https://s.rbbtoday.com/article/2017/09/01/154351.html
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■製品の概要
ルピナスショルダー FMC-LPN5500は、“家庭用医療機器”という位置づけの製品。健康アドバイスを一人ひとりに提供する「365日24時間の健康管理システム」の5年契約とセットで販売される。価格は、「Wi-Fiモデル」が月々6,900円×60回払い(税別、以下同)、「LTEモデル」が月々7,900円×60回払いとなっている。「LTEモデル」といってもそれ自体がLTE通信するわけではなく、ソフトバンクのWi-Fiルータが付属される。カラバリはアイボリーとブラックの2色を用意した。
■生活必需品に進化させたい
登壇した同社 代表取締役の稲田二千武氏は「これまでは嗜好品だったマッサージチェアを、一家に1台の生活必需品に進化させたい」と意気込む。新製品には、ファミリーイナダ独自のアジャストセンサーによる指圧点自動検索システムを搭載。人それぞれ異なる体型や筋肉の状態を把握、最適な揉み具合を実現するという。
健康管理システムには8人までユーザー登録できるようになっている。同社では手首式血圧計、体組成計、ブレスレット型の活動量計なども提供しているが、これらの周辺機器と連携が可能。測定したデータはBluetoothで送信され、付属のタブレットに自動で登録される仕様になっている。身体の情報をクラウドに蓄積することで、医療機関と連携して食事や運動、生活習慣の改善に役立てることができるという。
説明会の終了後、会場では実際に使用感を試すことができた。靴を脱いでチェアに深く腰をかけると、全身を包み込むような安心感がある。いくつも用意されているコースの中から、7分のコースを選択。プログラムをスタートすると、まずは身体の大きさ、肩、腰や背骨の位置の測定が始まる。使用前には毎回、この測定がおこなわれるという。
マッサージの強度はやや強めで、40代の男性筆者には「おっ」と声が出るくらい痛いこともあったが、もちろんプログラムで調整が可能だ。担当者によると、女性は強めのマッサージを好む傾向があるという。足をほぐしつつ背骨も指圧していく。やがて肩当てのようなパーツが下りてきて、肩のマッサージが始まる。なるほど親指で押されているような感覚があった。
次はリクライニングが倒れて、腰を重点的に揉んでくれる。やはり、結構強めだ。例えるなら、床に寝そべったときに野球のボールが転がっていてギョッとする、でも気持ち良いので腰の色んな位置に当ててみる、そんな感覚に近い。全行程を終了すると、リクライニングが起き上がった。
肩、腰、足を同時にマッサージしてくれるため、複数人のマッサージ師に同時に施術してもらっているような贅沢な気分になった。なお、プログラムの操作はタブレットのタッチパネルでおこなえる。マッサージの説明やその効果もイラストと音声で説明してくれるので、シニア層にも使いやすいのではないだろうか。
■率直な感想
最後に筆者の率直な感想を述べていきたい。まずは気になったこと、今後に期待することについて。強く感じたのは、もう少し個人に特化した使い方ができたら良かったのではないかということだった。使用前に必ず利用者の身体の状態を測定しなければいけないのは面倒だ。この事前測定はものの数分で終了するが、毎日使う機器だからこそ、その数分の手間を省きたいと思う。個人が特定できれば、毎日のデータから恒常的に凝っている箇所も分かり、また好みの揉み方も分かってくれるだろう。
また、本製品では凝りの状態を感知して、最適な揉み方を人工知能で判断している。これにより左肩と右肩で違う揉み方を提供できるのだが、この人工知能の使われ方についても、さらなるバージョンアップを期待したい。誤解を恐れずに(そして偏見を交えて)言わせてもらえば、例えばシニア層など、毎日の生活に大きな変化がない利用者なら、毎日の肩の凝り方にもそれほど大きな変化が出るとは考えにくい。
先程の話と被るが、人工知能搭載をうたうならば、家族の誰が使用しているかくらいは特定して欲しいところ。さらに、全国の利用者から「人気の高い揉み方」などのビッグデータを集めれば、年齢や職業や性別や身体の大きさや季節の違いから、今その人に最適な揉み方を自動で判断する(あるいはレコメンドする)ことも可能ではないだろうか。
ところで、ラグジュアリーなマッサージチェアの競合製品には高価なものも多い。数十万円してしまう製品なら、なかなか購入までの踏ん切りがつかないが、本製品のように毎月払いであれば敷居も低い。ちなみに月額6,900円を5年間支払うと41万4,000円。5年の間に本製品が「生活必需品」になるには、新しいプログラムの追加なども欠かせないだろう。
その点、Wi-Fiでオンライン通信できるのがメリットになる。ウェアラブルの活動量計など、周辺機器と連携できることから、今後のサービス拡大にも期待できる。例えば歩数計と連動することで、よく歩いた日なら足をほぐす機能を多めに、全く動かなかった日ならデスクワークで溜まったであろう肩の疲れをほぐす機能を多めに、といったことを自動で判断してくれるようになれば、全世代の生活必需品にもなりそうだ。
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