シェアしました。
MD49はJBL社のMarquis Dance Club Seriesのフルレンジシステムです。
サイズはH1524mmxW561mmxD657mmという大型スピーカー。 90°x50°のウェーブガイドホーン部は90°回転配置可能であり、横置きもできます。 クロスオーバーユニットが付属していないマルチアンプ用の4wayシステムであり、ユニット構成は以下の通りです。 Low 2265H 15inch woofers x2 Mid CMCD-82H mid-frequency driver High 2432H compression driver Super High ST400 super tweeters x2 2432Hは最近のJBLシステムに多く使用されている3インチ径チタンダイアフラムのコンプレッションドライバー。 CMCD-82Hは2169Hに製品番号338471-001というフェージングプラグを組合わせたもの。 ちなみにCMCD-81Hも2169Hに338471-001を組合わせており、82Hと81Hの差がなんであるのか理解していません。 CMCD-82HについてはAEシリーズのAM7200/95の、また81HについてはSRX738のテクニカルマニュアルをご参照ください。 想定されているクロスオーバー周波数は、270Hz、2.7kHz、10kHz。 フェーズプラグを備えているCMCDは2kHz以上のクロスを想定しているようです。 同じ2169Hを使用しても、フェーズプラグなしのダブルのMD2のような構成では1kHz程度になっています。 Highを受持つホーンが小さいと高域側をがんばらないといけないですし、 ダブルにすると許容入力は大きくなるものの、高域側が干渉により伸びないという事情もあるのでしょう。 下の画像のシステムはMD46です。 MD49の姉妹機であり、ウェーブガイドホーン部は60°x40°の指向性を持ちます。 ホーン部を見比べると異なる形状を確認できます。 90°の指向性を持つホーンと60°のホーンを比較した場合、受持ちエリアに均一の音圧を提供できるかという点からは90°ホーンの方が設計が難しいです。 また、JBLがこの帯域でコーン型を採用しているのは許容入力の確保という意味もあるとは思いますが、ダイレクトラジエターのコーン型ウーファーとの音質の整合性という点もあると思います。 Midホーンの低域側は軸上のレスポンスが徐々に低下しているような特性のホーンの方がこの目的には沿う。 そういうことを考えていると90°ホーンに興味をもってしまいます。
▲ by kiirojbl | 2011-09-29 17:49 | JBL System
2011年9月11日、新しいマーキス(マークゥィス)シリーズが発表されました。
機種は以下の通り。 MD1 ultrahigh-frequency module (2 x JBL Selenium ST400 super tweeters) MD2 horn-loaded 8-inch mid-high-frequency module (2 x 2169H Differential Drive® mid-frequency transducers and one 2453H-SL compression driver, 90-degree horizontal coverage and up 20-degree and down 30-degree vertical coverage MD3 horn-loaded low-frequency module (2 x 2265H Differential Drive lowfrequency transducers) MD46 4-way quad-amplified full-range system (2 x 2265H 15-inch woofers, CMCD- 82H mid-frequency driver, 2432H compression driver and two ST400 super tweeters; 60 x 40-degree coverage pattern) MD49 4-way quad-amplified full-range system (2 x 2265H 15-inch woofers, CMCD- 82H mid-frequency driver, 2432H compression driver and two ST400 super tweeters; 90 x 50-degree coverage pattern) MD52 2-way full-range system (12-inch 262H Differential Drive woofer, 2408H-1 compression driver operating into a 90 x 50-degree Progressive Transition™ horn) MD55 2-way full-range system (15-inch 265H Differential Drive woofer, 2408H-1 compression driver operating into a 90 x 50-degree Progressive Transition horn) MD7 subwoofer (2 x 18-inch 2269H Differential Drive subwoofers with four- inch, dual-voice-coil, dual-gap Vented Gap Cooling drivers) 上の画像のシステムは、ツィーター部のMD1、ミッド及びハイ部のMD2、ホーンローディドウーハー部のMD3(2台)、サブウーファー部のMD7(2台)を組合わせたものです。 