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東京大学のアサバナント・ワリット助教と古沢明教授らは、光子を用いた論理量子ビットを実現した。論理量子ビットはエラー情報を元に正しい情報を復元できる。光を利用すると大量の量子ビットを生成できる。計算間違いをしない誤り耐性量子コンピューターの構築につながる。
情報通信研究機構や理化学研究所などとの共同研究で論理量子ビットの一種であるGKP論理量子ビットを生成した。パルスレーザーで位相が反転した光の重ね合わせ状態を作り、線形光学素子でGKP論理量子ビットに変換する。
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実験では一つのパルス光の中に一つの論理量子ビットを生成できた。光のGKP論理量子ビットの生成は世界初。超電導方式などでは一つの論理量子ビットを構成するために多数の量子ビットを用意する必要があった。新方式はパルス光をレーザーとして連続的に生成すれば大量の論理量子ビットを生成できる。
光の測定には情通機構と開発した光子検出器を利用した。線形光学素子の工程を繰り返すことで質の高い量子状態を実現できる。光源には光通信の波長帯を用いているため成熟した技術でシステムを構築できる。
今後、複数の論理量子ビットを用いて誤り訂正などを実証する。他方式では計算エラーを含んだ状態での用途探索を進めている。光量子方式は計算エラーを気にしなくていいコンピューターを構築できると見込まれる。事業化に向けてベンチャーを9月に立ち上げる。
研究成果は米科学誌「サイエンス」に掲載された。
日刊工業新聞 2024年01月19日
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