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今年の7月にAMD社から第3世代Ryzenが発売されたわけですが、そんな中で第4世代Ryzen CPUのアーキテクチャ「Zen3」についての情報も出てきています。
この記事では、その中でも特に注目される「PCI-e 5.0」「DDR5」対応するのか問題について触れていきたいと思います。なお、こちらの記事をまだご覧になっていない方はぜひご覧ください。
第四世代Ryzenのアーキテクチャ「Zen3」の情報
また、DDR5メモリについては以下の記事をご覧ください
PCI-e 5.0とはなんなのか?
まず最初に、PCI-e 5.0とはなんなのかについて解説していきます。
そもそもPCI-eとは、PCI-expressの略で、プロセッサと様々な周辺機器とを繋ぐためのバスアーキテクチャです。5.0という数字はリビジョンを表していて、1.0は1991年に策定されました。
よく使われるのが、グラフィックボードを取り付けるときですね。グラフィックボードというのは基本的にPCI-eのx16スロットに取り付けます。なので、PCI-eの新技術というのはグラフィックボードの性能にも影響してくるということです。
最近ではPCI-eに直接繋ぐ、NVMe M.2 SSDも増えてきているので、このSSDへも深い影響を及ぼします。
さて、現在もっとも使われている「PCIe 3.0」から5.0までの比較表を見て見ましょう。
各世代・各レーン数におけるデータリンク層転送帯域(双方向/一方向)[GB/s]
x1 | x8 | x16 | |
---|---|---|---|
Gen1 | 0.5/0.25 | 4.0/2.0 | 8.0/4.0 |
Gen2 | 1.0/0.5 | 8.0/4.0 | 16.0/8.0 |
Gen3 | 1.969/0.9846 | 15.75/7.877 | 31.51/15.75 |
Gen4 | 3.938/1.969 | 31.51/15.75 | 63.02/31.51 |
Gen5 | 7.877/3.938 | 63.02/31.51 | 126.0/63.02 |
転送速度としては以上のようになっています。
グラフィックボードに使われる「x16」スロットについては1.0から世代を重ねるごとに2倍速になっています。
そして4.0から5.0への変化でも二倍になり、まさかの1秒間に100GB越えの転送レートを保有しています。
つまりは簡単に説明すると、
4.0の2倍の速度に、3.0の4倍の速度に…
といった感じです。
そして、この5.0については2019年の5月29日に策定が完了しました。
でもまだ実用には至っていないという状況です。
というのも、4.0の策定完了は2017年の10月だったのですが、結局AMDのRyzen 3世代によって実用されたのは最近のことです。
おそらくこのPCIe 5.0をいち早く導入するのもAMDのRyzen CPUであると予想されますが、4.0の例から考えるに実用まで少なくとも1年半はかかりそうです。
そしてRyzen 4世代が登場するのは2020年の半ばだとされています。つまりは、策定された2019年の5月29日からおよそ1年しか経たないわけです。策定が完了したということでもうすでに導入する準備はできつつあるということですが、やはりそれを製品に実用化するのは難しいこと。
それに、PCI-e 4.0が最近登場したばかりで、もはや5.0というリビジョンがあっても意味がに状況なので優先的には導入されないかと思われます。
DDR5とはなんなのか?
