フォルクスワーゲン・グループは、パートナー企業であるクアンタムスケープ(QuantumScape)社と共同開発した全固体電池セルのテスト結果を発表した。従来型のリチウムイオンバッテリーより航続距離が長く、劣化も大幅に抑えられているという。 【写真】フォルクスワーゲンの新たな選択肢【日本でも買える最新EV、ID.4を写真で見る】 (20枚) ドイツで実施されたテストでは、充放電サイクルを1000回以上繰り返した。これは航続距離500~600kmのEVの場合で約50万km走行に匹敵するもので、その後のセルの蓄電容量低下は5%であった。 フォルクスワーゲン・グループのバッテリー部門PowerCo社によると、現在の業界標準では、充放電サイクルは700回、蓄電容量低下は最大20%であることが求められるという。今回のテスト結果は、これを大きく上回るものだ。 同社は声明で、新しい全固体電池セルは急速充電能力、安全性、自然放電といった他のテスト要件も満たしたと述べた。 PowerCo社のフランク・ブローム最高経営責任者(CEO)は、「これは非常に心強い結果です。最終的な成果として、長距離走行と超急速充電が可能で、実質的に老朽化しないバッテリーセルができるかもしれません」と述べている。 全固体電池は、引火の危険性が指摘されるリチウムイオンバッテリーの液体電解質とセパレーターを、セラミックやポリマー、またはガラス製の固体セパレーターに切り替えたものだ。 フォルクスワーゲン・グループは2010年以来、クアンタムスケープ社と全固体電池技術の開発に取り組んできた。2012年には同社に1億ドルを投資し、筆頭株主となった。それ以来、EVの性能向上と低価格化を目指し、さらに2億ドルの追加投資を行っている。
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