巨大な5ウェイ。 想定されているクロスは80Hz、300Hz、1.2kHz、8kHz。 ツィーター部のMD1はJBL Selenium ST400を2つ用いたもの。 許容入力が200Wもあります。 ST400の解説はこちらを。 セレニウム社とJBL社の関係はこちらを。 オーディオマニアもブランド名に惑わされるうちはまだまだ半人前。 オーディオ雑誌の読みすぎで聴いて判断することを放棄しているのが多すぎる。 例えば、デジチャンの場合、同じ機能なのに何故ベリがダメで高価なdbxがいいんだい?とのたもうた米国のPAレンタル屋の親爺。 さらっとこういうことが言えないとこの先は難しい。 ミッド及びハイ部はMD2。 おぼえてるかな?Dance5と似たような構成です。 ミッド部のユニットは2169H、フェイズプラグなしでのダブルドライバー。 ハイ部は2453H-SLという新型コンプレッションドライバー。 1.5インチ径スナウトレススロート部、4インチ径ダイアフラム。 ただし、この2453H-SLのダイアフラムに関しては、ダンプド チタニウム ダイアフラム(damped titanium diaphragm)とか、ダンプド ラミネート ダイアフラム(damped laminate diaphragm)と説明されている。 樹脂フィルムをチタンダイアフラムにラミネートしたものではないだろうか。 MD3はディファレンシャルドライブの15インチコーン型ユニット、2265Hを2発備えています。 "horn-loaded"と記載されているだけなので、どのようなホーン形式なのか現在のところ不明。 なお、箱のサイズは1143x599.8x762.5mm、重さは76.2kg。 2265Hの画像を探してみたらここに掲載されていました。 サブウーファー部のMD7は2269Hをダブルで搭載。 最初、上の画像を見たときにはV字型バッフルだと思ったのですが、下の画像を見ると、2つの2269Hは平行面に向かい合わせに配置されているようです。 EV社のManifold Technologyと同じ考え方ですね。 パンフレットによるとこの構造は低歪率を目的にしたものだそうです。 2269Hについてはこちらを。
▲ by kiirojbl | 2011-09-20 22:01 | JBL System
JBL 5732 & 5742 (1)
JBL 5732 & 5742 (2) 5732と5742のレスポンスグラフは見事です。 デジタルチャンネルディバイダーとマルチアンプシステムによりこうした特性が確保されています。 5742の低域特性は18インチダブルなのでそれほど驚くべきものではないですが、15インチダブル(2226H×2)の5732の低域特性は素晴らしい。 この5732のウーファー部は5739という新しいシステムです。 5732 Frequency Range (-10 dB): 30 Hz – 20 kHz Frequency Response (±3 dB): 40 Hz – 19 kHz Sensitivity: 115 dB, 2.83V @ 1m (3.3 ft) Rated Maxium SPL: 128 dB SPL continuous @ 1m, 134 dB Peak 5742 Frequency Range (-10 dB): 25 Hz - 20 kHz Frequency Response (±3 dB): 30 Hz - 19 kHz Sensitivity: 115 dB, 2.83V @ 1m (3.3 ft) Maxium SPL: 136 dB SPL continuous @ 1m, 142 dB Peak ピークで142dBというのは本当に凄い! 2226H×2のウーファー部としては4648Aがあります。 4675C-8(4)LFに使用されている他、下の画像の5672にも使用されています。 下のレスポンスグラフは5672のもの。 低域特性は4648Aの特性となる訳ですが、5739という新しいウーファー部に比べるとかなり見劣りします。 箱のサイズは4648Aが991mm×648mm×451mm。 5739が883mm×762mm×450mm。 容積は5739の方がわずかに大きいのですが、その差でこれほど低域特性が異なるとは考えにくいです。 5739のダクトチューニングはデジタルチャンネルディバイダーでの補正を考慮して設計されているのかもしれません。 4つ目の5674はどうなのでしょう。 この2226Hを4発使用しているウーファー部は5644。 下のレスポンスグラフが5674のもの。 低音の迫力はあると思うのですが、最低域の特性はいまひとつです。 ダクト、デカすぎでしょう… う~む。 ちなみに5672や5674のホーン部の5674-M/HFは約3140ドル。 また、4675C-HFAは1200ドル程度。 2360Bのみなら約580ドル。 なお、5672は4400ドル、5674は5300ドル。 5674の国内価格は1本150万円以上だと思います。 名器揃いのJBLのシネマシステム、そのホーン部のみを購入し、ウーファー部を自作したり、ツィーターを加えたりと遊べます。 また、ウーファー部をのぞくホーン部のみならあまり重くないので送料はそんなにかからないように思います。 2192を輸入したときの送料は2本で11万円ぐらいでした。 USA-GETのようなヤマト便を使用する個人輸入代行業者であれば送料が安いです。 .
