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2022年4月2日土曜日

日本の製造業はリストラしないともうもたないのでしょうか?

逆です。リストラできないからやばいんです。

パナソニックは先日退職金4000万円を上乗せして早期退職者を募りました。一般人からすれば10年分の給料に匹敵する額です。それに加えてキャリア開発や再就職の斡旋までしています。ここまでしていなければ辞めてくれないのです。

一人頭4000万円+アルファもあればどれだけ有能な新しい人材を雇えると思うと、クラクラしてきます。その一方で若い人は非正規で不安定な職についています。こんなんで企業が伸びるわけがありません。

パナソニック「退職金4000万円上乗せ」で50歳標的の壮絶リストラ【スクープ】
パナソニックが、バブル世代をメインターゲットにした大規模リストラに着手することがダイヤモンド編集部の調べで分かった。早期退職プログラムの一つである「割増退職金」の上限が4000万円に設定されるなど大盤振る舞いをする。それほどまでに、成果の乏しいロートル社員の滞留が戦力人材の活躍を阻むことが社内では問題視されていた。内部資料を基に早期退職プログラムの中身を明らかにする。

リストラというと首切りというイメージがありますが、本来はリストラクチャリング、再構築を意味します。企業の事業形態に合わせて業務や役割を異動することも含まれています。しかし辞めたがらない人は今やっていることを一切変えたがりません。勉強も技能向上もしないんです。ただただ今やっていることをしていたいんです。

しかし会社を取り巻く社会環境は甘くありません。家電業界は中国と韓国の企業に追い抜かされて青色吐息です。パナソニックも大きく業態を変えなくてはいけません。そのためには社員も変わらなければなりません。しかしこういう辞めたがらない人たちは変わらないんです。これじゃあ改革なんてできません。

もちろん安易な首切り(いわゆるリストラ)は、首を切られた当人だけでなく他の社員にも悪影響を及ぼします。安定した給料を支払い、身分を保証しないと従業員は定着せず、従業員が早く辞める企業はノウハウが蓄積しません。

また早期退職を募ると、有能で辞めてほしくない人ほど早く辞めます。そういう人はむしろ会社に見切りをつけてしまいます。結果日本の制度では、辞めて欲しくない人が辞めて、辞めて欲しい人が残るという、人材流出型の最悪のリストラになるんです。

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