Microsoftは2023年2月のパッチでIE11を「完全無効化」すると発表したそうです。
しかし、このブログでも取り上げたように、IE11の「サポート」は今年6月で終了しています。私は、これでもうIE11は使えなくなっているものとばかり思っていたのですが、実態は違ったようで、
サポートが終了した今はMicrosoft Edgeへのリダイレクトで対処しているが、今後はWindows Update経由で、IE11のデスクトップアプリケーションそのものを無効化する。
なのだそうです。サポートは終了したけれども、使おうと思えば使える状態だった、ということのようですね。IE11もEdgeのIEモードも使う必要がなかったので、気づきませんでした。
調べてみると、同じ様な疑問を持っている方もおられたようです。
この記事によると、サポート終了後にEdgeのIEモード(IEのサポート終了後もEdgeでIE対応のサイトを閲覧できるモード)でバグが発生したともあり、Microsoftとしても完全無効化には踏み切れなかったのかも知れません。もっとも、バグが原因で完全無効化が遅れたのかどうか、因果関係は不明です。
それにしても、ここまで来るとMicrosoftのIEへの配慮というか、IEを使い続けているユーザーへの配慮は改めて凄いものだと感じます。もともと自社で勝手にブラウザーを拡張したのが悪いのですが、その後それが標準として残らず、さらにはそれを使ったサイトがここまで残るとは思っていなかったのでしょう。改めて当時のIE、そしてMicrosoftの影響力が凄かったことを実感すると共に、恐らくは未だにIEでないと動かないサイトが沢山残っているのだろうな、という印象を持ってしまいます。
今年6月にIEのサポート終了について書いたブログでも触れましたが、
このブログで
自治体のデジタル行政推進課の職員が「何で今、急に」とコメントしたと報道されたことがネットで話題になり、「全然急じゃない」「デジタル行政推進課なのに情弱」「担当は冬眠していたのか」などと一斉に突っ込みが入ったようです。
と書きました。これが今年6月の時点での話ですから、4ヶ月でこの自治体の状況が進展したとも思えませんし、他にも同じ様な事例が沢山ありそうなことだけはわかります。とはいえ、永遠にサポートを続けることはできないのも事実。Microsoftの「強制的に使えなくしてしまう」という判断はやむを得ないでしょう。
6月のブログでもタイトルに「2度と慌てないために」と入れましたが、このままではWindowsXPの二の舞になりそうな予感しかしません。それに、XPのときもそうでしたが、こういった場合に慌てているのが公的セクターの組織が多い様に思います。(報道されやすいだけかも知れませんが)これには、一旦作ってしまうと改修のための予算がとりにくいなどの事情があるのではないかと推察します。この辺は政府としてきちんと手当てしていく必要があるのではないでしょうか。DXというと最先端技術の採用ばかりが注目されますが、こういた「作ったまま放置」のシステムを無くしていくことも、DXへの道のりの一部なのだと思います。
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