▲ by kiirojbl | 2010-06-17 16:09 | JBL System
JBL 5732 & 5742 (1)
JBL 5732 & 5742 (3) 5732-M/HFのお値段は約1600ドル。 5742-M/HFのお値段が約2200ドル。 どっちにしよう? 値段的にはそう変わらない。 2発は250Hz、4発は220Hzまで。 この差をどう考えるか。 うむむむむ 5732、現代のA5。 5732-M/HFは、Dance 5を連想させます。 Dance 5は、2452Hではなく2451H。 おそらく、ホーン部も再設計されているような気がします。 2169Hを見ていると、2250Hを思い出します。 2250Hはバスケットを覆うようなカバーを取り付けるようになっているのに、2169Hはバスケットとカバーが一体になっている。 何れも3インチ径ダブルボイスコイルの史上最強の20cmですが、性格はかなり異なるように思います。 5732-M/HFのサイズは、1054x762x450mm。 A5やA7の箱である828が1067x762x610mmですから2発と言えども結構大きいです。 5742-M/HFのサイズは、1544x762x450mm。 巨大なのに奥行きが浅いのがいい。 そして2169Hが4発。 2発ずつの独立制御がおマニア心をくすぐります。 うむむむむ 220Hzクロスにより、18インチダブルとのクロスが可能。 SRX738のように18インチをウーファーに使用。 SRX738は、2169HにフェイズプラグがついたCMCD。 2431Hは素晴らしいし、やはり名器だ。 4348が生産中止となったが、このSRX738があるのでまったく問題がない。 5742の横置き。 幅は約150cm、奥行きは約60cm。 見た目のまとまりがあって、なかなかカッコいいです。 サブウーファーを足す必要もない。 ツィーターを加えるだけ。 これで4000ドル以下。 自作が馬鹿馬鹿しくなります。 黄色いホーンシステムの10インチと18インチのバスレフ箱のダクトを塞ぐための板。 10mm厚と5mm厚のアクリル板の間に黄色い画用紙を挟み込んであります。 四隅のスコッチテープは、箱にネジ止めした後にはがします。 ダクト内部にはクッション用の60mm厚のスポンジを詰め込みました。 黄色いホーンシステムは、50Hz以下が24インチ、50Hzから111Hzが18インチ、111Hzから296Hzが10インチという帯域分割になっています。 WinISDによると10インチ密閉の111Hzと296Hzのレスポンス差は4dB~5dB。 18インチ密閉の50Hzと111Hzのレスポンス差は3dB~4dB。 緑がバスレフ、黄色が密閉です。 DCX2496の帯域別のEQを使用して補正。 高BL値のスピーカーユニットについてのキール氏の論文の中の猛烈なレスポンスグラフが印象に残っていたのでEQ補正を試してみました。 10インチの場合、80Hz、+3dB~+5dB、Q1.0~2.0などで低域側の補正カーブを作成。 さらに、330Hz、-0.5dB~-1.5dB、Q0.8~1.3などの高域側の補正カーブを組み合わせる。 この2つのEQの設定値は、SH-D1000のEQCDのソフトでシミュレーションしました。 18インチも同様の考え方で低域側と高域側の2つのEQを組み合わせた。 理論的には低域側をブーストする補正カーブだけで十分なはずですが、これだけだとコントロールが難しい。 低域側のブーストにより高域側のレスポンスもやや上昇してしまうから。 この場合、その帯域全体のレベルをカットすると、今度は低域側のブースト量までもカットされてしまう。 そこで高域側をカットする補正カーブを組み合わせると、低域側と高域側を独立して制御できるようになり、非常にコントローラブルになりました。 この2つのEQによるコントロールは理屈としては当たり前です。 しかし、実際に低音や中低音の姿を思ったとおりに変更できるのはかなりショッキングな出来事でした。 密閉化によって質感は向上したものの細くなってしまった低音が生気を取り戻し見違えるようにパワフルに鳴りだすと、にわかには信じがたい気持ちになりました。 これを他の手段で実現しようとするならばスピーカーユニットや箱の交換が必要になると思います。 密閉化に伴って低域側の失われたレスポンスを取り戻すことができ、さらに、その量感を精密に制御できるようになりました。 ダクトからの音が消え低音のあいまいさがなくなったためにEQの利き具合の判断がしやすい。 また、10インチの高域側のみをコントロールできるため、低域側の量感と切り離して中域との整合を容易に図れます。 密閉箱の特性がどの程度おだやかならば(フラットならば)、この方法が有効になるのかは分かりません。 ちなみに、10インチの密閉箱としてのQ値は約0.48、18インチのは約0.55です。 いずれも標準箱(Q値0.7)に比べると2倍から3倍の容積。 低域側のレスポンス低下が少ない大型の密閉箱ほど有利になることは確かだと思います。 .
