの話が出て応えられないときがあります。親も勉強が必要かも」
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3.「バグで心が折れそうになったらいったん休憩するのがコツ」
宮城采生(みやぎ さい)くん(小学校五年生/10歳・京都府)
宮城くんは、「オシマル」というゲームを開発し、テックキッズグランプリ、つまり総合優勝を勝ち取った。いったいどんなゲームなのか?
「味方の動物ブロックを操って、敵の動物ブロックを押しのけて、敵陣のゴールを目指す押し相撲ゲームです。動物ブロックごとに重さやスピード、エネルギーが違うので、考える必要があります。同じ動物キャラの左右移動が連動。うまくいかないもどかしさで楽しむものです」
●普段の生活とプログラミングとの出会い
「プログラミングは、気が向いたときには朝から夕方までやります。コツコツやるタイプではありません。プログラミングをはじめたのは9歳です。プログラミングは、頭に浮かんだアイデアを、設計から全て自分で作り上げることができるのが楽しい。たまにわかんなくなっちゃうときもありますけど」
●プログラミングがまったくできない社会人へ向けたメッセージ
「バグで動かなくなったときが、心の折れるポイントだと思います。そんなときは、バグを潰すために集中しすぎるのではなく、一度、気分転換してリラックスすること。うまくいかないときは一旦休憩を挟むことが、プログラミングをうまくやるコツです」
この宮城くんのママに、どんな育て方をしてきたのか聞いてみた。
「ほうっておくとゲームばかりやっている子でした。ゲームが好きなのであればと、プログラミングをするように勧めたのがきっかけ。プログラミングを通してさまざまなことを学んでくれると思います。技術として身につけば、将来の役にも立ちますしね」
そんな優秀な宮城くんだが、ママはちょっと戸惑うときもあると言う。
「プログラミングをしているのか、休憩をしているのか、傍目にはよくわからないことが多いですね。ちゃんとプログラミングが動いているときは進捗でわかりますが、バグで困っているときはさっぱり。遊んでいるときも、プログラミングをしているときも、パソコンに向かっているだけなので、プログラミングをサボっているのか判断しづらいです。勉強でも一緒なのだけれども、教えたことができないとお互いにフラストレーションがたまってしまいます。それで機嫌が悪くなって衝突してしまうこともあり、苦労しています」
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今まさにプログラミングが習得できずに悩んでいる社会人、挫折しそうになっている社会人は、「諦めずにやり続ける」「文法を意識する」「バグが出たらいったん休憩」のアドバイスが参考になるかもしれない。
Tech Kids Grand Prix/決勝プレゼンテーション
(石原亜香利)
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