資料の紹介

　電気自動車（EV）やエネルギー貯蔵の需要の高まりを見据えて、バッテリー（電池）の争奪戦に拍車がかかっている。バッテリーメーカーの競争も激しくなり、今後10年で、世界市場を支配するバッテリーメーカーは13~15社に絞られるともいわれている。

　また、バッテリー技術の進化が激しいことから、バッテリーメーカーは急速に変化する市場要求にも直面しており、設計の複雑化と生産規模の拡大に対応する必要が出てきている。しかし、従来の製造プロセスでは、高性能の次世代バッテリーの設計開発やその生産能力拡充を進めることは難しい。

　本資料では、こうした課題の解決に向けた「仮想的な開発」について解説する。バーチャル空間内に組み立てラインや工場を正確に複製した包括的なデジタルツインを構築することで、新しい設備やプロセスを実際の現場に導入する前に仮想的に検証できるようにする。試運転前に製造現場の問題を特定できるため、稼働する前にエラーや障害の原因を特定して防止できるという。また、生産能力の拡張の可否についても確認できるため、エネルギーや原材料の使用量の最適化も図れるようになるとする。