▲ by kiirojbl | 2010-06-07 18:41 | JBL System
JBL 5732 & 5742 (2)
JBL 5732 & 5742 (3) 2010年3月16日に発表されたJBLの新しいシネマシステム。 従来のスクリーンアレイシリーズの上位シリーズになり5000番台の型番が与えられています。 構成機種は3ウェイの5732と4ウェイの5742の2機種。 5732(上の画像)は15インチ(2226HPL)をダブルで搭載。 なお、HPLの"PL"はProtector Lessの略であり、磁気回路の磁石の周囲を覆うカバーを備えていない。 ミッドは8インチCMCDに採用されている2169H。 いわずと知れたネオジムディファレンシャルドライブの3インチ径ボイスコイルを搭載した化け物ユニット。 ハイは4インチチタンダイアフラムの2452H-SL。 2451Hの高域特性を改善し19kHzまで±3dBという特性を持つ。 クロスは250Hzと1.3kHz。 2169Hによるミッドの許容入力が700Wと強化されており、このシリーズをしてJBLがHigh Powered Screen Arraysと呼んでいる理由が分かる。 また、JBLの2226Hに対する信頼は厚く、2010年のこの新製品にも採用するほどだ。 2226Hには、他に4ΩのGタイプと16ΩタイプのJタイプがあるが、3機種ともにパラメータが厳密に一致しているところが凄い。 2226というシリーズ全体として金がかかっている。 5742(上の画像)は18インチ(2242HPL)をダブルで搭載。 この2242Hと箱の組み合わせは5749と呼ばれている。 サブウーファー用として開発されたものか。 ミッドは、2169Hを4発使用しているが、これはミッドローとミッドハイの2つのレンジに分けられている。 すなわち、下方の2発の2169Hがミッドローであり、上方の2発がミッドハイである。 ミッドローとミッドハイのクロスは550Hzと表示されているが、実際にはスタガードライブのような態様である。 下の画像は米国特許7027605号のもの。 506Lがミッドロー、504Uがミッドハイ、502Cがミッドローとミッドハイの合成特性。 このシステムの場合には、デジタルチャンネルディバイダーで制御されるため、この米国特許に掲載されているようなネットワークは搭載していないと思われる。 なお、この手のネットワークをどうしても作りたいのであれば4732に似たようなのが搭載されている。 ハイは2452H-SL。 クロスは220Hz、550Hz、1.3kHz。 この5742はサブウーファーを組み合わせるのだろうか。 もしかしたら21インチをJBLが開発中とか。 また、デジチャンの設定値を知りたい。 ミッドのスタガー風クロスのテクニックを学びたい。 上の画像、2452H-SLじゃなくて、2432Hが搭載されているような。 それにしても、またもや悩ましいミッド部の登場。 5742-M/HFのお値段が気になるなぁ。 ランシングヘリテッジから。 廃物利用というか隙間家具? 密閉の方が似合うような。 本物を半分にしなくてもDIYで作れそうだね。 21インチウーファーやMR94と組み合わせるとこんな具合。 210のホーン開口高さは150cm 、ホーン長は75cm、横幅を半分にするとホーン幅は40cmもあればいいのでサブロクで作りやすい。 米松合板ならDIY店で格安で入手できる。 おそらく1万円もかからないのでは。 奥行きが足りない場合は、ユニットのお尻とぶつからないように、背板の取り付け方や形状(磁気回路とぶつからないような逃げを作る等)を工夫すればいい。 ホーン開口高さを160cmにして、21インチのダクトスペースとのバランスをとってみた。 役割としてはミッドローなのでホーン長は短めにして奥行きをやや浅くしてもいいね。 補強は少なめにして箱鳴りを楽しみたい。 MR94のドライバーはBMSの4594NDを使用し4ウェイにしたい。 同軸ドライバーなので外観がうるさくならないし、300Hzから使える。 片目っていうのもなかなかカッコいいな。 21インチダブルにしてみた。 迫力ありそうだけど工夫がなくてつまんないな。 V字型バッフルはどうか。 う~ん。 .
▲ by kiirojbl | 2010-03-26 22:29 | JBL System
以前、ちょっとご紹介した新しいスクリーンアレイシリーズ。
新しく導入されたドライバーは3インチチタンダイアフラムの2432H。 これでJBLの3インチドライバーは、2431H(アルミ)、2432H(チタン)、2435H(ベリリウム)の3機種になりました。 うれしいなぁ。 旧型と新型をそれぞれ比較しますと・・・ 3722/3722N(上の画像の右端の2ウェイ) ユニット構成は、M115-8A×2、2374+2418H-1。 3722はネットワークなし。3722Nはネットワーク付。 3722の旧型は3622Nです。 3722と3622Nのユニット構成は同じ。 マイナーチェンジですね。 4722/4722N(上の画像の左端の2ウェイ) ユニット構成は、265H-2×2、2384+2432H。 ウーファーユニットの265Hについてはこちらを。 ちなみに2432Hは260ドル、2384は113ドルと安いです。 