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2020年5月13日水曜日

日本企業にも「オープンソースプログラムオフィス」が必要、「企業のためのオープンソースガイド」が公開

https://www.atmarkit.co.jp/ait/spv/1910/07/news083.html

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Linux Foundationの日本支部、Linux Foundation Japanが、「企業のためのオープンソースガイド」をWebで公開した。日本でも、テクノロジー企業、一般企業を問わず、OSSの利用を組織として管理し、戦略的に考える必要性が生まれているという。

 オープンソースソフトウェア(OSS)の統括・推進団体であるLinux Foundationの日本支部、Linux Foundation Japanが、約1年がかりで翻訳を進めてきた「Open Source Guide for Enterprises」の日本語版、「企業のためのオープンソースガイド」をWebで公開した。
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企業のためのオープンソースガイド
 これは、一般企業におけるOSSの活用・推進に関する指針やベストプラクティスを、多角的に提示したもの。Linux Foundation日本担当バイスプレジデントの福安徳晃氏は、次のように話す。
 「テクノロジー企業、一般企業を問わず、多くの企業の現場でOSSが利用されている。現場任せではなく、組織全体としての利用管理を進めるべき段階に来ている企業は、日本でも増えている。また、例えば自動車メーカーに見られるように、事業戦略の一環として、社内で開発したソフトウェアをOSS化して推進したり、既存プロジェクトにコントリビューションしたりすることも増えている。このガイドを活用し、組織としてのOSS活動を戦略化してほしい」
 Open Source Guide for Enterprisesは、TODOというグループによるもの。TODOは、FacebookやTwitterなどのテクノロジー企業や、Capital Oneのようなソフトウェア開発に力を入れる一般企業が参加する団体。日本企業ではトヨタも加入している。OSSの利用が進むにつれて課題化してきた全社的な一元管理や戦略の策定・遂行のために、担当部署として「オープンソースプログラムオフィス」を設置し、運用してきた企業が、その活動内容についての経験を持ち寄り、共有してきた。こうした取り組みの過程で蓄積された知見をまとめたのが、同ガイドという。
 新ガイドはOSSを利用・推進するあらゆる企業を対象に、経験から来るベストプラクティスやノウハウを掲載している。内容は、多くの企業がOSS利用で最初の課題と感じると思われるライセンス/コピーライトの一元管理から、開発者の採用に関するヒント、OSS活動を対象とした費用対効果の測定方法など、多岐にわたる。
 ガイドは12のトピックで構成されている。具体的には「オープンソースプログラムの作成」「オープンソース管理ツール」「オープンソースプログラムの成功度を測る」「オープンソースデベロッパーの採用」「オープンソースコミュニティへの参加」「オープンソースコードの使用」「オープンソースプロジェクトを立ち上げる」「オープンソース開発の効果を高める」「オープンソースガイド推奨図書」「オープンソースプロジェクトを終了させる」「オープンソースコミュニティでリーダーシップを構築する」「オープンソース戦略の策定」。
 上記でいう「オープンソースプログラム」とは、「オープンソースのコンピュータプログラム」ではない。「OSSの利用および推進を、組織として体系化する取り組み」という意味だ。OSSを組織として体系的に考え、行動していくためには、「オープンソースプログラムオフィス」、あるいはこの役割を実質的に果たす部署を設置し、何をすべきかを考えることが出発点だというところから、ガイドは「オープンソースプログラムの作成」から始まっている。
 「OSSのマネジメントには、通常とは異なるスキルが求められる。このガイドを通じ、必要なスキルが何なのか、社内にこのスキルがあるのかないのか、なければどうすべきか、といったことが分かる」(福安氏)
 このガイドで足りない情報については、TODOグループに参加する、Linux Foundationが主催する国内外のイベントで、関連セッションを聴講するなどしてほしいと、福安氏は話している。

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