イスラエルTower Semiconductorは1月16日(イスラエル時間)、ルネサス エレクトロニクスが通信衛星(SATCOM)、5G、航空宇宙および防衛アプリケーションのティア1顧客向けにTowerのSiGe BiCMOS技術を採用してビームフォーミングICを製造する戦略的提携を結んだと発表した。

通信衛星ベースのインターネットサービスが世界的に普及しつつあり、6G以降でのさらなる活用が期待されている。それを受けてSATCOM向け地上端末市場は成長を続けており、市場調査会社ユーロコンサルトによると、2022年には7100万人が衛星ブロードバンドサービスに接続したが、2031年には2倍となる1億5000万人以上のユーザーが接続することが予想されるとしている。これは、今後10年間でSiGeウェハの年間平均TAM(獲得可能性のある最大市場規模)が4億ドル増加することを意味するという。

なお、ルネサスのビームフォーミングICポートフォリオは、特に、ティア1基地局メーカー、ティア1衛星ブロードバンドサービスプロバイダー、大手防衛請負業者、大手航空機メーカー向けアンテナサプライヤを含む、いくつかの世界の戦略的顧客によって設計上の成功を収めており、同社のRFコミュニケーション担当VPであるNaveen Yanduru(ナヴィーン・ヤンドゥル)氏は、「TowerのSiGe BiCMOSテクノロジーを活用することで、新しい業界のベンチマークとなる高集積で電力効率の高い半導体の設計と製造が可能になった。現在、機械式アンテナから電子制御アンテナ(ESA)への置き換えが各所で進んでおり、今後数年間でビームフォーミングICのSAM(同社の当該事業が獲得できる可能性のある最大の市場規模)の指数関数的な成長を後押しすることになるだろう。ミリ波技術に対する需要が急増し続ける中、Towerとの協力により、ルネサスは市場リーダーとしての地位を確立する」と述べている。