2384は、指向性は90°×50°、1.5インチスロートの第2世代のオプティマイズドアパチャーのウェーブガイドホーン。 幅30インチ、高さ15インチとかなり大きい。 魅力的だなぁ。 買っちゃおうかなぁ・・・ 4722の旧型は4622(N)です。 ユニット構成は、2035H-1×2、2384+2430H。 ウーファーユニットとドライバーがどちらも新しくなりました。 3731/3731-T(上の画像の右から2番目の3ウェイ) ユニット構成は、2226H、165H×2、2432H。 3731はバイアンプ、3731-Tはトライアンプ用。 3731の旧型は3631(T)です。 ユニット構成は、ウーファーとミッドは同じですが、ドライバーが2418Hでした。 3732/3732-T(上の画像の中央の3ウェイ) ユニット構成は、M115H-8A×2、165H×2、2432H。 ウーファーユニットのグレードがこのクラスには合っていないような。 3732の旧型は3632(T)です。 これもウーファーとミッドは同じですが、ドライバーが2418H-1でした。 4732/4732-T(上の画像の左から2番目の3ウェイ) ユニット構成は、265H-2×2、165H×4、2432H。 4732の旧型は4632(T)です。 ミッドは同じですが、ウーファーが2035H-1、ドライバーが2425HSでした。 上の画像は3731です。 以前のモデルの3631の時は、2418Hがちょっと残念な感じで興味が無かったのですが、3731になってからはキラ星の1つになりました。 単にコンプレッションドライバーが変更されただけではございません。 テクニカルマニュアルを比べてみると… 上が3631(3632-M/HF)、下が3731(3732-M/HF)の画像です。 ホーン部分が完全に再設計されていることが分かります。 ドライバーであるコーン型ユニットの165Hを変更しなかったところをみると、JBLはこの165Hをかなり気に入っているのでしょう。 3731は、生産中止になってしまった5671と似ています。 5671はとても好きでした。 でも、5671より高域のホーンがでかい3731の方がいいなぁ。 大きなホーンのおかげで3731のミッドとハイのクロスは1.2kHz(5671のクロスは2.3kHz)。 さらに、5kHzあたりで切って2407Hや2408Hのツィーター用ドライバーとクロスさせる発展性もありますよね。 3731は、ALTECのA5と幅が同じで高さは13cm高いという立派な大型スピーカー。 しかし、シングルウーファーだから箱の高さが低く、また、奥行きはたったの45cm。 このため、6畳の部屋に入れても圧迫感がないのではないか、と思っています。 もちろん、最新のホーンを搭載していますから、至近距離で聴いても何ら不都合はございません。 ウーファーとミッドホーンのクロスが350Hzという本格的な3ウェイシステム。 購入する事はないとは思うのですが、SRX738とそんなに変わらないお値段だと思うので、どちらにするか迷ってます? いつも読んでいただきありがとうございます。 資料室は夏休みをいただきます。 素晴らしい夏休みでありますように。 昨夜、ヤフオクで落札。 どきどきしました。 SL-1700。 先日、引越しのため倉庫を片付けていると、SAECのWE-308Lが出てきました。 箱入り、新品のように綺麗。 5ピンのケーブルは入ってなかったけど、2つカートリッジが入っていました。 4000DⅢと購入した覚えのないオーディオテクニカのMC型。 記憶はどこかに溶け込んでしまったようです。 残念ながらレコードもTT-71も出てこなかった。 それから時々箱から出してアームを眺めているうちに、レコードが聴きたくなって… 昨夜、ヤフオクに初めて参加。 今日は神保町のディスクユニオンに行ってとりあえず5枚、レコードを買ってみました。 SL-1700の音出し。 SONYのTA-F222ESJのフォノイコを使用しREC OUTからDCX2496へ。 DCX2496の入力レベルは+12dB。 2700円のプレーヤーに105円のLPを乗っける。 白ホーンシステムから予期せぬアナログサウンド。 このプレーヤーと付属のカートリッジ(EPC-270C/楕円針)でコレだけの音が出るなら…と思ってしまいました。 それにしてもオートリターンって楽だなぁ。 今度は4000DⅢ。 ベリリウム銅3点支持のSAECのシェルに取り付けられている。 シェルの指かけが切断されており、カートリッジからのリード線は接着剤で固められている。 こんなことしたの誰? 2、3枚聴いてから、プラッターやダストカバーを取り外しお掃除。 かなり綺麗になった。 レコードの水洗いは、中袋を買ってからにしようっと。 20枚ぐらいになった。 中古レコード、安い。 カートリッジを調達しようかな。 しかし、昔とは違う付き合い方をしたいね。 "DIY turntable"で検索すると、最初に出てくるのがこのページ。 ショベルヘッドの吸気バルブとバルブガイドが軸受けだって。 なるほど、これはバルブの摺り合わせをやったことがある奴しか気付かない。 最初に製作したアームだそうです。 制作費は約5ドル、一日でできちゃうそうです。 軸受けのニードルは、古い編み機用。 ニードルの出し入れでアームの高さ調整。 