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7月2日に発生し、現在も完全復旧には至っていないKDDIの大規模通信障害だが、多方面に影響を与えたことでも大きな注目を集めている。その原因は音声通話処理に関する部分で「輻輳」(ふくそう)が発生したためだというが、そもそも輻輳とはどのようなもので、なぜそれが通信障害を起こすほど甚大な影響を与えてしまうのだろうか。 【画像】KDDIの障害原因資料
甚大な影響を与えたKDDIの通信障害、その原因は
大規模通信障害は「au」「UQ mobile」「povo」など、KDDIが提供するモバイル通信の利用者のほぼ全てに影響しただけでなく、KDDIのモバイル回線を利用している楽天モバイルやMVNO、さらにはKDDI回線を利用する多くの企業のサービスにも影響を与えることとなった。 実際この通信障害により、KDDI回線を利用していた銀行の店舗外ATMが使えなくなったり、宅配便サービスの配送情報が更新されなくなったり、気象観測点の一部データが収集できなくなったり……と、非常に多岐にわたるサービスで問題が発生した。それゆえ障害発生の翌日となる7月3日には金子恭之総務大臣が会見で「大変遺憾」と述べた他、KDDIも会見を開いて代表取締役社長の高橋誠氏らが謝罪。日曜日であったにもかかわらず、事態は非常に大きく動いた。 KDDIの説明会では、通信障害が発生した経緯について説明している。その時点では障害発生の最中であったことから正確な原因はまだ追及できていないというが、障害発生の契機となったのはコアネットワークのルーターを交換した際に、なぜか音声通話が一部不通となったことにあるようだ。 そこでKDDIでは急きょ、ルーターを元のものに戻して対処を図ったというが、その間に4Gのネットワークで音声通話をする「VoLTE」をつかさどる「VoLTE交換機」の部分でアクセス集中が発生。輻輳状態に陥り、それがネットワークの他の部分にも影響して大規模通信障害に至ったという。 実はこの「輻輳」というのは、一般にはなじみはないものの、通信業界では障害発生時に必ずと言っていいほど出てくる言葉でもある。一体輻輳とはどのようなもので、なぜネットワークに問題を起こすのかを改めて確認してみよう。
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