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米最高裁判所は17日、民主党のバラク・オバマ元政権の医療保険制度改革法(ACA、オバマケア)の無効化を求める共和党側の訴えを7対2で退けた。ドナルド・トランプ前大統領は、オバマケアの無効化を主要選挙公約のひとつに掲げていた。 オバマケアの無効化は、テキサス州やほかの17州の共和党の州知事らが訴えたもの。共和党は上下両院で過半数を維持していた際に度々、この法律を撤廃としようとした。 現在の米最高裁判事の構成は6対3で保守派優勢となっている。しかし17日の判決で判事は7対2で、訴えを起こしたテキサス州などには、オバマケアの無効化を求めて訴えを起こす原告としての適格性がないと判断した。 最高裁がオバマケアとして知られる「患者保護並びに医療費負担適正化法(ACA)」の存続を支持するのは2010年の同法成立以降3度目。 オバマケアでは、保険会社が既往症を理由に保険加入を拒否することが禁止され、子どもは26歳まで親の医療保険に加入できることになっている。 原告側は個人の保険加入を義務付ける同法の主要条項は違憲だなどと訴えたが、最高裁は17日、この違憲性そのものには踏み込まなかった。 同法により、低所得者数百万人が医療保険へ加入できるようになった。 ホワイトハウスは今月初め、過去最多となる約3100万人の米国人が医療を受けられるようになったと発表した。 ■裁判所の判断 17日の判決は、オバマケアの「強制加入」要件には踏み込まなかった。これは、健康保険に加入しなければペナルティとして課税されるというもの。ただ、2017年に共和党主導で0ドルに設定された。 テキサスなど18州は、罰則のない加入義務は違憲だと主張していた。 最年長判事でリベラル派のスティーブン・ブライヤー最高裁判事は多数意見として、「これは単に技術的な問題ではない。(中略)選挙で選ばれていない判事に、選挙で選ばれた政府部門の決定を全般的に監督する包括的権限を与えることになる」とした。 一方、保守派のサミュエル・アリート判事とニール・ゴーサッチ判事は無効化を支持しなかった。ゴーサッチ氏は2017年に当時のトランプ大統領から判事に指名された。 アリート判事は、「この裁判所は実に見事なまでに出来る限りの手段を尽くして、あらゆる脅威からACAを守うとしている」と少数意見を書いた。 ■最高裁判断への反応は ジョー・バイデン大統領は声明で、最高裁の判断は同法の「恩恵を受けているすべてのアメリカ人にとって大きな勝利」だと称賛した。 今回の判断は、オバマケアの医療へのアクセスの改善を政策の中心に据え、ACAの拡大を約束しているバイデン氏にとっても勝利と言える。 オバマ元大統領は声明で、自分が署名した法律が「存続する」ことが再び確認されたとした。 共和党は、ACAは医療社会化制度への抜本的でコストのかかる移行を意味すると考えており、コストがかかる一方で医療の質が低下すると主張している。また、病気の人が保険に加入するとその分保険料が高くなるとして、すでに保険に加入している人たちにも不評だ。 共和党のケヴィン・ブレイディ下院議員(テキサス州)は、最高裁の判断に「失望」したとツイート。「欠陥のある」法を救うために最高裁が「介入」したと批判した。 しかしオバマケアを支持するアメリカ人は多い。2月に行われたカイザー・ファミリー財団の世論調査では、約54%が好意的にとらえているという結果が出ている。 (英語記事 US Supreme Court rejects big challenge to Obamacare)
(c) BBC News
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