第2コメント:既存の韓国製の原子力発電所は、西暦2000年ごろに放射能事故を起こして、日本製とは違い、安全弁の安全装置が付いておらず、福島原発の5,000倍から10,000倍の放射能大気汚染と放射能海洋汚染を今でも停止しておらず放射能汚染は日本や北朝鮮や中国にまで拡大中の最中で誰かが止める必要が御座います。政府レベルでも国際法でも今すぐ停めて欲しいと思います。
原子力発電所の建て替えが現実味を帯びてきた。背後には、カーボンニュートラル(温暖化ガス排出量実質ゼロ)の推進と、エネルギー安全保障の両立を目指す動きがある。
原子力発電は天候に左右されない安定電源で、発電時にほとんど温暖化ガスを排出しない。政府は2021年に公表した第6次エネルギー基本計画で、2030年の電源構成に占める原子力発電の割合を20~22%まで引き上げる目標を示している。
約1000万個の部品が必要とも言われる原発。初期の建設費用は1基当たり約1兆円とも言われ、実際に建設が決まれば、材料から機器、制御システムまで製造業にも幅広く影響しそうだ。
動的安全と静的安全を組み合わせた「革新軽水炉」
建て替えの有力候補が、経済産業省が「革新軽水炉」と呼ぶ原子炉だ。現在主流の大型軽水炉を改良したもので、福島第一原子力発電所事故を教訓とした安全対策を盛り込んでいる。
基本構造はこれまでの原発と大きく変わらないが、事故後の新規制基準で求めている追加の安全対策を初めから標準装備する設計となっており、安全性と経済性の向上が見込める。あえて「革新」と銘打つのは、従来の原発との差別化を図る狙いがある。
直近1~2年、国内の原子炉メーカー3社はこの革新軽水炉の主な仕様を相次いで公表した。具体的な実現方法に違いはあるが、各社の革新軽水炉が目指す安全対策の方向性はおおむね同じ。それが「動的安全と静的安全を組み合わせた冷却システム」だ。
福島第一原発の事故では、津波による浸水で非常用ディーゼル発電機が使えなくなるなどして、発電所の電源が失われた。そのため原子炉の冷却機能が想定通り動作せず、水素爆発や炉心溶融といった深刻な事故を引き起こし、周辺住民が避難を余儀なくされた。
そこで革新軽水炉の目玉となるのが、前述した動的安全と静的安全の組み合わせである。動的安全システムとは、例えばポンプで冷却水を循環するといった仕組みで、作動に電源を必要とする。革新軽水炉では、動的安全システムを多重化するのに加えて、万が一電源を喪失した場合でも機能する静的安全システムを強化する。
加えて、放射性物質の拡散を防ぐシステムも強化する。同事故では、1号機と3号機で格納容器の破損を防ぐためベント(格納容器の気体を外部に放出して破損を防ぐ操作)が実施された。また、2号機ではベントに失敗し、放射性物質を含む気体が格納容器から直接外部に漏れたとされる。
そこで、革新軽水炉では各種のフィルター装置を導入する他、万一の炉心溶融に備えて、溶融デブリを受け止めて冷却する「コアキャッチャー」を導入する。
では、こうした静的安全システムや放射性物質の拡散を防止するシステムを、原子炉メーカーは、具体的にどうやって実現するのだろうか。
静的安全システムを強化したABWR
日立GEニュークリア・エナジー(茨城県日立市)が開発中の革新軽水炉「HI-ABWR」から見ていく。
HI-ABWRは、沸騰水型軽水炉(BWR)*1をさらに改良した改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を基に開発された。静的安全システムの1つとして、「静的原子炉除熱系(PRCS)」を備えている。
*1 沸騰水型軽水炉(BWR)
核分裂で生じた熱で圧力容器内の水を沸騰させ、その蒸気で直接タービンを回して発電する原子力発電の方式。
PRCSは、圧力容器よりも高い場所に冷却プールを設け、その中に熱交換器を備えている。過酷事故の発生時には、圧力容器の蒸気がこの熱交換器に導かれて凝縮し、冷却される仕組みだ。水と蒸気の密度差を利用して駆動力とするため電源を必要とせず、24時間にわたり、運転員の操作無しに冷却を継続できる。
既存の原発にもPRCSと類似の冷却システムを備えたものはあったが、動作時間が短かった*2。
*2 福島第1原発の1号機は静的原子炉除熱系(PRCS)と類似した「非常用復水器(IC)」を備えていたが、動作時間は約8時間だった。