木片のカウンターウェイトの後部に取り付けられている微調整用ウェイトとしてのボルトナット。 また、カウンターウェイトの側部にはラテラルバランス用のボルト。 これで簡単にバランスがとれるとのこと。 面白いのは引出し線をカウンターウェイト側に偏在させ、これでアンチスケーティングの効果を発揮。 ニードルを保持している土台をより強固にするため、古いスピーカーユニット(ポールピース?)を利用したそうです。 音は木という材質を反映して非常にナチュラルだそうです。 構造を把握していれば、アームの自作は非常に簡単に思えます。 机の上の小手先の作業で組み上げられるので、時間をかけて様々なタイプを作ってみたい。 グレースのG-704や714のようにセンス良く仕上げてみたいね。 超ロングアームよりも、こちらの方が工作が楽しめそうだなぁ。 エアベアリングによるリニアトラッキングアーム。 くの字型アングル材を使用するタイプです。 可動部にエアを供給するタイプ。 こちらは非常にシンプル。 組み合わせた精密ベアリングで支持。 パッシブタイプのリニアトラッキング。 決まった方法は確立されていないといううれしい状況。 これは資料を沢山集められそうですね。 今晩、ターンテーブルを落札。 パイオニアのPL-30L、アームなし。 オールメタルの雰囲気で仕上げたいね。 多連フェーダーのようにアルミサイコロを使おう。 一方のアルミ板を延長して、WE-308Lを取り付けると。 デザインだけなら至極簡単。 エアベアリングの実験、モーターの基板類を収める箱、エア供給の静音箱。 色々こしらえないといけない。 モタモタ病なので、これは時間がかかりそうです。 PL-30Lが届きました。 電磁ブレーキ付き。 試してみると両方向サーボのような気がします。 プラッターは3つの小ネジで取り付けられており、これを外すと… ありゃりゃ、モーターは底部で支持されている。 回りの輪っかは完全に飾りだね。 う~む、デザイン案は変更しないとダメかも。 今日はSL-1700の直出しフォノケーブルを交換。 こんなんで音が良くなるのがアナログ。 とても楽しいです。 TA-F222ESJにMC/MM切替えスイッチがあることを発見。 ゲイン稼ぐだけのタイプだと思います。 早速オーディオテクニカのMC型をSL-1700に取付けて… …愕然。 れれれれレコードって、ここここんなに良かったっけ? カートリッジをシェルから外すと、シェル側の面にAT32という型番のシール。 MC型 針圧1.2~1.8g 負荷抵抗17Ω 楕円 6.8g 1979年発売 デュアルムービングコイル採用、だそうです。 こんな記事を読むと、なるほどと思いました。 思い出してきました。 ビクターのU-1Eというシェル一体型のカートリッジを4000DⅢの次に購入。 このカートリッジとCA-F1の組み合わせが気に入っていたけれど、残念ながらカンチレバーを折ってしまう。 そこで針を買う代わりにAT32を購入し、CA-F1のMCヘッドアンプを生かそうと、そんなことだったような。 Victor U-1E 定価:19,500円 形式:MM型カートリッジ 出力電圧:3mV(1kHz、5cm/s) 再生周波数:10Hz~40kHz クロストーク:25dB (1kHz) コンプライアンス:12×10‐6cm/dyne 針圧:1.5±0.2g 負荷:47~100kΩ 使用針:0.1mm角ブロックダイヤモンド楕円針(0.3×0.7mil) カンチレバー:ジュラルミン・テーパードパイプ、表面チタン・ナイトライド処理 オーバーハング調整範囲:針先からカートリッジ取付面まで46~52mm 自重:22g これを読んでいると、やはり長岡鉄男氏の方ばかり見ていたんだと思います。 PL-30Lのプラッターの上に約17.5インチのアルミ板、さらにその上に12インチ弱の非磁性体のステンレス板。 テストドライブ、起動、電磁ブレーキに異常なし。 うしし。 ステンレス板は硬い。 ドリルで穴を開けるのが大変でした。 それとも、ドリル刃がダメになっているだけなのかなぁ… でも、苦労した甲斐があり、センターがばっちり出ています。 エアベアリングは頓挫。 1000円以下の安物の金魚用エアポンプを持っているので試してみた。 空気圧が全然足りない。 どうも、かなり大型の高価なエアポンプが必要だと思う。 現在、ベアリングで何とかならんものかと検討中。 リニアブッシュと呼ばれている直線運動用のベアリングがある。 内径10mmで重さ30g。 これで滑りが良ければ… リニアブッシュは回転運動をするのだろうか? LMストロークという製品もあり、なんだか良く分からない。 もっと調べてみよう。 …調べてみても良く分からないので、リニアブッシュとリニアシャフトというものを買ってみることにした。 大抵、こういうのは無駄になるのだが、勉強にはなる。 今回はアクリル加工にも挑戦してみたいのでホールソーも購入してみた。 DIYはお金をかけてはいけません。 端材を生かしてなんとか組み立てよう。 アルミ円柱の脚部は直径70mm×高さ32mmとなかなか贅沢。 アクリル板は10mm厚を重ねて使用するつもり。 鬼も笑っちゃう完成予想図。 ハウリングマージンなんて考えてないもん。 ブルーのLEDを照明に使って妖艶な雰囲気をとか、そんなことばかり頭に浮かびます。 .
