https://www.phileweb.com/review/article/202002/25/3762.html
ラックスマンの歴史と新技術の融合、真空管コントロールアンプ「CL-1000」が実現したリアリティと力強さ
【特別企画】フラグシップにふさわしい表現力
■長い歴史で培った技術をさらに研鑽、新開発トランスアッテネーターを搭載
ラックスマンは90年を越える長い歴史を持つオーディオブランドであり、その歴史の中に占めるアンプの重要性はいまさら説明の必要はないだろう。特に真空管アンプの歴史は約60年に及び、部品から完成品まで膨大なノウハウを蓄積してきた。
その知見はもちろん、現行製品にも脈々と受け継がれており、ソリッドステートのアンプ技術とともに同社の中核をなしている。その最新かつ最大の成果と言えるのが、昨年春に発売したコントロールアンプ「CL-1000」である。
同社は2015年に、創立90周年を記念してパワーアンプ「MQ-300」を発売した。オーディオ用三極管の頂点に位置する300Bをシングルで用いたステレオパワーアンプだ。CL-1000は、このMQ-300との組み合わせを視野に入れているのはもちろんだが、そこにとどまらず、ソリッドステートも含めた幅広いパワーアンプとペアを組むことも想定している。ラックスマン製品以外のパワーアンプと組み合わせるケースも、もちろん織り込み済み。そこまで意識して音を追い込み、フラグシップにふさわしい表現力を目指した製品なのだ。
近年のラックスマンは、ボリューム回路のクオリティにこだわり続けている。固定抵抗列を電子制御で切り替える「LECUA」をコントロールアンプとプリメインの主要モデルに導入し、ボリューム回路の音質劣化を最小限に抑えることに成功した。
一方CL-1000は、高精度な電子制御とトランスを組み合わせた新開発の電子制御トランスアッテネーター「LECUTA(Luxman Electric Controlled Ultimate Transformer Attenuator)」を載せ、抵抗体を使わずトランスのタップで34種類の音量設定を切り替える方式を導入した。
トランスならではの長所として、設計者は「小音量でも音が痩せないこと」を主張する。真空管アンプの良さとして誰もが認める、密度の高い音色を多様な再生環境で引き出すには、たしかに有効なアプローチの一つといえる。
その一方で、いくら音が良くても使い勝手を犠牲にするわけにはいかない。そこはLECUAで培った技術も活かしながら丁寧に追い込んだ。34接点の精密な回転式スイッチを位置検出コントローラーとして用い、34個のタップに対応する同数のリレーを介して信号を取り出すというのが具体的な方法だ。
機械式スイッチなのでリモコンは使えないが、操作時に指に伝わるクリック感に節度があり、スムーズな調整ができる。接点を音楽信号が通らないため、音質と耐久性いずれもメリットが大きい。専用トランスのコアに「ファインメット」を採用したのも音の良さが理由だという。
ラックスマンは90年を越える長い歴史を持つオーディオブランドであり、その歴史の中に占めるアンプの重要性はいまさら説明の必要はないだろう。特に真空管アンプの歴史は約60年に及び、部品から完成品まで膨大なノウハウを蓄積してきた。
その知見はもちろん、現行製品にも脈々と受け継がれており、ソリッドステートのアンプ技術とともに同社の中核をなしている。その最新かつ最大の成果と言えるのが、昨年春に発売したコントロールアンプ「CL-1000」である。
同社は2015年に、創立90周年を記念してパワーアンプ「MQ-300」を発売した。オーディオ用三極管の頂点に位置する300Bをシングルで用いたステレオパワーアンプだ。CL-1000は、このMQ-300との組み合わせを視野に入れているのはもちろんだが、そこにとどまらず、ソリッドステートも含めた幅広いパワーアンプとペアを組むことも想定している。ラックスマン製品以外のパワーアンプと組み合わせるケースも、もちろん織り込み済み。そこまで意識して音を追い込み、フラグシップにふさわしい表現力を目指した製品なのだ。
近年のラックスマンは、ボリューム回路のクオリティにこだわり続けている。固定抵抗列を電子制御で切り替える「LECUA」をコントロールアンプとプリメインの主要モデルに導入し、ボリューム回路の音質劣化を最小限に抑えることに成功した。
一方CL-1000は、高精度な電子制御とトランスを組み合わせた新開発の電子制御トランスアッテネーター「LECUTA(Luxman Electric Controlled Ultimate Transformer Attenuator)」を載せ、抵抗体を使わずトランスのタップで34種類の音量設定を切り替える方式を導入した。
トランスならではの長所として、設計者は「小音量でも音が痩せないこと」を主張する。真空管アンプの良さとして誰もが認める、密度の高い音色を多様な再生環境で引き出すには、たしかに有効なアプローチの一つといえる。
その一方で、いくら音が良くても使い勝手を犠牲にするわけにはいかない。そこはLECUAで培った技術も活かしながら丁寧に追い込んだ。34接点の精密な回転式スイッチを位置検出コントローラーとして用い、34個のタップに対応する同数のリレーを介して信号を取り出すというのが具体的な方法だ。
機械式スイッチなのでリモコンは使えないが、操作時に指に伝わるクリック感に節度があり、スムーズな調整ができる。接点を音楽信号が通らないため、音質と耐久性いずれもメリットが大きい。専用トランスのコアに「ファインメット」を採用したのも音の良さが理由だという。
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2/24 10:37 更新
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