そして次に話題に上がってくるのがDDR5問題です。
現在主流になっている「DDR4」メモリは2014年から運用を開始しました。
DDR4の仕様としては
チップ規格 | モジュール 規格 | メモリクロック (MHz) | バスクロック (MHz) | 転送速度 (GB/秒) |
---|---|---|---|---|
DDR4-1600 | PC4-12800 | 100 | 800 | 12.8 |
DDR4-1866 | PC4-14900 | 116 | 933 | 14.9 |
DDR4-2133 | PC4-17000 | 133 | 1066 | 17.0 |
DDR4-2400 | PC4-19200 | 150 | 1200 | 19.2 |
DDR4-2666 | PC4-21333 | 166 | 1333 | 21.3 |
DDR4-2800 | PC4-22400 | 175 | 1400 | 22.4 |
DDR4-2933 | PC4-23466 | 183 | 1466 | 23.4 |
DDR4-3000 | PC4-24000 | 188 | 1500 | 24.0 |
DDR4-3200 | PC4-25600 | 200 | 1600 | 25.6 |
DDR4-3400 | PC4-27200 | 213 | 1700 | 27.2 |
DDR4-3600 | PC4-28800 | 226 | 1800 | 28.8 |
DDR4-4000 | PC4-32000 | 250 | 2000 | 32.0 |
DDR4-4266 | PC4-34100 | 266 | 2133 | 34.1 |
引用:Wikipedia
このようになっています。
んで、DDR5とDDR4はどう違いがあるのかというと、
帯域幅が違います。
帯域幅というのは簡単に言えばデータ転送における通路の幅みたいなもので、広い方が飽和しにくく、結果的にデータ転送が効率的にできるようになります。
そして、DDR4-3200とDDR5-3200を比較するとDDR5の方がおよそ1.36倍帯域幅が広くなっていて、同じクロック上でもパフォーマンスが上がっていることがわかります。
製造プロセスについても、およそ10nm程度で作られる予定で、その製造工場も2019年の後半には整備完了するそうです。そして、DDR5では4800MHzのものも製造され、DDR4-3200と比べるとおよそ2倍の帯域幅になります。
DDRメモリは世代を重ねていくごとにクロック数もあげられていくわけですね。
そして、DDR5メモリについては2020年から本格的に製造が開始されるためZen3(Ryzen 第4世代)で取り入られてもいいのですが、DDRメモリのアップグレードにおいてはソケットごと変更しなければなりません。
そして、AMDは2020年までは同様に「AM4ソケット」を使えるようにすると公言しているため、おそらくDDR5は実装されないです。
ソケットが代わり、マザーボードが代わり、さらにチップセットが新しくなることを考えると、第3世代Ryzenの「X570」チップセットがなんだか勿体無い感じがしますね。
なので、X570で動く範囲でのアップグレードになると見込まれます。
第4世代Ryzenに期待されること
続いては、第4世代Ryzenで期待されることです。
1、内臓GPUの性能向上
Ryzenには3400Gなど、内臓グラフィックスを搭載しているモデルがあります。それらは総じてAPUと呼ばれますが、このAPUについては前世代のアーキテクチャが使われます。
つまりは、Ryzen5 4400GはZen2アーキテクチャが使われるわけです。
そこで、もしかしたら内臓グラフィックスが強化されるかもしれません。
というのも、いくつか理由はあって、一つ目としてはIntelCPUの内臓グラフィックス性能が格段に上昇きてきたからです。
Intelは第10世代CPU「Icelake」に搭載しているgen11グラフィックスや、次世代の「Xe(gen12)」グラフィックスをやたらと主張しています。
関連記事:Xeグラフィックスについて
もしかしたらこのXeグラフィックスの性能は現行Ryzen内臓グラフィックス「Vega」の二倍以上になるかもしれません。
当然AMDはなにかしらの対応策をねるのですが、そこで「Naviアーキテクチャ」を使う可能性も指摘されます。Naviアーキテクチャと言えば最近発売された「RX 5700シリーズ」
7nmプロセスで製造され、非常にパフォーマンスが良いことからSonyのPlayStation 5のGPUにも採用される予定となっています。
なので、もしかしたら第4世代、いや第5世代になるかもしれませんが、内臓グラフィックスとしてはNaviアーキテクチャが用いられる可能性は否めないです。
実際にVegaアーキテクチャは結構古いものとなっています。
2、あまり期待されることがない??
期待されることについて書き出そうとしていたわけですが、実際に考えてみると第4世代Ryzenってそこまで進化するものではない気がします。
第1から第2がマイナーチェンジだったように、もしかしたら第3から第4もマイナーチェンジかもしれません。
ただ一つ言えるのは、第5世代RyzenではPCI-e 5.0 & DDR5が実装され、プロセスについても6nm以下となる可能性がかなり高いことです。
それを考えると、第5世代Ryzenまで待ってみるのもありかもしれません。
Ryzenもカーボンナノチューブで製造される時代がくるのでしょうかね。。。
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