▲ by kiirojbl | 2009-07-06 22:29 | JBL System
三次元的な音圧分布を考慮して開発されたシステムがJBL社の4660です。
この特徴的なホーン部分の発明者は、定指向性ホーンの生みの親であるドン キール ジュニア氏です。 テクニカルマニュアルは、こちら(4660)とこちら(4660A)。 キール氏の特許というと、定指向性ホーンの原理を確立した米国特許4,701,112号です。 この特許の出願日は1975年9月30日。 その後、EV社からJBL社に移籍し、バイラジアルホーンの米国特許4,308,932号を取得します。 特許出願日は1980年5月6日。 なお、ALTEC社のマンタレイホーンの特許は、1978年12月8日に出願されています。 このような指向性制御技術は、この4660により、さらに次の段階に進むことになります。 以下、キール氏の米国特許4580655号やAESで発表した論文の内容をざっとご説明します。 例によって大誤訳&大誤解の可能性がありますが、単なるカタログ男のMR.Sound Only氏に正確な説明なんか到底無理なので笑って許してね。 一般的な定指向性ホーンは周波数帯域により指向性が変動しにくいという特徴を持っていますが、そのホーンの開口部から広がっていく波面(wavefront)の形状は球形です。 このため、1つのスピーカーで客席エリアをカバーしようとすると、スピーカーに近い客席では大音量となる一方、遠い客席では音量が不足する。 そこで、キール氏は客席エリアに均一の音量を提供できる定指向性ホーンを開発することにしたそうです。 上の斜視図はキール氏のAES論文に掲載されていたものです。 スピーカー(4660のホーン部分である2346+2425J)は、長方形状に分布する客席エリア前方側の天井に取り付けられています。 そこから斜め下方に音を放射します。 床面からスピーカーまでの高さをHとすると、客席エリアの幅は2H、客席エリアの奥行き方向の長さは2.75Hになることが示されています。 普通のスピーカーなら、スピーカー直下の客席ではうるさくなり、遠くの客席では音が小さくて聞き取りにくいということになってしまいます。 4660は、幅2H、奥行き2.75Hの客席エリア内のどこでも同じ音量で聴こえるそうです。 FIG.2B(図2Bのことです)は横方向から見た説明図であり、客席の前後方向の分布が符号30で示されています。 図2Aは、天井の上空から見下ろした説明図です。 最初に垂直方向の指向性の説明から。 ホーンは角度28の垂直指向性(図2B)を持っており、この角度は客席エリアの前後長30に対応します。 この垂直指向性は図3に示されている2つの対向する壁面40の相対角度22(図3では50°と表示されていますね)により決定されます。 なお、その下流に位置する2つの対向する壁面42(図3)は、図1に示す16、18の部分であり、定指向性ホーン特有の急激に広がる部分です。 次は水平方向の指向性。 図2Aは、客席エリアの前方と後方では必要とされる水平方向の指向性の角度が異なることを示しています。 客席エリアの前方では、角度32という比較的広いの水平方向の指向性が必要であり、一方、客席エリアの後方では、角度34という比較的狭い水平方向の指向性が必要となります。 図4は、ホーンの水平方向の断面図。 対向しているスロート壁面58によって間隙50が形成されています。 この隙間50の開放口22の側方には左右壁面20があり、開放口22から急激に広がっています。 このため、開放口22から放射される音波は、左右方向へ効率的に分散されます。 なお、間隙50の幅寸法は、そのホーンが用いられる最も短い波長と同等かさらに短い寸法なのだそうです。 図4の右側には、左右側面20が様々な角度で広がっていることが説明されています。 最も広い角度32に対応する左右側面20の広がり方から、最も狭い角度34に対応する左右側面20の広がり方まで、左右側面20の広がり方は連続的に変化します。 図1の側壁59や側壁61の領域については、上述したような左右側壁20の広がり方をしていません。 これは、図3における44と46の間の垂直方向の角度からは外れているためです。 しかし、図3に示す壁面42(図1に示す16、18の部分)は、44と46の間の垂直方向の角度から離れているため、図1に示す側壁59と側壁61に相当する部分に隙間を生じてしまいます。 この図面で示しているホーン10という具体例では、そうした隙間を側壁59と側壁61により封鎖したため、非常に個性的な外観を呈しています。 上のレスポンスグラフは、0°から70°までの10°毎の垂直方向の音圧レベル(ホーンから等距離における)を示したものです。 (この垂直方向の角度は下の図面に表示されています。) このグラフからは40°、50°、60°の音圧が高いことが分かります。 このため、スピーカーに近い客席方向への音圧は低く、一方、スピーカーから遠い客席に提供される音圧は高くなります。 