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2022年11月05日 12:02 朝日新聞デジタル
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写真 タッチレス式の蛇口設置を訴えた高知市立春野中の3人。左奥から井上想大君、坂上侑生君、中川千爽君=2022年10月18日、高知市春野町西分、羽賀和紀撮影 |
手をかざすと自動で水が出る。高知市立春野中学校で10月上旬、廊下に並ぶ水道の蛇口の一部がタッチレス式に変わった。
きっかけは、夏休みの模擬議会「こうち志議会」に参加した生徒の訴えだった。坂上侑生(ゆうい)君(3年)が「学校の手洗い場は多くの人が使用するので、直接手で触れることなく手をかざすだけで水が出れば、コロナの感染拡大防止につながる」として、タッチレス式の導入を提案した。
志議会で答弁に立った松下整・市教育長は「設置に向けた取り組みを進めていく」と述べた。市は答弁後に予算化し、来年2月末までに総額約637万円をかけ、22校で取り付け工事が予定されている。
提案書には「学年行事や学校行事も全て延期や短縮となり、我慢と辛抱の3年間だった。自分たちでできることを協力してやってきました」としたためた。
■入学直後から自宅待機、修学旅行は3回延期…
文面を練り上げたのは、生徒会副会長の井上想大(そうた)君(3年)。コロナに直面した学校生活を振り返る一文を盛り込んだ。
中学生活はコロナの感染拡大期と重なり、入学式直後から自宅待機や分散登校となり、クラス全員が顔を合わせられたのは2学期になってからだった。英語の授業では、マスク越しでの発音練習に苦労した。関西への修学旅行は3回延期され、体育祭も文化祭も規模を縮小して開催された。
そこで、生徒会役員だった中川千爽(ちあき)君(3年)が「みんなが安全で衛生的に安心して使える蛇口」への取り換えを志議会で求めようと提案。生徒会を代表して井上君が提案することになった。ところが、開催4日前に井上君のコロナ陽性が判明。同じく生徒会役員だった坂上君が代役として参加することになった。
3人は「高知市は予算が足りないと聞いていたので、まさか自分たちが卒業する前に本当に設置されるなんて思わなかった」と、自分たちの提案が実現されたことに驚いていた。
岡崎誠也市長は9月の市議会定例会で、「着眼点の鋭さや若者ならではの感性に非常に頼もしく思った」と発言。今後も優れた提案については、できるだけ予算化を検討するとしている。
志議会は若年層に政治への理解を深めてもらおうと、市と市教委が毎年1回開催。今年は23人が参加した。(羽賀和紀)
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