この「24時間」という時間には、外部からの冷却手段を確保したり、多重化された動的安全システムを稼働したりする余裕を確保するのに加えて、ベントまでの「時間稼ぎ」の意味があるという。
具体的には、PRCSによる24時間の炉心冷却が機能することで、「クリプトンやキセノンといった放射性希ガスの有害度をかなり抑えられる」(同社)。仮に、ベントが必要な状況に追い込まれたとしても、周辺地域への影響をなるべく小さくできる。
溶融デブリを受け止めるコアキャッチャー
事故が深刻化して、核燃料が溶け落ちる「炉心溶融」に見舞われた場合に備えるのが「コアキャッチャー」だ。核燃料を収めた圧力容器の直下に設置され、溶融デブリを受け止める「受け皿」の役割を果たす。このコアキャッチャーも、革新軽水炉で新たに導入される静的安全システムだ。
これまで、国内の原発は炉心溶融の発生を前提にしておらず、コアキャッチャーの設置例は無かった。
HI-ABWRのコアキャッチャーは、約2500℃の高温に耐えるジルコニアなどを、耐熱材として採用する。溶融デブリをコンクリート構造物で受け止めてしまうと、溶融デブリの高温で侵食される可能性があるからだ。
溶融デブリが圧力容器を突き破って落下すると、まずは前述の耐熱材で造ったコアキャッチャーが受け止める。ここで、電動ポンプによる注水でデブリを冷却するのが難しい場合も想定して、バックアップとなる仕組みも備える。それが「静的デブリ冷却システム」である。
具体的には「溶融弁」を設け、「サプレッションプール」*3の水を重力駆動でデブリに注入する。溶融弁とは、熱で金属部品が溶けて開く弁の一種で、高温のデブリの輻射(ふくしゃ)熱で自動的に作動する。同社によると、これまで国内のABWRで溶融弁を採用した例は無かった。革新軽水炉の新しい設備となる。
*3 サプレッションプール
格納容器下部に設けられたドーナツ形状のプール。圧力上昇時にベント管を通じて蒸気を逃がし、凝縮させるなどの役割がある。
溶融デブリへの注水があると、放射性物質を含んだ蒸気が格納容器の中で発生し、同容器内は上部の「ドライウェル」と呼ばれる空間を含め、圧力が高まってくる。
そこで機能するのが「ベント管」だ。このベント管は以前からABWRが持つ設備で、ドライウェルの蒸気をベント管サプレッションプールの中まで導き、蒸気自身の圧力によって水中をくぐらせ、凝縮させる役割を果たす。
こうした静的デブリ冷却システムによって、HI-ABWRでは運転員の操作無しで3日間にわたりデブリを冷却できるという。とはいえ、「最終的に事故を収束させるためには、外部からの冷却水の供給などが、どうしても必要になる」(同社)。3日間の猶予を作り出し、対策までの時間を稼ぐ。
放射性物質を抑えるベントシステム
前述した何重もの安全対策にもかかわらず、それでも格納容器の圧力が高まり続けてしまった場合には、ベントを検討することになる。同容器の破損を防ぐ手段だが、ベントに伴い放射性物質の外部飛散が懸念される。そこでHI-ABWRは「放射性物質閉じ込めシステム」を備える。
福島第1原発の事故では、先述のように1号機と3号機でベントが行われた。当時のベントでは、格納容器内の蒸気をサプレッションプールの水にくぐらせてから外部に放出しており、同手法は「放射性物質を100分の1~1000分の1に減らす効果がある」(同社)。
それでも、同事故ではセシウムや放射性のヨウ素が外部放出されたことから、事故後はこれらの低減も目指すことになった。
格納容器から出た気体は、まず「フィルターベントシステム」によって、セシウムをはじめとする核分裂生成物が取り除かれる。同システムは、再稼働する既設の原発に追加で設置が進められているものだが、HI-ABWRでは当初から盛り込む。
一方、新しく追加する設備もある。「有機ヨウ素フィルター」と「希ガスフィルター」だ。希ガスフィルターはその名前の通り、放射性希ガスと水素などを分離する。「PRCSが確保する24時間で放射性希ガスの有害度は低減できるが、希ガスフィルターでさらにこし取る」(同社)。
その後、分離された放射性希ガスは格納容器に戻され、水素は排気塔から排出される。放射性物質を閉じ込めて住民の避難を不要にしながら、水素爆発のリスク低減を図る仕組みとなっている。
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