上の(a)から(h)のグラフは、(a)0°、(b)10°、(c)20°、(d)30°、(e)40°、(f)50°、(g)60°、(h)70°の垂直方向の各角度における水平方向の音圧レベルの計測結果です。 上の斜視図によると、(a)のグラフ(垂直指向性が0°)では90°という広い水平指向性が必要です。 一方、(h)のグラフ(垂直指向性が70°)では37.7°という狭い水平指向性が必要となります。 (a)から(h)へ、順に水平方向の指向性が狭くなっていることが分かります。 という訳で、4660はたった1台で客席エリアのどの位置においても略均一の音量と周波数特性を確保するという恐るべきスピーカーシステムなのです。 キール氏は、スピーカーという技術分野において、ランシング氏に並ぶ天才ではなかろうかと思っています。 そして、4660のホーン部分がエベレストDD55000の開発のきっかけとなったたのはご存知の通り。 4660のホーンである2346と略同一と思われる2346-1ホーンの性能がどの程度のものか聴いてみたいものです。 このエベレストの素敵な点は、2346ホーンという業務用の当時の最新ホーンを家庭用として流用した点にあります。 自作スピーカーに業務用ユニットを導入するのと同じやり方です。 そして、4660の本来の目的や使い方とは全く異なり、ステレオの有効な音場エリアを拡張するという新しい目的や使い方を示している点が本当に素晴らしい。 こういうシステムが自作派のお手本になるシステムなのです。 2346ホーンの他の画像はこちらを。 .
▲ by kiirojbl | 2009-06-12 16:06 | JBL System
マイナーチェンジだそうです。
ウーファーはディファレンシャルドライブタイプに、また、ようやく新しいコンプレッションドライバーを装備しました。 3インチチタンダイアフラム、ネオジウム磁気回路搭載。 これは、2431H(アルミ)、2435H(ベリリウム)の仲間かしら。 3機種揃えて聴き比べ、贅沢だろうなぁ。 .
▲ by kiirojbl | 2009-01-23 23:35 | JBL System
「こんな具合に語ることがないDD66000」について。
このスピーカーシステム、市場調査を気にしすぎている悲しい製品だと思っています。 15インチダブルウーファー、アルニコ磁気回路、4インチボイスコイル、大型ホーン… この組み合わせに絶大な人気があるのは理解できるものの、この先のオーディオに対する提案が一切ない。 これがJBL社のフラッグシップとして登場したとき、暗澹たる気持ちになりました。 ウーファーユニットにショートボイスコイル、アルニコ磁気回路を搭載したことは一応評価できます。 しかし、アルニコ磁気回路が本当に優れているのなら、コンプレッションドライバーにも同様の磁気回路を搭載すべきでしょう。 アルニコではスナウトレスにすることができない、あるいは、スナウトレスのコンプレッションドライバーをアルニコで再設計するのは開発コストがかかりすぎる、そうした事情ではあるとは思いますが、これではアルニコの復活とはとても言えません。 さらに、アルニコ磁気回路の大電流時における減磁については、ショートリングを多層構造にすることにより回避しているとしていますが、類似する構成は大昔のSONY社のユニットでも見ることができます。 一方、アルニコ磁石の経年に伴う減磁という問題については、パンフレットでは一切触れていない。 アジアのユーザーに対して、誠実な態度で製品を販売するつもりがあるのでしょうか? 大型ホーンも見てくれだけで、ホーン長が足らず、たかだか700Hzクロスの定指向性ホーン。 また、この短いホーンは上下の鋭いホーン端において強烈な回折とホーン内部への反射を生じます。 何故、こんな分かりきったことをするのでしょうか? デザインのため? しかし、箱のデザインも感心できません。 無機的なロボット顔は好みの問題としても、箱の背面の曲面構成は定在波の防止以外にメリットがなく、それに、定在波の防止だけなら、こんなことをしなくても十分可能です。 この箱のデザインは、パラゴンに見られる音響的な効果と装飾デザインとの見事な融合が感じられず、単に奇を衒っただけという最近のハイエンドスピーカー並みのシロート臭さを感じます。 DD66000が失敗作であると言っているのではなく、今後もこうした製品をJBL社が作り続けなければならないという状況を恐れています。 古いものだけがいい音を出すことができるというユーザーの意識。 製品に対して礼賛すれども無批判なオーディオ評論家。(「評論家」ではなく「取巻き」) これではJBL社も斬新なユニットやシステム構成に挑戦しなくなるでしょう。 こうしたことがJBL社の創造性の豊かな製品開発能力を徐々にダメにしていっているのではないかと危惧しています。 .
▲ by kiirojbl | 2008-12-19 17:25 | JBL System
|
0 件のコメント:
コメントを投稿